Project/Area Number |
23K25081
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Project/Area Number (Other) |
22H03827 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 宗立 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 准教授 (20528989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 憲一 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (30359731)
田中 義行 京都大学, 農学研究科, 教授 (20704480)
小枝 壮太 近畿大学, 農学部, 准教授 (00629066)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 民族植物学 / 食文化 / キダチトウガラシ・ハバネロ類・ロコト類 / 伝播経路 / カプサイシン類 |
Outline of Research at the Start |
東南アジアにおいて唐辛子にまつわる食文化(特に辛味・うま味に着目)・酒文化・物質文化・精神文化といった文化資源に関する現地調査を行い、これまでの研究結果および文献調査結果と合わせて、唐辛子の文化資源を地域間・民族間で比較検討し、その類型化を試みる。また、文化資源の基盤となる遺伝資源については、東南アジアのキダチトウガラシ・ハバネロ類・ロコト類に着目し、東南アジア周辺諸国や新大陸に分布する系統と合わせて系統分類を行い、唐辛子が東南アジアに伝播してきた経路を包括的に明らかにする。そして、文化資源・遺伝資源の両面から東南アジアの「唐辛子文化」を通地域的に解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
東南アジアにおける唐辛子(トウガラシ属植物)の遺伝資源・文化資源に関する文献調査を行った。世界中から収集されたトウガラシ(C. annuum)130系統・品種を用いて、MIG-seq法によるSNPの多型解析によって類縁関係を調査した。その結果、東南アジア(ミャンマー、カンボジア、タイ)と東アジア(日本、中国、韓国)のトウガラシ、メキシコおよびピーマン・パプリカ類は異なるクラスターに分類され、東アジアのクラスターでは、大まかに中国と日本の品種から構成されるサブクラスターにまとまってわかれた。また、種不明のネパール産在来品種ダレ・クルサニについて4倍体品種であることをフローサイトメーターを用いて確認した。キダチトウガラシ(C. frutescens)のリシーケンスデータを用いて、ミトコンドリアゲノムの多型を探索したが、ミトコンドリアゲノムのヘテロ性が高いために種内変異の検出はできなかった。辛味成分量と草姿の異なるキダチトウガラシ2系統の交雑集団を作成し、F2個体について辛味成分量と草姿を評価した。ハバネロ類(C. chinense)はトウガラシ属植物の中でも果実にフルーティーでエキゾチックな香りを有し、世界で広く栽培されているトウガラシはそのような香りを果実に有していない。そこで、このような違いに影響している遺伝子の同定を試みた。ガスクロマトグラフィーによる香りの調査、液体クロマトグラフィーによる辛味の調査、遺伝子解析を組み合わせて解析したところ、フルーティーでエキゾチックな香り成分の生合成に寄与するアルコールアシルトランスフェラーゼ(AAT1)を同定した。また、香りが強いハバネロ類の果実ではAAT1の遺伝子発現量が高く、香りが少ないトウガラシの果実ではAAT1の遺伝子発現量が低いことが大きく関与していることを明らかにした。研究成果については、国際会議で2件および国内学会で7件発表し、査読付き論文を3件公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り文献調査・現地調査・実験研究が進んでいる。また、国内外における学会発表や査読付き論文の公表がなされているため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を円滑に進めるため、打ち合わせや研究成果を共有する会議などを複数回開催する。東南アジアにおける唐辛子(トウガラシ属植物)の遺伝資源・文化資源に関する文献調査を引き続き行う。文化資源の現地調査に関しては、これまでに研究代表者が調査してきた項目を踏襲し、同じ調査表を用いて調査を行う。2023年度に得られたMIG-seq法によるSNPの多型解析結果を、さらに詳細に解析を進め、トウガラシ(C. annuum)の伝播や分化を明らかにする。種不明のネパール産在来の4倍体品種ダレ・クルサニについて複2倍体であると考えられるため、雑種性の確認を行い、これまで蓄積してきたシーケンスデータにより雑種の由来となった種を確定する。伏見甘、万願寺、伊勢ピーマンなどの日本の甘味トウガラシ品種について、ししとうで明らかになった辛味制御遺伝子座が関与しているかを解明するため、ししとうなどとの交配と辛味成分の分析などを組み合わせて解析する。キダチトウガラシ(C. frutescens)および他の栽培種のリシーケンスデータを用いて、トウガラシ属植物のミトコンドリアゲノムの部分配列を決定し、ミトコンドリアゲノムの種内変異を探索する。キダチトウガラシの交雑集団の辛味および草姿についてQTL解析を行う。東南アジアや南アジアで利用されているハバネロ類(C. chinense)の中にはジョロキアなどの果皮表面が凸凹した激辛品種がある。これらの品種の果皮の組織形態学的な調査、特徴的な表現型を決めている遺伝子に関する調査を行う。調査結果・実験結果が得られ次第、日本熱帯農業学会や園芸学会などで随時研究発表を行うとともに、国内外の学会誌に論文を投稿する。
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