Elucidation of mechanisms of transgenerational effects of developmental neurotoxicity - Developmental program and epigenomic toxicity of pesticides
Project/Area Number |
23K25004
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Project/Area Number (Other) |
22H03750 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63030:Chemical substance influence on environment-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
星 信彦 神戸大学, 農学研究科, 名誉教授 (10209223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 俊史 神戸大学, 農学研究科, 助教 (10380156)
池中 良徳 北海道大学, One Healthリサーチセンター, 教授 (40543509)
平野 哲史 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (70804590)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | 継世代影響(エピゲノム毒性 / 農薬 / 発達神経毒性 / ネオニコチノイド / dysbiosis / 継世代影響 / エピゲノム毒性 / 発生プログラム / 継世代影響(エピゲノム毒性) / ネオニコチノイド系農薬 / クロラントラニリプロール / 海馬歯状回 / 腸管免疫 / 腸内細菌叢のdysbiosis |
Outline of Research at the Start |
環境化学物質の継世代影響が懸念されており,そのメカニズムを科学的に明らかにすることは喫緊の課題である.しかし,そのメカニズムは何も分かっていない.本研究は,この継世代影響に大なたを振るい,発生プログラムとエピゲノム毒性に焦点を合わせ解明するものである.具体的には,脳機能攪乱の生体直接観察及び多次元メタボローム解析により現在最も使用されている浸透性農薬(ネオニコチノイド系農薬及びフィプロニル)の継世代影響を掘り下げ,トランスオミクス解析により発生プログラム・エピゲノム毒性の継世代影響メカニズムを総合的に評価する.
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Outline of Annual Research Achievements |
脳の神経回路網発生プログラムにおける継世代影響発達神経毒性および継世代影響(エピゲノム毒性)を明らかにすべく,C57BL/6Nマウスを用いてクロチアニジン(CLO)とクロラントラニリプロール(CAP)を用いて検証した.その結果,無毒性量の曝露でも胎子・新生子のCLOに対する感受性が神経回路の発達ステージ(4段階)によって異なることを初めて明らかにした(doi: 10.1292/jvms.22-0570).また,標的昆虫の骨格筋に作用点をもつCAPは,マウスでは運動機能障害を誘発せず,不安様行動の増加を引き起こすことを初めて明らかにした(doi: 10.1292/jvms.23-0041).また,CLOの継世代影響評価では,子(F1),孫(F2),ひ孫(F3)世代の成年期で各種試験を行ったところ,母親のみが曝露されたにもかかわらず,CLOの影響はF1,F2,および直接・間接的に曝露の無いF3においても認められた(under review).さらに,胸腺細胞の分化・成熟に寄与するとされるハッサル小体数が増加した.また,フローサイトメトリー解析から,CLOが胸腺細胞のDP細胞からCD4SP細胞への移行を阻害し,胸腺細胞の分化・成熟に影響を及ぼす可能性が示唆された.腸内細菌叢解析の結果,属レベルでは細菌組成の上位30属のうち,F1は2属,F2は1属,F3は4属が変動した.疾患やTreg細胞・マクロファージなどの誘導に関与する短鎖脂肪酸産生菌の変動(dysbiosis)はとくにF3で顕著であった.本研究により,無毒性量CLOの胎子・授乳期曝露が,一切のCLO曝露を受けていないF3世代にまでも現われることが明らかとなり,胸腺リンパ系および腸管免疫系に対する継世代影響(エピゲノム毒性)を考慮する重要性を示唆する知見が得られた(doi: 10.1292/jvms.23-0038).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り,「なぜ継世代影響が起こるのか,そのメカニズムを科学的に明らかにする」事を目的に,農薬の事例としてネオニコチノイド系農薬のクロチアニジン(CLO)およびクロラントラニリプロール(CAP)を胎子・新生子期に無毒性量のCLOを曝露させる系で,1)神経回路形成期での影響評価,ならびに2)神経行動学的・胸腺・腸管免疫系への継世代影響(エピゲノム毒性)を検証することができた.その結果,4報の論文が受理・掲載され,現在1報が査読中である. 新生子への母乳移行(Toxicol Lett 373: 33-40; doi: 10.1016/j.toxlet.2022.10.006)についても論文が受理された.
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Strategy for Future Research Activity |
1)母獣曝露と父獣曝露の影響: 有機塩素系(例えばDDT)や有機リン系農薬の哺乳類を対象としたエピゲノム影響研究ではシステマティックレビューも報告されているが,ネオニコチノイドに ついてはまさに研究の端緒が開かれたばかりである. これまで,ネオニコの発達毒性や継世代影響は,妊娠中の母獣への投与実験で評価されてきた.一方,交配相手である父獣へ化学物質等を投与して,次世代以降 にどのような影響が出るのかはこれまでほとんど調べられていなかった.漸く最近,雄親マウスへのニコチン曝露が継世代に行動障害,学習障害をもたらすこと や,海馬の遺伝子および神経機能の変容と恐怖記憶の増強を誘発することが示され,これらの研究では精子と海馬でのエピゲノム変化も報告されている.父親の 非遺伝的な要因が世代を超えて影響を及ぼす詳しいメカニズムについて当研究室でも解析を進めているが,精子DNAやヒストン修飾,ncRNAのエピゲノム変化が有 力視されている.さらに最近,実験動物やヒトにおいて,父親の精子のDNAメチル化と子供の発達障害の関連を示唆する報告が相次いでいる. 2)脳腸相関で腸内環境が鬱や発達障害,自閉症,学習障害および免疫機能への影響: 自閉症スペクトラム障害(ASD)には,遺伝的要因だけでなく腸内細菌叢も関与している可能性が示唆されている.すなわち,ASD児では,腸内細菌叢を構成する 微生物の種類と量が特異的かつ未発達であることをコホート研究が示している.我々は,ラットへクロチアニジンを亜慢性的に摂取させると,胸腺重量の大幅な 減少や短鎖脂肪酸産生菌の減少が引き起こされることを初めて報告した.それらは環境ストレスを負荷することで免疫系に与える影響は複合的に変化する可能性 も示唆される.最終年度では,それらについても研究を進める予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(33 results)
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[Book] 科学2022
Author(s)
遠山千春,木村―黒田純子,星信彦
Total Pages
20
Publisher
岩波書店
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