Project/Area Number |
23K25279
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Project/Area Number (Other) |
23H00582 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
並木 誠士 京都工芸繊維大学, 美術工芸資料館, 特定教授 (50211446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 積希 京都工芸繊維大学, 美術工芸資料館, 特任専門職(学芸員) (50746112)
岡 達也 京都美術工芸大学, 芸術学部, 准教授 (50833761)
加茂 瑞穂 武庫川女子大学, 文学部, 助教 (70705079)
下出 茉莉 大手前大学, 国際日本学部, 講師 (70979947)
竹内 有子 京都先端科学大学, 人文学部, 准教授 (80613984)
松尾 芳樹 京都市立芸術大学, その他部局等, 学芸員 (80728105)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥12,480,000 (Direct Cost: ¥9,600,000、Indirect Cost: ¥2,880,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 図案 / デザイン / 蓮池会 / 温知図録 / ロートレック / ヴェルヌイユ / 美術工芸 / 納富介次郎 / 中澤岩太 / アール・ヌーヴォー |
Outline of Research at the Start |
明治36年11月に開催された第2回関西美術会展覧会には、京都高等工芸学校所蔵ヨーロッパのポスターが「参考出品」されている。また、日本で最初のデザイナーと言える杉浦非水は、東京で黒田清輝がヨーロッパから持ち帰ったポスターを見てデザインへと転身した人物であり、自身もヨーロッパのポスターを収集している。このように、この時期、ヨーロッパポスターは共有され、広く影響を与える存在であった。したがって、明治期図案・デザイン資料データベースの基本型を構築して、そのような情報を一元化することの意味は大きい。本研究課題の成果として、このデータベースの基本的な枠組みの構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、金沢における調査を集中的におこなった。まず、2023年5月に代表者が、金沢美術工芸大学、金沢県立図書館、石川県立美術館、石川県立工業高校で事前調査および担当者のヒアリングをおこない、資料の概要の把握につとめた。その成果は6月に第一回の研究会を開催して、分担者、協力者と共有した。そのうえで、8月に、まず、石川県立美術館および石川県立工業高校で、代表者および分担者、研究協力者による調査をおこなった。石川県立美術館では、明治前期に金沢で活動した蓮池会関係資料の撮影、実測などの調査をおこなった。それにより、当該資料が『温知図録』を密接な関係にあることが明らかになった。また、納富介次郎、塩田真らの関与も明確になった。蓮池会関係資料は、その存在は知られていたが、実際の図案、とくに、東京との関係はまったく明らかになっていなかった。 石川県立工業高校では、第一次調査として、同校が所蔵している海外デザイン資料の撮影および調査をおこなった。ここでは、ロートレック、シェレなどのポスターやヴェルヌイユの文様集などが保存されており、それらと京都高等工芸学校関係資料(京都工芸繊維大学で收藏)との比較もおこなった。県立工業高校では、調査時にあらたな資料も見出すことができたので、2024年度に継続的に調査をおこなうこととした。石川県立工業高校の資料類についても、これまで確認されていなかったものが多くあることがわかり、しかも、従来判明している高等教育機関ではなく、中等実業機関でも同種の海外の教材を使用していたことがわかった意義は大きい。 また、2023年11月に代表者が美術史学会で中澤岩太のデザイン教育に関連した学会発表をおこない、2024年1月に分担者の竹内が研究会でイギリスと日本のデザインの交流についての発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、これまで図案関係の体系的な調査が未着手であった石川県立工業高校で新しい資料を発見することができ、これを2024年度にも持ち越すことになったが、石川県立図書館および石川県立美術館では、当初予定の資料類の確認および調査ができた。また、代表者による学会発表も当初の予定通りおこなうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、2023年度に確認することができた石川県立工業高校所蔵資料について、8月に悉皆的な調査をおこなう予定になっている。これは、前川観風という図案家の関係資料で遺族からまとまって入ったものが未調査の状態で保存されていた。観風は、杉浦非水の一年下で、東京美術学校で絵画・図案を学んでいるが、これまでその活動はまったく知られていなかった。今回発見された資料の中には、作品だけではなく所蔵図書類などもあり、貴重なものである。本科研の年次内に最低限の調査をおこないたい。
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