Project/Area Number |
23K25206
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Project/Area Number (Other) |
22H03952 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90120:Biomaterials-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 淳一 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (50530490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今里 聡 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (80243244)
ハラ エミリオ・サトシ 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (40779443)
松崎 典弥 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00419467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | 生体材料学 / 組織工学 / 細胞集合体 / オルガノイド / 幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、細胞集合体システムで作製した骨オルガノイドに血管形成能を有する歯髄幹細胞を導入することによって、骨髄様オルガノイドをin vitroで創製することを目的としている。まず、細胞集合体内部に歯髄幹細胞由来の血管網を形成する技術を確立し、さらに血管網を有する集合体に骨系分化誘導を施すことで、集合体内に骨基質の形成を誘導する。こうして作製した骨髄様オルガノイドの組織学的評価を通じて、再生医療および創薬分野への応用可能性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度では、骨髄間葉系幹細胞(骨髄幹細胞)から成る細胞集合体に歯髄幹細胞を導入することで、集合体内部に歯髄幹細胞由来の血管様構造を形成できるかについて検討した。まず、歯髄幹細胞を細胞数比で0~20%となるように骨髄幹細胞の細胞懸濁液に混合し、既存の手法によって直径約1.0 mmの球状細胞集合体を作製した。これら集合体を血管内皮細胞分化培地で最長20日間培養し、集合体の大きさ変化を評価した。また、同様に作製および培養した集合体をLive/Dead染色することで、集合体を構成する細胞の活性についても検討した。その結果、いずれの細胞集合体も20日間の培養期間中、経時的にその大きさを減少させたが、歯髄幹細胞の導入割合による集合体の大きさ変化はみられなかった。一方、Live/Dead染色の結果、歯髄幹細胞を含まない集合体ではエチジウムホモダイマー好染の死細胞が多く観察されたが、歯髄幹細胞の割合が増加するにつれて死細胞の数が減少することが明らかとなった。次に、同様の細胞集合体に対して組織学的検討を行ったところ、ヘマトキシリン・エオジン染色の結果から、歯髄幹細胞の導入割合が増加するにしたがって集合体内部で染色される細胞核の数が増加すること、さらに免疫蛍光染色の結果からは、歯髄幹細胞を導入した集合体内でCD31陽性の細胞が存在していることが分かった。また、蛍光デキストランビーズを用いたイメージング解析を行ったところ、歯髄幹細胞を含む細胞集合体内に毛細血管様の管腔構造が形成されていることが明らかとなった。これらの結果から、骨髄幹細胞と歯髄幹細胞から成る細胞集合体に血管系分化誘導を行うことで、歯髄幹細胞由来の血管様構造を形成できることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の研究実施計画に則り、骨髄幹細胞から成る細胞集合体に歯髄幹細胞を導入することによる影響を多角的に評価した。前述のように、骨髄幹細胞と歯髄幹細胞の混合懸濁液から作製した細胞集合体を血管系に分化誘導することで、歯髄幹細胞由来の血管様構造を集合体内部に形成することに成功した。 以上のことから本研究の進捗は、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、骨髄由来間葉系幹細胞と歯髄幹細胞から成る細胞集合体に血管系分化誘導を施すことで、歯髄幹細胞由来の血管網を有する細胞集合体を作製することに成功した。そこで、この血管網を有する細胞集合体にさらに骨系分化誘導を施すことで、血管網を有する骨オルガノイド、すなわち骨髄様オルガノイドを創製できるかを検討する。具体的には、以下の研究計画を実施する。 1.血管網を有する細胞集合体の骨系分化誘導:血管網を有する細胞集合体に骨系分化誘導を施すことで、血管網を有する集合体内部に骨基質が形成されるのかを検討する。血管網を有する細胞集合体に対して最長20日間の骨系分化誘導を行い、ヘマトキシリン・エオジン染色、オステオポンチンおよびオステオカルシンの免疫蛍光染色を行うことで、集合体内部に骨基質が沈着しているか確認する。さらに、血管網をもたない集合体についても同様の組織学的検討を行い、血管網の有無による集合体の骨基質形成能の変化を評価する。 2.骨系分化誘導後の集合体内血管網の組織学的評価:上記で作製した骨髄様オルガノイドについて、CD31およびvWFの免疫蛍光染色を行うことで骨系分化誘導後において集合体内部に血管構造が維持されていることを確認する。さらに、FITCデキストランビーズを用いた蛍光イメージング解析を行うことによって血管構造の分布や形成量の変化を経時的に評価する。上記で得られた知見をもとに、骨髄由来間葉系幹細胞と歯髄幹細胞を組成とする細胞集合体から骨髄様オルガノイドを作製する手法を確立する。
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