Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
森林生態系にとって、ニホンジカの食害は深刻な撹乱である。シカ食害の影響を取り除くと、森林生態系はレジリエンスを発揮し食害前の状況に戻ることが期待される。しかし、防鹿柵で囲っても樹木実生群集の回復が進まない状況が発生している。この原因として、シカによる樹木の枯死やササの消失が植物と土壌微生物群集との生物間相互作用を改変し、それがレガシー効果として森林のレジリエンスに悪影響を及ぼしていることが考えられる。本研究では、分子生物学的手法により土壌微生物群集の網羅的に把握し、撹乱のレガシー効果のメカニズムとしての生物間相互作用を把握し、レジリエンスに必要な指標となる生物間相互作用・機能群を特定する。