Project/Area Number |
23K25022
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Project/Area Number (Other) |
22H03768 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64010:Environmental load and risk assessment-related
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Research Institution | National Institute for Minamata Disease |
Principal Investigator |
藤村 成剛 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (20416564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜木 隆光 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 主任研究員 (00742868)
臼杵 扶佐子 鹿児島大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 客員研究員 (50185013)
中村 政明 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (50399672)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | メチル水銀 / バイオマーカー / ポリチオール化 / エクソソーム / 神経機能障害 / miRNA / 水俣病 |
Outline of Research at the Start |
本研究においては、メチル水銀中毒のより確実な診断のために、血中のメチル水銀毒性に対する防御能 (無毒化能) の個体差に着目し、メチル水銀中毒におけるバイオマーカーを研究開発することによって、メチル水銀中毒の確実な診断に繋げることを目的とする。そのために、まず 、メチル水銀中毒モデル動物を用いた実験によって適切なバイオマーカーを見出し、最終的に高濃度メチル水銀曝露集団由来のヒト血液サンプルを用いて、見出したバイオマーカーについてヒトにおける有用性確認を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、メチル水銀中毒に対する個体感受性の違いを客観的に判定するために、メチル水銀毒性に対する個体差(感受性の違い)を確定しうるバイオマーカーを研究開発することである。そのために、まず、メチル水銀中毒モデル動物を用いた実験によって適切なバイオマーカーを見出す。そして最終的に高濃度メチル水銀曝露集団由来のヒト血液サンプルを用いて、見出したバイオマーカーについてヒトにおける有用性確認を行う。本研究においては適切なバイオマーカーを見出すため、2つの戦略による検討を行っている。 1つ目の戦略は、メチル水銀の無毒化に関与する血中タンパクのポリチオール化についての解析研究である。しかしながら、現在、血中タンパクのポリチオール化についての解析研究については、ポリチオール化がメチル水銀中毒の診断のためのバイオマーカーになりうるという結果は得られていない。さらに、2つ目の戦略は、実際にメチル水銀毒性が発生する脳神経系の防御因子を規定する血中エクソソーム中のmiRNA解析である。毒性防御に有効な miRNAが、メチル水銀毒性脆弱ラットと比較してメチル水銀毒性耐性ラットで約3~10倍発現が高いことが判明している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の進捗状況は以下の通りである。メチル水銀の無毒化に関与する血中タンパクのポリチオール化についての解析研究については、ポリチオール化がメチル水銀中毒の診断のためのバイオマーカーになりうるという結果は得られていない。次に実際にメチル水銀毒性が発生する脳神経系の防御因子を規定する血中エクソソーム中のmiRNA解析については、メチル水銀毒性に対する抵抗ラット3例および脆弱ラット2例において解析が完了している。毒性防御に有効な miRNA-154, 191, 340が、メチル水銀毒性脆弱ラットと比較してメチル水銀毒性耐性ラットで約3~10倍発現が高いことが判明した。さらに、miRNA-154は細胞骨格維持に関与することから、実際にメチル水銀毒性が生じる大脳皮質と小脳において神経系の細部骨格維持に関与する因子について解析をおこなった結果、Dvlという因子の発現量が、その抵抗性と関係することが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、以下のように研究を推進していく予定である。メチル水銀の無毒化に関与する血中タンパクのポリチオール化についての解析研究については、現在の血中タンパクのポリチオール部分を全て開環させる測定方法が問題と考えられるので、次年度は、LC-Mass等を用いた分子長を含めた測定を行う。また、実際にメチル水銀毒性が発生する脳神経系の防御因子を規定する血中エクソソーム中のmiRNA解析については、miRNAの解析例数を追加するとともに、実際にメチル水銀毒性が生じる大脳皮質と小脳におけるmiRNAの制御後に変動する因子についての詳細な解析を行う。
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