Project/Area Number |
23K25097
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Project/Area Number (Other) |
22H03843 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
傅 凱儀 専修大学, 経済学部, 准教授 (50735983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐田 きよみ 学校法人文京学院 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (20783608)
渡邊 芳倫 福島大学, 食農学類, 准教授 (30548855)
若狭 幸 弘前大学, 地域戦略研究所, 准教授 (40442496)
若月 利之 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (50127156)
玉井 隆 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (40845129)
阿部 進 近畿大学, 附属農場, 講師 (40708898)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | アフリカ / ナイジェリア / 社会経済リスク / 生態環境リスク / 農業振興 / リスク認識 / 意思決定 / 経済開発 |
Outline of Research at the Start |
アフリカにおける飢餓と貧困を根絶するには、伝統技術を継承しつつも外来技術を調和的に導入し、農業の生産性と収益性を持続可能な手法で高めていく必要がある。しかし、社会経済リスクや生態環境リスクが高いアフリカ諸国では、外来技術の導入による農業の集約化がこれらリスクに対する農民の脆弱性を高める可能性があることから、農民のリスク認識と管理戦略を踏まえた農業・農村振興策の再構築が求められている。本研究は、ナイジェリアを調査対象とし、聞き取り調査、アンケート調査、公的統計資料、生態環境計測で得られた質的・量的データを解析することによって、農民のリスク認識とリスク管理戦略を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は本研究プロジェクトの第2年目であった。ナイジェリアの連邦農業大学アベオクタの共同研究者のサポートを受けながら、研究メンバーはそれぞれ段階的な成果を上げることができた。ジェンダーリスクに焦点をあてた部分はナイジェリア南部のオグン州で昨年度に質問票調査を実施し、2023年8月には対象の半数程度に個別インタビューを行った。その研究成果の一部が学会で発表された。社会経済リスクおよび生態環境リスクにおいて、日本チームは現地共同研究者と重ねて情報交換をして、ナイジェリア農民が直面している農業リストと農外リスクを定義し、各種リスクの有無とその深刻度、農民の対策とその有効性などについて2セットの質問票を設計した。日本チームはナイジェリアチームと頻繁的にオンライン会議を行い、遠隔調査の進捗状況を確認した。2024年2月までにオグン州、ラゴス州、オヨ州の農民を対象に大規模な質問票調査を実施し、統計解析が十分にできるサンプル数を確保できた。それぞれ数百個のサンプルから得たデータのコーディングを進めていて、これから分析していく。生態環境リスクにおいて、気候変動リスクのインパクトと農民の対応、そして低地開発の挑戦と成果についての研究成果を学会で発表し、研究論文として出版ができた。また、ナイジェリアの社会経済への理解を深めるため、ナイジェリア人研究者を講演者として招待し、オンラインでの国際学術セミナーを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、日本側の研究者とナイジェリア側の研究者が初年度から定期的にオンライン会議を行い、現地の情報共有や研究の進め方、研究ツールの開発と実施などについて頻繁的に情報交換をして、研究の進展を捗ってきた。研究代表者を中心に、初年度からナイジェリアの農業開発、リスク認識と管理などについての文献を収集し、メンバー間で共有し議論してきた。ナイジェリアは新政府の経済政策や国際情勢の変化の影響を受け、急激な物価上昇や治安悪化などの問題があり、社会経済の状況が年々悪化しているが、現地研究者の心強いサポートによって、これまで3セットの質問票をオグン州、ラゴス州、オヨ州の数百個の農家を対象に実施してきた。2023年度は治安情勢の悪化により、日本チームは現地調査の期間においても活動範囲が制限されたが、安全確保のできる農村に訪問し、農家への個別インタビューや農産物加工所の見学を行った。地域の農業開発プログラムを訪問し、普及員にインタビューすることができた。また、研究ネットワークを広げるために、ラゴス大学の研究者と面会し、気象データの収集などについて情報収集を行った。さらに、ナイジェリア国際問題研究所を訪問し、ナイジェリアの農業関連のインフラ開発についてヒアリングを行った。生態環境リスクにおいて、昨年度から現地での農業実験を検討しており、また低地開発を行った場所を特定し、比較的に高精度な地理情報資料を入手してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、本研究プロジェクトの3年目となる。研究代表者及び研究分担者は8月下旬から3~4週間程度でナイジェリアに渡り、現地調査を行う予定である。8月末に、連邦農業大学アベオクタで国際研究会合を開催する計画を進めている。連邦農業大学アベオクタの複数の研究者、そしてナイジェリア大学などほかの調査機関の研究者を招待する予定である。日本チームはこれまでの中間研究成果を発表し、ナイジェリア人研究者と意見交換を行い、研究を深めて次の段階に発展させる予定である。また、調査に協力した農民への還元を考え、農業技術やリスク管理対策に関連するワークショップを開催するように調整する。社会経済リスクおよび生態環境リスクに関して、より詳細な分析のために情報収集を行い、個別インタビューを実施する。安全確保を優先する前提で、生態環境リスクにおける農業実験の可能性についても現地研究者と検討する。地理情報資料について一部資料を収集したが、さらに調査面積を拡大し、画像分析を行う。また、水田開発に関わった農民に対して、遠隔調査を通じて第4セットの質問票調査を実施する。今年度中に、研究結果の一部を国内外の学会で発表し、研究論文として国際学術誌に投稿することを目指している。
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