Project/Area Number |
23K25298
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Project/Area Number (Other) |
23H00601 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
Basic Section 02020:Chinese literature-related
Sections That Are Subject to Joint Review: Basic Section02010:Japanese literature-related , Basic Section02020:Chinese literature-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷口 孝介 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (40272124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平舘 英子 (平舘英子) 日本女子大学, 文学部, 研究員 (00099269)
西 一夫 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20422701)
藤井 雅子 日本女子大学, 文学部, 教授 (20440084)
白井 伊津子 淑徳大学, 総合福祉学部, 教授 (40323224)
茂野 智大 筑波大学, 人文社会系, 助教 (40853057)
安井 絢子 九州女子大学, 人間科学部, 講師 (50881108)
奥村 和美 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (80329903)
稀代 麻也子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80431659)
岩田 芳子 熊本県立大学, 文学部, 准教授 (90732967)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2027: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 和漢比較文学 / 空海 / 性霊集 / 詩文注釈 / 修辞技法 |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は、日本古代文学史の重要な構成要素である漢文学史の定位を確固たるものとするために、平安初頭期、文化的思想的にも重要な役目を果たした空海の文学的営為の位置づけを行うことで、日本における中国文学の受容のあり方の質的な変容を解明するものである。これまで十分な検討が行われてこなかった空海の文学的営為を、『性霊集』所収の詩文の精緻な考証に基づく読解、『文鏡秘府論』に掲げる理論と実作との関係の解明、中国文学に対する理解と受容の観点からの検証を通して漢文学史に位置づけることで、日本古代における中国文学受容の質的な変容を明らかにする研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
空海の文学的営為を総合的かつ精緻に究明することで、空海詩文の文学史的定位が確定的になり、本研究の究極的目標である日本古代における漢文学の質的変容についての明確な知見がえられると考える。 本研究は各担当者がそれぞれの専門分野の知見に基づき、修辞技法研究と理論と実作との関係究明とを同時並行的に行うことを基盤とする。そのうえで年三回の研究会において全員で考察内容を検討し成果を共有しつつ、総体として校訂及び詩文の精緻な注釈読解を行う。校訂と詩文の読解においては各方面からの知見が必要であり、共同討議の場は必要不可欠である。詩文読解においては、当該作家作品の専門家以外の参画によって、詩文の理解が深まり立体的な注釈・解釈に至っているものである。 本年度は、研究対象となる基本資料の整理、詩文注釈の方針策定、研究会の開催方法について討議を行い、性霊集巻一の三首(2秋日神泉苑、1遊山慕仙詩並序、3贈野陸州歌並序)について、パイロット的に詩文注釈を行い、主要な考察対象とした性霊集便蒙の注釈価値位置づけの方向性を探りえた。 本研究の基盤のひとつである性霊集便蒙についての引用書考証の作業も並行して行い、巻七まで完成させた。この作業により、性霊集注釈における出典とのかかわりを考察するさいに、より厳密な注釈研究が可能となった。 研究成果の発表形式としては、それぞれの個別研究発表、論文掲載は言うまでもないが、共同研究成果として、校訂本文や詩文注釈稿を研究誌などに掲載するために完成原稿の準備を始めた。 あわせて奈良女子大学古代学・聖地学研究センター主催の第19回若手研究者支援プログラム「下級官人の文学」を共催し、律令制時代の漢字文学の裾野の広がりを理解することができ、空海詩文研究を考えるさいの前提が提示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究会開催を年四回としていたが、三回の開催となってしまった。ただし所期していた初年度の研究成果としては、じゅうぶんな成果が得られたものと考える。ほぼ未開拓と言ってよい領域について、どのような問題が生起するのかを見極めながらのパイロット的試行であったが、次年度に向けてより精度の高い研究を行いうる素地は固まったと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は『性霊集』詩文韻律調査および『性霊集』詩対句調査、『文鏡秘府論』対句論整理という基礎的研究を遂行することで、『性霊集』本文校訂への道筋をつけることを行う。また並行して空海に関する歴史・考古学的研究の集成を行う。2025年度には『性霊集』校訂注釈作業を引き続き行いつつ、比較対照のため平安朝の他の韻文作品の対句調査を行う。2026年には『性霊集』校訂注釈作業を引き続き行いつつ、比較対照のため関連する韻文作品の韻律調査を行う。最終年度には出典考証・対句・韻律面に重点をおいた『性霊集』詩作品注釈稿を完成し、日本古代漢文学史における空海作品の位置づけを行う。 研究成果の発表形式としては、それぞれの個別研究発表、論文掲載は言うまでもないが、共同研究成果として、校訂本文や詩文注釈稿を研究雑誌等に順次発表し、最終的には『性霊集詩注釈』として公表することを考える。
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