Project/Area Number |
23K25118
|
Project/Area Number (Other) |
22H03864 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野上 光博 東北大学, 工学研究科, 助手 (10847304)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 岳史 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10251612)
渡辺 賢一 九州大学, 工学研究院, 教授 (30324461)
人見 啓太朗 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60382660)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
|
Keywords | 臭化タリウム(TlBr) / 不純物分析 / TlBr検出器 / 電荷輸送特性評価 / LA-ICP-MS |
Outline of Research at the Start |
固体試料中微量元素分析手法であるレーザーアブレーションICP質量分析(LA-ICP-MS)を活用し、半導体検出器材料であるTlBr中の不純物濃度の分析を行う。また、TlBr中の不純物濃度と電荷輸送特性をはじめとする検出器特性の相関関係について研究する。これらを踏まえて、TlBr半導体の純化工程の最適化や電荷輸送特性の向上などについて検討を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1)TlBr原料の純化を帯域精製法を用いて行った。純化したTlBr結晶を用いて帯溶融法により結晶育成を行った。育成したTlBr結晶を前方部・中間部・後方部に切りわけ、それぞれの結晶用いて各部位で4個ずつTlBr検出器の製作を行った。また、TlBr結晶およびTlBr検出器をそれぞれ不純物分析、電荷輸送特性評価試験に提供した。 2)項目1)で準備した前方部・中間部・後方部のTlBr結晶(TlBr検出器製作に用いた近傍の結晶)に対して、LA-ICP-MSによる不純物元素分析を行った。レーザーの照射条件は昨年度と同様に照射視野200 um × 200 um、レーザー出力10 mWで分析を行った。元素スクリーニング分析の結果、分析対象元素を約20元素まで絞り込みTlBr結晶中の含有量の分析を行った。また、試料の深さ方向の分析を行い、表面汚染の影響評価を行った。分析の結果帯域精製により、後方部に著しく集積する元素、反対に全ての部位に万遍なく分布する元素があることが分かった。 3)項目1)で育成したTlBr結晶の前方部・中間部・後方部のそれぞれの部位から製作したTlBr検出器の特性評価および電荷輸送特性の評価を行った。特性評価では、137Cs密封線源を用いてエネルギー分解能の評価を行った。また、電荷輸送特性の評価では、241Am密封線源を用いて電子の移動度μとキャリア寿命τの積であるμτ積の評価を行った。その結果、前方部の結晶から製作したTlBr検出器が最も優れた特性をもつことが分かった。 4)TlBr結晶中に含まれる不純物濃度とTlBr検出器の電荷輸送特性の相関関係に関する検討を行うために、LA-ICP-MSによる不純物分析結果の整理、TlBr検出器の諸特性の整理、および文献調査を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TlBr結晶に含有する不純物濃度とTlBr検出器特性の相関関係に関する検討を行ったところ、前方部のTlBr結晶が含有不純物量も少なく、検出器特性も最も優れていることを明らかにしたといった成果があり、おおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の通りである。 1)TlBr分析試料の製作:帯域精製回数を調整したTlBrを用いてTlBr結晶の育成を行う。育成したTlBr結晶を前方部・中間部・後方部に切り分けて、それぞれの部位の結晶からTlBr検出器および不純物分析用サンプルの製作を行う。 2)不純物分析:項目1)で製作した不純物分析用サンプルをLA-ICP-MS装置を用いて分析を行う。また、TlBr原料並びにTlBrの純化・育成を行う石英管などの分析も行い、不純物元素の起源について検討する。 3)TlBr検出器特性の評価:項目1)で製作したTlBr検出器のエネルギー分解能や電子の移動度寿命積(μτ積)など諸特性の評価を行う。 4)不純物濃度とTlBr検出器の諸特性の相関関係の評価:項目2)3)でそれぞれ評価した不純物分析結果とTlBr検出器の諸特性の評価結果の相関関係についての検討を行う。
|