| Project/Area Number |
23K25357
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| Project/Area Number (Other) |
23H00660 (2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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| Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
四日市 康博 立教大学, 文学部, 准教授 (40404082)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向 正樹 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (10551939)
石黒 ひさ子 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (30445861)
麻生 伸一 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (30714729)
菊池 誠一 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (40327953)
森 達也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 教授 (70572402)
片桐 千亜紀 九州大学, 比較社会文化研究院, 共同研究者 (70804730)
小澤 実 立教大学, 文学部, 教授 (90467259)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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| Keywords | 港市 / 水系 / 陶磁器 / 海域アジア / 琉球 / 海域信仰 / 中国 / ペルシャ湾 / 海域交流 / 信仰 / 港市国家 / 流通 / 貿易 / 海上交易 |
| Outline of Research at the Start |
本研究では、文献史学と考古学の両面から「海域世界」を問い直すことを目的とし、琉球王国の港市国家的要素を基に東アジア・東南アジア・インド洋・ペルシャ湾・地中海の「港市」の機能や性格を文献と現地調査から明らかにする。特に、シンガプラ王国、アチェ王国、ホルムズ王国は重点的に調査をおこない、インド洋世界とイスラーム海域世界の港市国家のモデル化を試みる。モデルとなる琉球王国の「港市圏」についてのこれまでの調査成果をまとめ、モデル化をおこなう。琉球王国は主要な河川ごとにローカルな港が存在しており、それらの関係や構造を体系的に解明してゆくことにより、港市国家としての琉球王国の性格をより一層深く理解できる。
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| Outline of Annual Research Achievements |
・月に一回のペースで定例研究会をオンラインでおこない、現在の研究の進捗状況の報告、調査で得られた最新の知見、学会発表・論文発表のプレレポート、新出資料の紹介と考察・意見交換などをおこなった。研究会には科研の分担者のほか、協力者となる研究者や大学院生なども参加した。 ・明治大学図書館や東洋文庫所蔵の地図資料コレクション、立教大学所蔵の外邦図などの資料調査をおこない、従来知られていなかった資料も含めて、日本・琉球・中国・東南アジアの航路や港市と水系の位置関係などの考察をおこなった。また、2024年9月20-21日に、立教大学池袋キャンパス18号館において、港市・水系と前近代アジア地図に関する研究ワークショップを開催し、上述のテーマに加えて、海域アジア・ユーラシアにおける食文化の問題について情報交換および討議をおこなった。 ・2024年8月に四日市がモンゴル国ウラーンバートルのチンギス博物館で開催された国際会議に参加し、当共同研究の成果の一部、特に海域アジアの港市と馬貿易に関する研究発表をおこない、世界各国から招聘された研究者と議論をおこなった。また、モンゴル国ヘンテイ地方において、シャヒード・チャムラーン大学アリー・バフラニープール教授と共にモンゴル帝国時代の水系・都市・交通路および流通・文化交流に関する調査をおこなった。 ・2024年11月28-30日に森・四日市が中国の景徳鎮で開催されたインド洋海域交流に関する国際会議に招聘され、当科研の研究成果の一環としてインド洋における陶磁器の海上流通に関する研究発表をおこなった。また、中国江西省において宋元明代の陶磁器、宗教装飾の東西ユーラシア交流に関する調査をおこなった。 ・2025月3月に中国浙江省の温州・麗水・龍泉において港市・水系と陶磁器流通に関する史蹟・遺跡・遺物調査をおこなった。また、江蘇省の太倉においても同様の調査を実施した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研では、これまで琉球における港市と水系の関係に着目して前近代の那覇の港市モデルを基軸としてそれを沖縄の多地域にも敷衍し、規模は小さいながらも那覇港と同類の港市モデルを持つ港市を調査し、この根幹となる要素として川を中心とする水系が存在することに着目した。そのため、同様の港市モデルが従来、典型的な前近代港市国家が存在していたとされてきた東南アジア島嶼部をはじめ、インド洋西海域のペルシャ湾北岸に位置するイランの港市にも同様のモデルが適用できるのか、それそれ現地において調査を重ねてきた。ただし、東南アジアの港市やペルシャ湾の港市と琉球の港市の両者を有効なファクターを保ったまま比較するには、琉球のみならず、日本や中国における港市と水系の構造も視野に入れ、琉球・日本・中国の港市・水系構造の共通点と相違点を踏まえた上で比較研究をおこなわなければならない。そのため、本科研では琉球と東南アジア(特にシンガポールとスマトラ)、ペルシャ湾における港市と水系の研究と並行して、日本と中国における港市・水系の調査も着手することにした。中国においては、近年、太倉遺跡や温州港遺跡など注目すべき港市遺跡の発掘調査が進められており、それらの成果を十分に取り入れた上で、港市圏ネットワークの理論構築に組み込むことができるのか、分析と考察を進めてゆかなかければならず、そのためにはまず、現地を訪れて基礎的な調査をおこなう必要がある。そのため、本科研では、2025年3月上旬に温州で、3月末から4月初めにかけて太倉での現地調査を実施した。どちらも基礎的な調査としては十分な成果が得られ、現地の研究者との共同研究基盤の確立、遺跡・遺物に関する基本的なデータの収集とそのアクセス方法の取得、さらなる現地調査のための研究課題の特定などをおこなうことができた。そのほか、琉球・東南アジア・ペルシャ湾における研究も並行して進められた。
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| Strategy for Future Research Activity |
先に「進捗状況」で述べたように、中国では温州港遺跡や太倉遺跡などユーラシア・インド洋海域世界における東西交流全体に直接関わる重要な港市遺跡の発掘調査が進められている一方で、近年、再び中国における現地調査が支障なくおこなうことができる環境が整いつつあり、かかる状況を鑑みるに、本科研において中国における港市調査を本格的に進めてゆかざるを得ない。温州はこれまで歴史学界、考古学界双方においてさほど注目されてこなかった印象が強いが、陶磁器流通と港市圏・港市ネットワークの関係に着目してきた本科研グループでは、温州港は龍泉窯青磁の生産地である龍泉から處州(現在の麗水)を経由して甌江を下って温州に至るという古来からの陶磁器の重要な河運ルート上に温州が位置することから、13-14世紀に国際的にインド洋から両中国海まで広く流通した龍泉窯青磁の積み出し港として、早くから温州に注目してきた。そのため、中国への渡航が比較的自由になった2024年に早速、温州における現地調査を実施し、基礎調査としては十分な成果を得られることができた。また、江蘇省の太倉においても同様に基礎調査を実施し、同様に成果を得ることができた。そのため、次年度からは温州と太倉におけるより個別の問題に沿った調査を実施してゆく。具体的には、龍泉―麗水(處州)―温州における陶磁器運輸ルートの実際的研究、特に(1)河路と陸路の相関関係、(2)龍泉窯青磁の流通に伴う他窯陶磁器の流通関係、(3)陶磁器の流通における城市・港および国家権力・地域エリート家系・有力寺観の関係の考察などである。そして、これらの社会構造の詳細を明らかにした上で、これらの問題に関して比較的不明瞭な点の多い東南アジアやペルシャ湾の港市の社会構造を比較研究も踏まえた上で並行して分析・考察を進めてゆきたい。
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