Project/Area Number |
23K25129
|
Project/Area Number (Other) |
22H03875 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
梅垣 いづみ 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (20638522)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 龍太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別助教 (00828189)
竹下 聡史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (40450366)
武田 彩希 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40736667)
下村 浩一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (60242103)
武田 伸一郎 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任助教 (80553718)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥16,250,000 (Direct Cost: ¥12,500,000、Indirect Cost: ¥3,750,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
|
Keywords | イメージング / ミュオン / リチウム / シリコン検出器 / リチウムイオン電池 / 非破壊イメージング |
Outline of Research at the Start |
ミュオン特性X線元素分析は、負ミュオンとそれを照射して得られるミュオン特性X線の特性を活かし、非破壊でリチウムイオン電池の内部のリチウム検出を可能とする。特に、電池の不適切使用により発生する金属リチウム析出を捉えるのに有効である。イメージング技術を導入し、面内の金属リチウム分布を捉える手法を実現する。リチウムイオン電池の金属リチウム析出の抑制や制御のための研究開発に役立つと期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、J-PARCのミュオンビームを用いて、リチウムイオン電池の内部に析出する金属リチウムの非破壊イメージングに取り組んでいる。リチウムのミュオン特性X線のエネルギーに最適なシリコンセンサを有する、複数のシリコンイメージャーやシリコン検出器を適応させている。 シリコンの両面ストリップ検出器(DSD)では、金属リチウムの模擬試料を用いて、金属リチウムの有無に引き続き、金属リチウムの濃度の違いを検出することができた。イメージングプレートを用いてビームプロファイルを測定し、得られたイメージングデータから、畳み込みを解いて、実際の試料に起因するイメージングを取得できた。結果は学術論文にまとめている。 シリコンのSOI検出器では、J-PARCのミュオンパルスのタイミングに合わせて、露光タイミングを調整し、エネルギースペクトルを取得し、リチウムに相当する信号が得られた。リチウムイオン電池の試料を用いて、電池を構成する各元素の検出し、基礎データを取得することができた。ミュオン特性X線が検出器に入った時に落とす電荷は小さいので、他の粒子やガンマ線と区別することができる。修士学生が実験に参加し、一部を日本物理学会において口頭発表した。 また本研究を通じて、ミュオン特性X線のイメージングにシリコンDSDやSOI検出器が活用できそうだとわかったので、これを元に大型予算提案をした。本研究の取り組みが高く評価され、採択が決定した。本研究とともに2024年度夏から、大強度パルスビームへの適応性向上とセンサ面積の拡大に本格的に取り組む予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、ミュオン特性X線を用いて、リチウムイオン電池の表面から数から数百μmの深さにあるリチウムを非破壊でイメージングする技術の確立を目指している。動作中のリチウムイオン電池や、同一試料の経過観察をも可能とするため、電池の不適切な使用法により発生する金属リチウム析出を捉えることができ、金属リチウム析出の抑制や制御のための研究開発に役立つと期待される。 これまでの研究で、シリコンイメージャーやシリコン検出器を導入し、金属リチウム板を用いた模擬試料にミュオンを照射して、リチウムのミュオン特性X線のイメージングができることを実証した。 今後、実試料への展開、金属リチウム析出のイメージングが課題としてある。 目標に向けて、順を追って、研究を進めており、概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、シリコンイメージャーやシリコン検出器を導入し、金属リチウム板を用いた模擬試料にミュオンを照射して、リチウムのミュオン特性X線のイメージングができることを実証した。 次のステップとして、実試料のリチウムイオン電池の金属リチウム析出のイメージングが課題としてある。 シリコンDSD検出器は細かい孔径のコリメータを装着済みで、他の検出器よりも先行している。SOI検出器向けに今年度孔径のより小さいコリメータ作成を検討していたが、検出器と試料の距離を大幅に短縮することで、コリメータ不要で画像が取得できそうである。今年度、検討を深め、検出手法を確立させる。
|