Project/Area Number |
23K25280
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Project/Area Number (Other) |
23H00583 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
門脇 むつみ 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (00406779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬渕 美帆 実践女子大学, 文学部, 教授 (60323557)
中本 大 立命館大学, 文学部, 教授 (70273555)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,080,000 (Direct Cost: ¥11,600,000、Indirect Cost: ¥3,480,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | 画賛 / 漢詩文 / 伊藤若冲 / 梅荘顕常(大典禅師) / 無染浄善 / 禅僧 / 梅荘顕常 / 円山応挙 / 梅荘顕常(大典禅師) |
Outline of Research at the Start |
十八世紀画壇と禅宗の関わりをテーマに、画家と禅僧との人的交流・そのなかでの双方の技能の影響や詩文と絵画の交響関係・とりわけ禅僧が提供した禅的思想や知識が絵画作品の制作と享受に与えた影響を解明する。禅僧による画賛の読解とそれを踏まえた絵画作品全体についての考察・詩文集および墨蹟をはじめとする禅僧関係資料の調査と活用・絵画作品の調査を、美術史学・禅学・日本文学・歴史学の研究者の助力を得て複眼的に行う。昨年度、前科研とあわせた成果物として門脇・芳澤勝弘編著『若冲画賛』(朝日新聞出版)を刊行した。今後も本科研での成果を引き続き公刊すべく努める。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度である本年度は、以下の4点を主に行った。 第一は調査およびデータ整理のための高精細カメラ、ストロボなどの機材の整備。従来より高質の画像が取得できるようになったことで、絵画のみならず賛の墨書および印の分析、紙質の検討が具体的に行えるようになった。第二は国内外で機関、社寺および個人所蔵者にての作品調査。いずれも撮影も含め後述の研究会に結びつく有益な調査ができた。第三に隔月での研究会実施。前科研における画賛読解の研究会を継続して行った。年度の前半は下記の書籍刊行準備のため、書籍で扱うものを中心に伊藤若冲作品の画賛の読解および賛の読解を踏まえた絵画の考察を毎回2名が発表し、賛の読解について芳澤勝弘氏から指導を受け、絵画の考察について意見交換するかたちをとった。年度後半は若冲画、梅荘顕常賛『素絢石冊』を扱った。第四に若冲および18世紀京都画壇に関わる禅僧たちの詩文集や足跡の探策として、相国寺承天閣美術館での調査を実施し、東近江の諸寺での調査の準備を進めた。 なお、前科研および本科研今年度の調査および研究会の成果として2024年3月に『若冲画賛』(朝日新聞出版)を刊行した。若冲作品のカラー図版58点を掲載し、それらの画賛の翻刻・訓読・注釈を踏まえた読解および考察、コラム、そして附篇として若冲自題作品の読解、梅荘顕常による若冲に関わる詩文の読解を収載するものである。門脇・芳澤勝弘氏が編者となり研究会参加メンバーが考察やコラム原稿を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績」の概要で述べた通り、前科研から継続してきた調査および研究会の成果として書籍を刊行した。これによって、本科研の若冲および18世紀の画壇における画家と禅僧の交流、特に画賛の交響を検討するという大きな目的に対して、一定の実績を提示することができたと考えている。また、初年度として機材を整備したこと、コロナ禍で前科研時に実施できなかった調査が可能となったことなどにより、作品の具体的な研究も進めることができた。禅僧の足跡を探る調査や詩文集の探策は限られたことしかできなかったが、今年度の調査や今後の見通しがある程度たっており、その点では、おおむね当初の計画通り実施できたとみなしている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究内容を踏まえ、今後は以下の方策をとる予定である。 まず、作品の調査、画賛読解の研究会については本年度の方策に大きな問題はなかったため、同様の方式で進める。ただし、画賛読解の研究会については、漢詩文読解の指導を分担者・中本大氏に担当いただくこととした。 また、昨年度十分に実施できなかった若冲および18世紀京都画壇に関わる禅僧たちの詩文集や足跡の探策については、東近江について研究協力者の寺前公基氏よりレクチャーを受けた上で調査を進める予定を組んでおり、これが順調に進むよう万全を尽くしたい。 昨年度実施できなかった禅僧らの詩文集の文字データ化について、昨年度は適切な方法が見いだせなかったため、新たな方向を探り、実行に移したいと考えている。ただし、文字起こしが機械的には進められないことから、実施した場合にも相当な時間を要することが判明しており、本件は費用面も含めて慎重に検討していきたい。
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