Project/Area Number |
23K25288
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Project/Area Number (Other) |
23H00591 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
城 一裕 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80558122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN DOMINIQUE 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50801784)
永田 康祐 多摩美術大学, 美術学部, 特定研究員 (60778984)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | メディア芸術 / 聴覚文化論 / 映像メディア論 / バイオアート / 発酵メディア / メディア考古学 / メディアアート / パーソナル・ ファブリケーション |
Outline of Research at the Start |
本研究では、計算機の内部でサンプルないしはピクセルというデジタルデータ(情報)として処理されている音響と映像を、他の自然系における現象として生成する技法を具現化する。具現化に際しては、微生物の発酵(音響)と発光細菌(映像)をその対象とし、自然現象をそのままに観察するのではなく、その繁殖の過程に計算機を介入させることで、単なる自然現象を超えた音響と映像の表現を生み出す技法を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、音響および映像における「忠実性(fidelity)」の再検討として、自然系としての菌類の繁殖における、 計算不可能(incomputable)な部分に着目した。不断に変化する生命組織のプロセスを表現手段とするバイオアートの実践を参照し、各々の個体差や、時間経過による変化、それらの支持体となる素材の 不安定性、という特徴を持つ菌類の繁殖過程に対して、デジタルスクリーン製版機といった計算機による制御を可能と する現代の技術を介入させる。 本年度は、主に音響の生成に関しては、これまでの研究を継続するとともに、その成果を踏まえ発音原理として発酵を用いる技法を検討した。微生物が有機物を代謝してエネルギーを得る行為としての発酵により音を奏でるために、アルコール発酵にともなって生成される炭酸ガスのはじける音に着目し、酒税法に従ってその他の醸造酒の試験醸造免許を申請し、半年以上の手続きののち、2024年3月1日に、所属組織内のフードラボならびに音に関わる各種施設を製造所として登録した。 映像の生成については、フレミングによる微生物絵画といった先行事例を踏まえ、寒天培地の上に暗所で自発光する発光細菌を塗布し、それらを培養していくことで映像を生成する技法を検討した。旧来のディスポループなどの器具を用いた人間の手によるに塗布ではなく、映像の初期値となる画像を予め数値化し、そのデータに基づきデジタルスクリーン製版機により高精細なシルクスクリーンによる版を作成した。特性の異なる発光細菌をいわば絵の具代わりに培地に塗布することで、自発光する細密な点描画を構成する。 以上の研究に関わる学術的な成果は、国内研究会、国際会議での発表や学術論文として取りまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
音響の生成に伴う酒造免許の申請に予想以上の時間がかかったものの、映像の生成に関しては国際会議での発表を含め、いくつかの進捗が見られた他、これまでの関連する研究の成果を学術的に取りまとめ、各種国際会議や研究会などで発表を行ったため、当該の進捗としている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、これまでの関連する研究を発展させるとともに、共同研究者とともに、発酵に伴う音の生成について、理論・実践の両面から検討を進める。。また、映像の生成に関しては、本年度の成果を踏まえ、さらなる作品の制作と、その学術的な検証を進める。以上の研究の遂行にあたっては、都度その学術的な成果を国内研究会、国際会議での発表や学術論文として取りまとめるとともに、研究の遂行を通じて次世代を担う若手作家・研究者の育成に務める。
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