Research praxis in language education for the revitalization of Ryukyuan languages: transitioning from language endangerment to language transmission
Project/Area Number |
23K25334
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Project/Area Number (Other) |
23H00637 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
Sections That Are Subject to Joint Review: Basic Section02070:Japanese linguistics-related , Basic Section02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Daito Bunka University (2024) Yokohama City University (2023) |
Principal Investigator |
藤田ラウンド 幸世 大東文化大学, 外国語学部, 特任准教授 (60383535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 真寛 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 准教授 (10734626)
半嶺 まどか 名桜大学, 国際学部, 准教授 (10883845)
石原 昌英 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (70244283)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,080,000 (Direct Cost: ¥11,600,000、Indirect Cost: ¥3,480,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 言語継承 / 言語再生 / 言語プログラムの開発 / コミュニティの再生 / 消滅危機言語と日本語 / 琉球諸語の言語継承 / 消滅危機言語の活性化 / コミュニティ内の持続可能な言語ドメイン / アートベース・リサーチ / 社会言語学、言語学、応用言語学の学際的研究 / 琉球諸語の実践知 / 言語継承の方法論 / デジタル学習リソース / 言語継承への転換 / 琉球諸語の活性化 / マルティリンガリズム / 言語復興と言語継承 / 言語教育実践研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本の消滅危機言語である琉球諸語の言語継承に光を当て、新たな言語教育とその実践を提案するためのプロジェクトである。日本では、具体的な危機言語の維持や活性化を行うための言語教育についての総合的な実践研究は手付かずである。 本研究では、研究代表・分担者の調査地の石垣島、宮古島、沖縄島、沖永良部島を基盤に、琉球諸語の言語継承として実施できる言語教育の実践方法を具体的に開発する。実践は、各地域言語の言語ドメインで試行しながら、すでに制作した絵本、カルタ、映像制作などのコンテンツを参考にドメインに応じた実践のための学習リソースや次世代の言語教育を考案し、消滅危機言語から言語再生への転換を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本科研研究は、消滅危機言語から継承言語へのシフト、すなわち、どのように話者数が減少をしている消滅危機言語を「継承」できるかという課題に具体的に取り組むことを目的としている。社会言語学では、フィッシュマン(1971)が着目して以降、「ドメイン(domain)」は「時間、状況、人間関係などの要素を含めた話者の活動範囲を指す」用語として定着しているが、その消滅危機言語のドメインと教育実践を増やし、言語の再活性化を図ることを研究者と研究協力者で実施する。 研究実績や研究成果は、1年目においては、1)学校現場での言語プログラム実践(宮古島)、2)地域密着型言語プログラム(石垣島)、3)消滅危機言語の映像エスノグラフィー(宮古島、石垣島、与那国島)、4)民話の多言語絵本プロジェクト(小浜島)、5)言語学習のためのデジタル・学習リソース制作(与那国島)、6)多様なメディアでの発信(沖縄タイムス、宮古新報、YouTube)、7)琉球継承言語研究会が開催した国際シンポジウムの英語でのパネル“Revitalising the endangered languages within the community: the vitality of community languages, well-being in Yomitan community, and cymunedoli/communitisation in Wales” [危機言語をコミュニティの努力で再生する:コミュニティ言語の活力度、コミュニティとしての読谷のウェルビーイング、ウェールズにおける「コミュニタイゼーション(コミュニティの力による再生)」]、8)みゃーくふつ(宮古語)のミニライブ主催「みゃーくふつの唄を聴く:與那城美和&下地イサム」(2024年3月23日於:琉球大学)、9)沖縄県の言語政策・計画の研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で挙げたように、研究者は本科研研究プロジェクトとして、自らの現場を継続、発展させている。小学生・中学生を対象とした学校現場ドメインでの言語プログラム(宮古島)、成人が地域の中で言語を実践するプログラム(石垣島)、沖縄県の言語政策・言語計画の研究(沖縄島)は、順調に進展した。今年度は、こうした言語のドメインを映像としても、研究協力者の映像アーティストや映画監督に撮影をしてもらった(宮古島、石垣島、与那国島)。 加えて、デジタル学習リソースも、与那国中学校をはじめとする学習に使う「方言カルタ」のデジタル制作を分担者(山田)の科研、与那国町教育委員会と協働して実現することもできた。同時進行で、もう一つの学習リソースとしての絵本制作:小浜島の花城元校長先生の「くもーむに(小浜のことば)」の民話のくもーむにでの記述、アートチームのブック・デザイナーが取材の上で絵の制作、くもーむに、日本語、英語(日本語の翻訳)の三言語絵本プロジェクトが、具体的に完成に向かい進んでいる。 本科研で企画、立案し、本科研の研究者と琉球継承言語研究会との協働により、第一日目の3月23日の国際シンポジウムでは、ウェールズ言語研究計画センターのキャサリン・ジョーンズ所長、国際基督教大学名誉教授のジョン・C・マーハ先生、イタリアのカ・フォスカリ大学のパトリック・ハインリッヒ先生を招聘したパネル討論を開催し、第二日目にジョーンズ所長によるウェールズ語でウェールズ語を学ぶ「イマージョンワークショップ」も他の研究発表に加えた形で、共催することができた。後者のワークショップには、与那国町教育委員会はじめ、沖縄県内外、日本国内外の危機言語の実践者、言語継承を試みる研究者たちが参加し、消滅危機言語の教育実践を体感する機会を作ることができた。 したがって、計画書に挙げた計画以上に、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研の2年目は自らの発信と海外で通用する研究にするための練り合わせ、3年目は、1年目、2年目の実践とその成果物を形にし、学術的にも、映像・デジタル制作を初期の計画通りに完成させたい。 具体的には、2年目には、学術的な発信として、本科研の研究者たちで2024年6月の国際社会言語学シンポジウム[Sociolinguistics Symposium 25](於:オーストラリア、カーティン大学)でコロキアを組み、発信する。コロキアのタイトルは‘Language reclamation and revitalization in the Ryukyus: from endangerment to praxis’で、琉球諸語の今後の言語の再生と再活性化を実践にどう結びつけ実現するかを議論するために、日本国内の言語の多様性(マルティリンガリズム)、沖縄県の言語政策、石垣島、沖永良部、沖縄島、宮古島でそれぞれの研究が行なっているこれまでの実践的な教育や課題を報告する。この発信は、科研の中間報告的成果発表でもあり、国際的なシンポジウムで世界の研究者たちからのフィードバックをもらう機会とする。この発表は科研期間中に、論文や本としてまとめる予定である。 3年目の最後年度には、消滅危機言語の再生に先んじて取り組んでいる海外の研究者らを招聘し、国際シンポジウムを行うことを計画している。 さらに、3年目に、この科研で実践、記述、撮影をしたすべての成果にアクセスしやすくするためのWebサイトを制作する。映像やデジタル化は消滅危機言語の場合は、さまざまな音声や映像のリソースが今後必須であると予測できるため、この科研の目的でもある映像や学習リソースの制作物を、インターネット上で公開し、将来のバーチャルな言語の「ドメイン」も構築できるのではないかと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(19 results)