Project/Area Number |
23K25094
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Project/Area Number (Other) |
22H03840 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
相沢 伸広 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (10432080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 隆 政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授 (40092241)
HAU Caroline・Sy 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70314268)
鬼丸 武士 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (80402824)
高木 佑輔 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (80741462)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,250,000 (Direct Cost: ¥12,500,000、Indirect Cost: ¥3,750,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | 東南アジア / トランスナショナル政策連合 / 国家機構 / 防衛産業 / 経済エリート / デジタル化 / インドネシア / フィリピン |
Outline of Research at the Start |
東南アジアでは、米中対立激化の中、世代交代とともにガバナンス・システムが変化し、経済のデジタル化が急速に進行している。では、これによって東南アジアの政治経済はどのように変容しているのか。本研究はこの問いを「二重のハイブリッド化」、つまり、東南アジアの政策連合による米中をはじめとする各国政治経済アクターとのハイブリッドな連携、そして、新興のデジタル経済アクターとすでにこれまでにそれなりの地歩を築いてきた非デジタル経済アクターのハイブリッド化のプロセスに注目して分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の分析においては、インドネシアおよびフィリピンを対象とし、外国政府、多国籍企業(中国の国有企業も含む)も巻き込んだトランスナショナルな政治・経済エリートの政策連合の編成・再編成と国家機構の再編に焦点を合わせる。 具体的には、①これまで収集した政治・経済エリートの政策連合の編成・再編成における、各国資本の流れがどのような新しい政策アクターを生み出し、さらには新しい政策アジェンダを形作っているしているか、その詳細を分析するため、2023年1月にインドネシアにおいて体系的なインタビューを実施した。元大統領、元財務大臣を含め、10名以上の主たる政治経済エリートへの聞き取りを実施した。加えて、外務省の東アジア課長らを研究会に招聘し、こうした政治経済エリートのトランスナショナルネットワークが国際関係に与える影響について情報収集を行なった。 ②インドネシアとフィリピンを事例としてデジタル省庁および政府系ファンド(SWF)、および、安全保障部門・防衛産業の3者が、どのような国家機構の再編をもたらしているか、分析した。この点も元大統領らに聞き取り調査を行うとともに、インドネシアのSWFのオペレーションを担当する財界関係者への聞き取り調査を重ねて情報収集に努めた。 ③インドネシア、フィリピンにおける政治経済エリートの世代交代分析を比較分析するためにも、カンボジアにおける政策エリートの世代交代について研究会を実施し、詳細を研究し、東南アジア全体における世代交代期の政策連合の変容にかかるの要因分析を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト初年度において、国内研究会を2度実施し、研究計画の精緻化と調整、および、比較分析のため有識者の招聘を得て、研究討議を重ねることができた。とりわけ、インドネシア、フィリピン双方において海外実地調査を計画通り実施し、貴重な情報収集が可能になったことが、研究進捗の上で大きな前進となった。収集したデータを元に、研究のアウトプットについても、論文、書籍、論説それぞれにおいて、定期的にその成果を公開することができた。また、研究会の成果の一部を学生一般にも公開し、研究成果の広い共有に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
東南アジア地域ではガバナンスや国際関係の面でアメリカ、中国それぞれと連携を進めていこうとする動きと、経済活動においてデジタル経済アクターと非デジタル経済アクターが分化しつつ併存する動きが進んでいる。本研究はこの二つの動きを「二重のハイブリッド化」と捉え、この「二重のハイブリッド化」によって東南アジア各国はグローバルな対立構造や国内の経済構造の転換に伴う対立構造から生じるインパクトを吸収し、政治経済構造の安定化を図っているのではないかという仮説を立て、引き続き、東南アジアにおいて最も人口規模の大きい2ヵ国であるインドネシアとフィリピンを主な対象とし検証する。今後、デジタル省庁および政府系ファンド(SWF)の設立がもたらすインパクトを明らかにするためにも、その政策連合を形成している日、米との関係についての分析、また、既存の経済官庁の再編、そして、デジタル政策のなかでも、東南アジアにおけるDEFA交渉におけるインドネシア、フィリピンの政策連合の再編について注目して現地調査、文献調査を実施するとともに、国内で定期的な研究会の実施をつうじて明らかにしていく。
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