Project/Area Number |
23K25225
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Project/Area Number (Other) |
22H03971 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90130:Medical systems-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 英津子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20345268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富井 直輝 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00803602)
石沢 武彰 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10422312)
長谷川 潔 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (20292906)
稲井 邦博 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30313745)
赤木 友紀 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40782751)
牛久 哲男 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (60376415)
金 大永 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 教授 (60461860)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | コンピュータ外科 / 低侵襲手術支援デバイス / 手術支援ロボット / 膵液漏 / 治療デバイス / 低侵襲手術 / 組織損傷 |
Outline of Research at the Start |
膵臓がんに対する治療法として膵体尾部切除術が広く行われている。この手術は一般的に直線型のステープラーを用いて膵臓の離断とシーリングを行っている。本手法は比較的簡単、迅速、安全と言われているが、膵液が漏れ出る膵液漏が高い確率で発生する。膵液漏は重大な合併症を引き起こす可能性があり、大きな問題となっている。そこで本研究では、「膵液漏の防止が可能なステープラーデバイスの実現」を目標とし研究を行う。具体的には、ステープラーによる圧縮で生じる膵臓組織損傷のメカニズムの解明と膵液漏を防止するステープラー型圧縮デバイスの制御法を提案することを目的として研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究項目①(i)剖検膵での圧縮破壊データを解析した。破壊が見られた15データについて、病理標本にて観察された破壊モードとの比較評価を行った。またさらなる解析のために、臓圧縮時に生じる膜の変形量から膜強度を推測する方法を提案し、膜変量形計測デバイスを開発した。デバイスは、膵臓圧縮時に圧子に取り付けたレーザ変位センサを平行移動させ、リアルタイムで膵臓表面までの距離を計測する。開発したデバイスに対し、計測精度評価実験を行った。誤差は0.60°と、高精度な計測が可能であることを確認した。 (ii)東京大学の倫理委員会の承認を得て、膵体尾切除術により摘出した膵臓に対して、2回の圧縮実験を実施し、圧縮反力を計測した。 研究項目②初期弾性率の計測と圧縮による組織破壊時の大きな力を1回の圧縮にて計測可能な、2段階の力センサによる新たな計測システムを開発した。本システムは、初期弾性率Eを計測するための力センサに弱いバネと球状の圧子を取り付けた圧縮デバイスと、圧縮反力Fを計測するセンサからなる。圧縮反力(F)計測用センサは,材料試験機付属のロードセル(耐久荷重 500 N)を使用し、E測定用のセンサを内蔵する。E測定用のセンサは,膵臓の初期弾性率に関する予備実験や先行研究から,耐久荷重が5N以下で分解能が 2x10-3 Nのロードセル(USM-1N,UNIPULSE社製)を用いた。圧縮コイルバネは、ロードセルの耐久荷重を考慮し寸法とバネ定数を定めた。10 % (w/v)のゼラチンを試料とし実験を行い、十分な繰り返し精度を有していることを確認した。次にブタ摘出膵臓による圧縮実験を実施した。29回の実験のうち、破壊が観察されたものは5回と少なかったものの、1回の圧縮で初期弾性率Eと組織破壊時の圧縮反力(F)が計測可能であったことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
適切な患者の選定など、進捗が外的要因による臨床摘出臓器における圧縮実験であるが、前年度に倫理委員会の承認を得、2例実験を実施することができた。その他の装置開発やデータ解析については予定通り順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究項目①(i) 剖検膵による実験では、これまでに行ってきた、簡易圧縮試験機による剖検膵での圧縮破壊データを引き続き解析し、論文投稿を行う。(ii)については、引き続き適切な症例に対して、臨床摘出臓器での圧縮試験を実施する。そして、歪―応力曲線の取得、弾性率と破壊エネルギの関係、病理学的評価を実施する。また収集されたデータと、これまでの剖検膵における圧縮実験結果とを比較評価する。 研究項目②昨年度開発したシステムを用い、摘出ブタ臓器において実験を実施し、初期弾性率と破壊時反力の関係について評価を行う。最終年度にはこれまでのデータ解析結果から、圧縮時の歪―応力曲線から破壊を定量的に予測する手法について検討し、破壊を防止する圧縮制御法の提案を目指す。さらに、評価実験を定量的に実施するためのモデルの開発の初期検討を実施する。
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