血管への接触圧力分布を可視化するカテーテルシミュレータの開発
Project/Area Number |
23K25239
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Project/Area Number (Other) |
22H03985 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90140:Medical technology assessment-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
森脇 健司 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (50707213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 吉弘 国立医薬品食品衛生研究所, 医療機器部, 室長 (40776027)
岩崎 清隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20339691)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | 血管内治療 / カテーテル / シミュレータ / 圧力 / 力 |
Outline of Research at the Start |
血管内治療において,接触面積や圧力の強さの適切なコントロールは治療成績向上や合併症リスク低減に重要な要素のひとつである. 申請者らはフィルムセンサを用いた接触圧力分布計測用カテーテルシミュレータの開発を進めてきた. 必要な圧力レンジや空間分解能は各症例で大きく異なり,本研究では感圧材の配合最適化,接触面積の把握による補正と高空間分解能センサの開発を行う. 実デバイスを用いた接触圧力分布モニタリングにより,施術方法やデバイス特性の違いが接触界面の圧力にどのような変化をもたらし臨床成績にどう影響するのか?という学術的問いに解を与え,シミュレータとしての応用可能性を検証する.
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Outline of Annual Research Achievements |
血管内治療デバイス使用時に血管壁へ作用する接触圧力分布をフレキシブルなフィルム型センサによって可視化することを目的に,フィルムセンサの感圧層による感圧特性の違いの調査,変形特性を調整した血管モデル作製/評価環境の整備,狭窄血管モデルにおける接触圧力計測の3つを今年度は主に実施した。 感圧体の違いの調査について,静電容量型センサを例に感圧層である誘電層の厚みと弾性率を変更して,低/高圧域での検出感度がどのように変わるのか検討した。誘電層が薄いセンサで低圧域の検出感度が高く,誘電層が軟らかいセンサで高圧域の検出感度が高いという結果が得られ,薄くて軟らかいセンサが低/高圧域ともに検出感度が高くなることが示唆された。 血管モデルの作製/評価環境の整備について,実際の血管に作用する接触圧力の値を推定するには変形特性が近いモデルを作製する必要がある。液状のシリコーンもしくはポリビニルアルコール溶液を鋳型に流し込み固化させることで,血管モデルを作製した。それぞれ,希釈剤との配合比もしくは濃度を変更することで弾性率を調整することができた。一般的な力学特性評価法である引張試験と静水圧印加試験の実施環境を整備し,ブタ血管での実験結果や文献値と比較した。 狭窄血管モデルにおける計測について,一般性と再現性を確保するため対称性のある狭窄部を有する直線血管という比較的シンプルな形状のモデルを作製し,血管拡張用バルーンカテーテルを使用した際の接触圧力をフィルムセンサで計測した。鋳型作製に3Dプリンタを用いることで任意形状の血管モデルが作製できることを確認した。測定点を1つ,もしくは7つ有するフィルム型圧力センサを作製し,血管モデルの内壁とバルーンカテーテルとの間に挿入することで,拡張時の圧力を計測した。どちらのセンサにおいても狭窄部の接触圧力は非狭窄部に比べ高く,妥当な計測が実施できたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の重要な点として,カテーテル機器使用時に作用する接触圧力は血管の物性や形状により著しく異なり,センサには広い感圧レンジが必要であることを申請時に挙げた。今年度の結果により,低/高圧域でフィルム型圧力センサに必要な仕様を確認できたことは本研究の実行可能性の判断において非常に意味がある。 また,接触圧力の値を正確に評価するには血管モデルの変形特性を調整し,その特性を評価することが必要である。この環境を早期に整備できたことで今後の研究が円滑な推進が期待できる。狭窄血管モデルの作製とバルーンカテーテル拡張時の接触圧力計測も達成されたことで今後本手法を用いて必要なデータを蓄積できる状況となった。 以上より,本研究は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の成果を発展させ,2023年度は血管の狭窄度合いに対する接触圧力ピーク値の違いについて検討する。 また,石灰化病変を有する狭窄血管を意識して,狭窄部と周囲の正常部とで弾性率の違いを持たせた血管モデルの作製手法を確立する。狭窄部の弾性率によって接触圧力ピーク値にどのような違いが現れるかを調べる。 さらに,より実際の状況に近い実験を行うために血管モデルを模擬循環回路内に組み込むことを予定している。 以上の検討より,バルーンカテーテルによる石灰化病変を有する狭窄血管拡張を対象として接触圧力分布計測を行い,施術方針やデバイス選択に有用な知見の獲得を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)