Rebuilding Semantic Studies: Toward a New Science of Meaning
Project/Area Number |
23K25259
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Project/Area Number (Other) |
23H00562 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
Basic Section 01080:Sociology of science, history of science and technology-related
Sections That Are Subject to Joint Review: Basic Section01010:Philosophy and ethics-related , Basic Section01080:Sociology of science, history of science and technology-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松阪 陽一 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (50244398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤川 直也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40749412)
大塚 淳 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60743705)
峯島 宏次 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (80725739)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2027: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | 哲学 / 言語哲学 / 意味論 / 機械学習 / 語用論 |
Outline of Research at the Start |
本研究のは、伝統的な哲学や言語学で主流となっている形式意味論を、近年顕著な進展を見せている機械学習や進化論的なアプローチと比較、検討し、新たな意味研究の方向性を提示することを目的とする。分布意味論、形式意味論、進化論的アプローチ、これら三つのアプローチは、「意味とは何か」、「複合表現の意味の合成性はどう説明されるのか」という問いに関して、まったく異なる前提に立つ。こうした状況を受け、本研究では主に次の三点を示すことを目指す。
1. そもそも意味とは何か、そしてその研究はどのようなものであるべきか 2. 意味の合成性は、どのように説明されるべきか 3. 新たな意味の科学は可能か
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Outline of Annual Research Achievements |
松阪は、自然主義的な語の存在論に関する研究を進め、その暫定的な成果を2024年9月にウィーン大学で開催されたミニワークショップ"On Kaplan on Words"で発表した。また、松阪は機自然言語処理において用いられる分散表現の哲学的意義についても考察を行い、この成果を2024年3月2日から4日にかけて行われた本科研費の研究合宿で発表した。さらに、松阪は研究分担者の峯島および東京都立大学大学院生の角田健太郎と共同で、分散表現が言葉の意味を捉えている見解の妥当性について研究し、その成果も研究合宿で発表された。 峯島は松阪および角田との共同研究に加え、生成AIが推論課題をこなす力についての研究を行い、その成果を2024年の研究合宿で発表し、現在の生成AIの推論課題に対する能力を考察した。 大塚は、AIと科学の関係性に関する研究を進め、以下の発表を行った。2024年3月27日「概念の数理的モデリングに向けて:機械学習の知見から」(京都大学)、2023年12月3日「深層学習後の科学を考える」(第56回日本科学哲学会、筑波大学)。大塚の寄稿論文「深層学習後の科学のあり方を考える」は、鈴木貴之編著『人工知能とどうつきあうか:哲学から考える』に収録され、"A Categorical Solution to the Grue Paradox"はThe British Journal for the Philosophy of Scienceに受理された。 藤川直也は、上記の科学研究費研究会で「意味・リアルパターン・モデル」について発表した。この発表は、意味論とリアルパターンに関するモデル化に関する考察を与え、更に分散表現の意味としての資格を松阪らとは独立の視点から考察したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の初年度の目標として、自然言語処理で中心的な役割を果たす分散表現の意義について考察することがあった。この課題について、松阪は峯島、角田らと共同でコンピューターを用いてランダムにコーパスを生成せさせ、そこから語の分散表現を獲得させる実験を行い、一定の成果を得た。この実験は、ランダムに生成されたコーパスから有意義な語の分散表現を抽出し、その意味としての妥当性を確認するもので、峯島はデータ生成と解析方法において重要な貢献をした。その一方で、松阪は独自に分布意味論と通常の指示的意味論の違いを考察し、分布意味論の意味論としての利点についても考察した。 大塚はAIや機械学習、統計的学習理論全般に関する研究を進め、その成果を内外に発表する一方で、分散表現についての研究も進め、分散表現で用いられるベクトル空間の構造を非ユークリッド幾何学を用いる可能性等についても考察し、一定の成果を得て、研究合宿にて発表した。 藤川もまた、分散の表現の意味としての性質について独自の研究を進め、一定の結論を支持する考察を展開することに成功した。 以上のことから、研究代表者と分担者各自が分散表現がなぜ、あるいはどの程度まで言葉の意味として機能しうるのかについての研究を進めることができ、その点で本課題の研究は順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を遂行する上で次の三つの問いを設定した。「1.そもそも意味とは何か、そしてその研究はどのようなものであるべきか」「2.意味の合成性は、どのように説明されるべきか」「3.新たな意味の科学は可能か」。初年度は主に1に属す問いである、分布意味論と真理条件的意味論の比較、特に分散表現がどの程度言葉の意味と見なし得るのかについての研究を進め、各自一定の成果を得た。今年度はその成果を踏まえ、分散表現の性質についても研究を進めつつ、更に2の問い、すなわち意味の合成性の問題もまた研究の射程としたい。その際、自然言語処理で使用される「意味」の単位は語でなく、いわゆるサブ・ワードであることにも留意し、従来の言語学では形態素ですらない単位の表現へと文を分割することでなぜ処理の効率が上がるのかといった問題に対しても見通しを得たいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)