領域化学輸送モデル間の相互比較に基づく大気質改善予測の信頼性向上
Project/Area Number |
23K25011
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Project/Area Number (Other) |
22H03757 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63040:Environmental impact assessment-related
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
茶谷 聡 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 主幹研究員 (40394837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 達也 明星大学, 理工学部, 准教授 (00470154)
板橋 秀一 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (10714537)
嶋寺 光 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20647367)
山地 一代 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (40399580)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,640,000 (Direct Cost: ¥12,800,000、Indirect Cost: ¥3,840,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 領域化学輸送モデル / 相互比較 / オゾン / PM2.5 / 濃度変化 / 大気汚染 |
Outline of Research at the Start |
大気中のオゾンやPM2.5などの二次生成物質の効果的な濃度低減を検討するためには、領域化学輸送モデルが不可欠である。前駆物質の排出量の変化に対する二次生成物質濃度の変化については、モデルによる再現性の検証が十分にはなされていない。本研究では、COVID-19の影響を受けた前駆物質の大幅な排出減少がもたらした実大気中の二次生成物質の濃度変化を対象に、複数モデル間の相互比較を行い、計算される濃度変化の違いの要因を明らかにする。見出された要因について感度実験を行うことにより、その影響を定量化し、モデルで計算される二次生成物質の濃度変化の不確実性を減らし、信頼性を向上させるための方向性を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2016~2018年度に実施したモデル間相互比較プロジェクトJ-STREAM後のモデルやデータの進歩に伴う汚染物質濃度計算への影響を評価するために、J-STREAMでも対象としていた2018年4月と7月を対象に、改めて領域化学輸送モデル間相互比較を行うことにした。気象場の入力データは、複数の客観解析データを初期・境界条件とナッジングに用い、気象モデルWRFで計算を実行して作成した。排出量の入力データは、J-STREAMで使用した2015年対象のデータを更新し、国内外の全ての発生源における2018年までの対策と活動量の変化による排出量の変化を考慮して作成した。これらの入力データをモデル相互比較の参加機関に配布した。 モデル間相互比較計算は、モデルやバージョン、設定の異なる8モデルで実行された。計算された大気汚染物質濃度には、モデルやバージョン、設定の違いに対応した差異が見られた。しかしながら、概ねJ-STREAM当時よりも良好な再現性を有することが明らかになった。 比較計算に加えて、より高解像度な客観解析データとグリッドナッジングを組み合わせて、風況再現性の向上を目的としたWRF計算を別途実施したところ、オゾン高濃度期間中の海陸風循環を良く再現した。その気象場に基づくCMAQ計算では、関東広域でオゾン濃度の再現性が向上した。 2020年を対象とした比較計算に向けて、排出データを整備した。船舶については、COVID-19の影響を鑑み、2020年における実際の入港隻数を内航・外航船別に集計し、月別の補正係数を算定することで、既存の排出量データを補正した。また、自動車や固定発生源については、COVID-19の影響に伴う活動量の変化を明らかにし、それを考慮する場合と考慮しない場合の排出量データを新たに構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に予定していた2018年4月と7月を対象としたモデル間相互比較および追加解析を行えたことと、2年目に使用予定の入力データを構築できたことから、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
常時監視データや濃度自動観測データを解析し、COVID-19の蔓延の影響を強く受けた2020年、ならびに記録的な長雨の影響を受けた2021年夏から特徴的な期間を抽出し、特異的な前駆物質の排出量の減少と気象条件を反映させた共通入力データを新たに構築した上で、モデル間相互比較を行う。1年目と同様に包括的な解析を行い、2018年夏の解析結果と対比させることにより、複数の異なるモデルで計算された前駆物質の排出量の変化によるオゾンとPM2.5成分の濃度変化とその不確実性を評価する。また、相互比較に参加した複数のモデル間の違いと計算結果の違いの関係性から、計算結果に違いを生み出す要因を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)