Modern History of De-agrarianisation and Re-agrarianisation from the viewpoint of the Socio-economic Structure of Indochinese Rural Villages
Project/Area Number |
23K25074
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Project/Area Number (Other) |
22H03820 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
高橋 昭雄 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (90282706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 知 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (20452287)
高橋 塁 東海大学, 政治経済学部, 教授 (30453707)
宮田 敏之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (70309516)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | インドシナ / 脱農化 / 帰農化 / 農村社会 / 社会経済史 / 農村社会経済 / ミャンマー / タイ / ベトナム / カンボジア / 社会経済 |
Outline of Research at the Start |
インドシナ諸国では工業化、産業の高度化とともに、その開始時期や形態に違いはあるもののDe-agrarianisation(脱農化)が進展してきた。だが、アジア経済危機や新型コロナの蔓延のような大きなショックが起きると、反転現象すなわちRe-agrarianisation(帰農化、再農化)が発生する。従来のMigration(人口移動)研究が扱うのは単なる離村や帰村にすぎないが、本研究では、就業の調整、所得源の変化、社会的アイデンティティの変質、景観の変容、政治権力構造の再編といった多様な概念を含む“脱農化・帰農化”という分析枠組を用いて、農村内部に深く分け入り、インドシナ諸国の農村社会経済変容と脱農化・帰農化の現代史を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
髙橋昭雄は、ミャンマーにおいて2つの農村を訪問調査した。上ミャンマーのT村では、シュエテインドー・パヤー(パゴダ)の繁栄に伴って、村に移り住んできた世帯を、下ミャンマーのZ村では、治安の悪化や経済的苦境によって村に移動してきた少数民族の世帯を社会経済学視点から調査した。また、ミャンマーの脱農化論を含む英文単著の執筆を進めた。 宮田は、東北タイのローイエット県の農協に引き続き着目して調査研究を進めた。景気の回復が遅れる中、同農協の組合員農家の農外を含む所得確保の取り組みについて調査をおこなった。なお、富山市の農業法人・土遊野の調査は、能登半島地震の影響で延期せざるを得なくなった。現地調査はできなかったが、復興に向けた土遊野の取り組みについて、インターネットを通じて情報共有し、情報収集を続けた。 小林は、2017から2019年にかけて世帯調査を行ったポーサット州農村で、新型コロナウィルス感染拡大後の現地の農業活動と農村生活の変化について視察を行った。その後、現地の調査協力者に依頼して、視察の対象であったポーサット州低地部の村落世帯の生業活動について質問票調査を実施した。土壌や水文条件などの自然環境や、道路からの距離など社会経済的条件の相違に留意して選んだ7つの村で各30世帯を選び、共通の質問票を用いた聞き取りを行った。 高橋塁は、ベトナム北部や中部に見られる、木材や籐製品加工等の農村非農業が村単位で盛んな「工芸村」と呼ばれる村々の経済を、独自の手法によって分析して、そうした農村非農業の広域な集積(クラスター)が農村所得向上や格差縮小に貢献していることを明らかにし、それを統計関連学会連合大会で発表した。 髙橋昭雄、小林、高橋塁の3名は、秋田県湯沢市において、JA、農家、農事組合法人、酒米業者等を訪問調査し、日本とインドシナの農業・農村の比較研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
髙橋昭雄が22年度にミャンマーの2か村に敷設したWi-Fi設備は、当初は機能したが、頻発する停電のために、日本からリモートで個別世帯調査を行うことは不可能になってしまった。したがって、通常の対面個別調査に切り替えた。また、研究分担者の小林とともにカンボジアのポーサット州の農村調査を実施し、ミャンマー農村との比較研究を進めた。 宮田は、東北タイへの訪問調査を実施した。特に、2024年2月にはシリントーン王女が初めて同農協を訪問された点に注目した。タイでは絶大な権威と影響力を持つ王室とのネットワークを同農協は強化している。そうした取り組みと組合員農民の対応などについて調査した。さらに、2024年3月にはローイエット県の有名な仏教行事「ブンパウェート」を通じた同農協や組合農民の取り組みを研究した。 小林は、現地を訪問して、予備的な調査を行ったうえで、カンボジア農村で暮らす住民による生業活動の現状と変遷に関して、定量的なデータの収集を進めることができた。 高橋塁は、2022年度より交渉していたベトナム統計総局の世帯レベルミクロデータを入手した。1980年代から現在までのベトナムの農村変容を詳細に分析し、農村調査の結果と比較、外的妥当性を検証する下地ができた。またベトナム国家農業大学、カントー大学とも具体的な協力が進んでおり、2024年度夏期現地調査に向けた十分な準備を進めることができた。 2022年度に予定していたが、新型コロナ禍のために実施できなかった、秋田県湯沢市での国内調査も実施し、有益な情報を得た。宮田はこの調査に参加できなかったが、独自に、富山市の農業法人・土遊野の調査を、2022年度に続いて行った。
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Strategy for Future Research Activity |
髙橋昭雄は、ミャンマーの2か村の脱農化と帰農化の調査を引き続き実施する予定であるが、期待していたWi-Fiによるリモート調査が当地の電力事情により不可能になったので、現地を訪問し対面調査をせざるをえない。しかし、2024年4月に徴兵制が始まって以降、治安が急速に悪化しており、農村を訪問できるかどうか不透明である。その場合は、近隣諸国での調査を考えている。 宮田は、東北タイ・ローイエット県の農協組合員農家に対して、引き続き、生業活動、特に、稲作及び稲作以外の就労形態について調査を行い、脱農化と帰農化がどう展開しているのか、検証する。また、富山市の有畜循環型自然農法で農家経営の多角化を図っている農業法人・土遊野の調査も実施し、都市部との連携、新型コロナ禍における取り組み、能登半島地震の影響とその復興への取り組みなどについて調査を行う。 小林は、2022年度に収集した、カンボジアのポーサット州農村の210世帯(7つの村から各30世帯を抽出した)の生業活動に関する定量的データを用いて、近年の脱農化と帰農化がそこでどう展開しているのかを検証する。また、首都プノンペンに滞在し、農業開発・農業振興の政策の特徴とその実施について調査を行う。 高橋塁は、ベトナム国家農業大学、カントー大学より北部、南部でも今後現地調査の協力を得られる旨、了解を得た。すなわち、自らがフィールドとする中部ベトナム農村との比較においてより充実した情報の収集が期待できる。これにより、北部や中部での「工芸村」の帰農効果と、南部農村で進む高付加価値農業転換による所得向上及び帰農効果との比較研究が可能となる。以上は2024年度夏期のベトナムでの現地調査により詳細を明らかにする予定である。 以上の個別各国調査とは別に、12月に大阪大学で開催される東南アジア学会において、上記4名でパネルを組織して研究成果を発表する。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)
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[Book] 世界の冠婚葬祭事典2023
Author(s)
川田牧人・松田素二編
Total Pages
454
Publisher
丸善出版
ISBN
9784621308417
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