Project/Area Number |
23K25100
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Project/Area Number (Other) |
22H03846 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Kyushu International University |
Principal Investigator |
大形 里美 九州国際大学, 現代ビジネス学部, 教授 (30330955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤井 充生 東京都立大学, 人文科学研究科, 助教 (20404957)
西 直美 同志社大学, 研究開発推進機構, 共同研究員 (50822889)
水野 祐地 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東南アジアI研究グループ, 研究員 (80912063)
砂井 紫里 千葉工業大学, 未来変革科学部, 准教授 (90367152)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | ハラール基準 / イスラム法学 / ハラール産業 / グローバル化 / ムスリム少数派国 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、インドネシア、台湾、タイ、中国、それぞれの国・地域のイスラム・ハラール事情に関する研究蓄積をもつ専門家が共同で取り組むもので、東・東南アジア諸国においてハラールに関連して生じている多様な現象を、イスラム学、地域研究、文化人類学、社会学、政治社会学などさまざまな視点から研究する地域横断的、かつ学際的な研究である。また海外の研究協力者によるヨーロッパにおける事例研究との比較も交え、よりグローバルな視座から、世界のハラール経済を牽引する東南アジアのムスリム多数派諸国が東・東南アジア地域にもたらしたインパクトの相対化を試みるもので、従来の研究にはみられない新たな視点からの独創的な研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、7月と11月に外部から国内ハラール事情に関する専門家3名を招き、科研グループの勉強会をオンラインで開催した他、2024年1月に第3回国際ワークショップをハイブリッドで開催した。第3回国際ワークショップでは、科研費基盤研究(B)「イスラミック・ツーリズムにおける観光経験の宗教資源フローをめぐる実証研究」(代表:安田慎)との共催により、インドネシアからSyafiq Hashim教授とデンマークからJohan Fischer教授を招聘し、インドネシアにおけるハラール基準の変化とイスラム法学の関係性、およびヨーロッパにおけるハラール基準の標準化と多様性をテーマに講演をしていただいた後、ディスカッションを行った。 大形は、ヨーロッパ(オランダ、ベルギー、イタリア)を訪問し、3カ国におけるハラール認証団体の活動、ハラール基準・認証制度のあり方について現地調査を実施した他、国内のと畜場の見学を実施した。 西は次年度のアンケート調査に向けて質問票をタイ語に訳し、バンコクと南部国境地域においてパイロット調査を実施した。同時にハラール基準・認証制度の現状と問題点について、聞き取りを行った。 水野はインドネシアを訪問し、ハラール認識に関する世論調査を実施するために国際インドネシアイスラーム大学の世論調査チームと協議を進め、また、同大学のハラール研究者Syafiq Hasyim教授を日本へ招聘した。 澤井は、2023年8月下旬から9月上旬、10月下旬から11月上旬に中国(北京市および河北省)へ渡航し、改革開放期におけるムスリム少数民族(回族)の屠畜業(主に屠畜場経営、従業員の雇用、屠畜技術の継承)に関する聞き取り調査を実施した。 砂井は、8月末から9月上旬に台湾を訪問し、ハラール認証団体の活動、基準について現地調査を実施した。ハラール産業および飲食業界に関する文献の収集と整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、メンバー各自、それぞれ計画通り現地調査を実施した。2023年は、外部の専門家にお願いし、オンライン勉強会を計3回開催するとともに、2024年1月には、海外から2名の研究者を招聘し、第3回国際ワークショップをハイブリッドで開催した。 大形は、量的調査について国内でのパイロット調査を終了し、調査票内容について他のメンバーとの最終調整を終了した。9月には、ヨーロッパ(オランダ、ベルギー、イタリア)を訪れ、ハラール認証団体6社に聞き取り調査を実施した他、国内のハラールと畜場を訪問し、聞き取り調査を実施した。 西は量的調査に向けたパイロット調査を経て質問項目の修正を行うとともに、次年度のアンケート配布に向けた実施体制の構築のために現地コーディネーターとの調整を進めた。さらにタイにおけるハラール認証制度の発展過程をより深く考察するにあたって、法律や規則を中心とした資料収集も進めることができた。 水野は、2024年度の量的調査実施に向けた体制の整備を進めている。2024年度実施にあたって、質問表の整理と、現地のカウンターパートとなる国際インドネシアイスラーム大学との調整を今後進めていく。また、Syafiq Hasyim教授とは、国内外のハラール研究者を呼んで共著を執筆する計画について打ち合わせを始めた。 澤井は、中国渡航によってハラール屠畜場を見学し、また、関係者(経営者、従業員)に対する聞き取り調査を実施した結果、中国北京市および河北省におけるムスリム少数民族の屠畜業については基本的状況を把握することができた。 砂井は、台湾のハラール認証関係者および事業者への聞き取り調査を実施した。ハラール認証関連団体、事業者、行政など異なる主体が連携する状況が見えてきた。また、デンマークロスキレ大学のJohan Fischer氏を招聘し、ハラール認証の各国での実態について意見交換をした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、前半にインドネシア、マレーシア、ヨーロッパなどのハラールの専門家らを講師として招き、オンラインの勉強会を実施する予定である。また年度後半には、第4回国際ワークショップを開催する予定である。第4回国際ワークショップでは、海外から2名のハラール研究の専門家を招聘し、ムスリム多数派国の厳格なハラール基準によってムスリム少数派国に生じている諸問題に関する議論をさらに深化させる予定である。 大形は前半に国内において量的調査を実施し、分析を開始する他、国内を訪れるムスリム観光客の食事事情について参与観察する予定である。文献資料に加え、可能であれば国際的なハラール関連イベントに参加し、国際的な動向について分析を進めたい。 西は前年度までに収集した文献資料と聞き取り調査の結果を論文にまとめるとともに、タイにおいて量的調査を実施する予定である。タイにおける量的調査の進捗状況に応じて適宜分析を進め、成果をまとめる作業を進めていきたい。 水野はインドネシアにおいてハラール認識に関する量的調査を実施する予定である。ムスリム少数派国の事例研究との比較ができるよう、質問表について調整を進めていく。また、サンプル数と質問数のバランスをどう保つか調整を進めていく。 澤井は、2024年度も中国渡航を計画し、北京市のほか、東北地方(主に遼寧省)におけるハラール屠畜場の見学、関係者への聞き取り調査の計画を立てている。また、日本国内のハラール屠畜場を見学し、ムスリム・マイノリティの屠畜業の特徴を多角的に把握する予定である。 砂井は、台湾において、行政、ハラール認証関連団体、事業者、消費者を対象とし、量的調査の質問票を踏まえた聞き取り調査を実施する予定である。収集した資料を整理し、台湾での複数のハラール認証関連団体等の連携と棲み分け、及び基準の実態について分析をすすめたい。
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