Project/Area Number |
23K25052
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Project/Area Number (Other) |
22H03798 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
渡辺 謙太 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 主任研究官 (20725618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 亮 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (00533316)
久保 篤史 静岡大学, 理学部, 講師 (90803958)
桑江 朝比呂 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 領域長 (40359229)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
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Keywords | 二酸化炭素隔離 / 沿岸生態系 / 堆積物 / 炭素動態 / 環境計測 / ブルーカーボン |
Outline of Research at the Start |
海草場・塩生湿地・マングローブ林などの沿岸植生域が光合成によって生産した有機炭素の一部は,微生物等による分解を免れて堆積物中に長期的に隔離される.分解された炭素はCO2として大気に回帰してしまうと認識されてきたが,分解の化学反応過程次第では溶存無機炭素イオンとして長期的に水中に隔離される可能性がある.そこで本研究では,沿岸植生域が生産した有機炭素が,分解され溶存無機炭素イオンとして隔離される量を,現地観測と室内実験によって定量評価することを目標とする.室内実験においては,沿岸植生域の造成に用いられる複数の材料を用いて,この隔離過程を含めた炭素隔離効果の評価を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
沿岸植生域は,大気中CO2を隔離する機能を有しており,これらの造成・保全・再生は吸収源対策として注目されている.これらの植生が同化した有機炭素の一部は,分解を免れて堆積物中に長期的に貯留される.分解された炭素はCO2として大気に回帰してしまうと認識されてきたが,分解の化学反応過程次第では無機炭素イオンとして水中に隔離される可能性がある.そこで本研究では,沿岸植生域が同化した有機炭素が,分解され無機炭素イオンとして隔離される量を,現地観測と室内実験によって定量評価することを目標とする.室内実験においては,浅場造成に用いられる複数の土木材料を用いて,この隔離過程を含めた炭素隔離効果の評価を行う.
本年度実施した研究内容は以下のとおりである.(1) 亜寒帯の塩性湿地・海草藻場の複合生態系で現地調査を実施.(2) 採取試料の分析.(3) 室内実験プロトコルの検討.
本年度は亜寒帯の塩性湿地・海草藻場の複合生態系(北海道・コムケ湖)で現地調査を実施し,実験計画通りに試料を採取した.ラジウムや各態炭素の分析結果から,これらの生態系の堆積物からは分解された炭素の多くが無機炭素イオンとして流出していることが示唆された.次年度以降で実施する他の生態系の結果と比較し,無機炭素イオンによる炭素隔離効果の規定要因を解析する計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目標達成に向けて必要となる一連のデータセットを亜寒帯ブルーカーボン生態系で取得することができた.試料分析の一部を完了し,仮説検証に向けて手ごたえを得ることができた.また2022年度に実施した亜熱帯生態系との比較を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに亜熱帯・亜寒帯ブルーカーボン生態系で取得した一連のデータセットを環境条件の異なるサイトで取得し,緯度間,生態系間での比較を行う.これによって,沿岸堆積物の分解過程に起因する無機炭素イオン隔離の規定要因や一般性を評価していく.また,土木材料を用いた室内実験も進め,人為的な炭素隔離の制御に向けた知見を得る計画である.成果のとりまとめ,論文等執筆も進めていく.
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