Project/Area Number |
23K25365
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Project/Area Number (Other) |
23H00668 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
今村 直樹 熊本大学, 永青文庫研究センター, 准教授 (50570727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 光 愛媛大学, 法文学部, 教授 (50612644)
高槻 泰郎 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (70583798)
三澤 純 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (80304385)
高野 信治 九州大学, 大学文書館, 協力研究員 (90179466)
安高 啓明 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (30548889)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 日本近世史 / 民衆史研究 / 「口書」 / 細川家文書 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、熊本藩の藩政史料たる永青文庫細川家文書(公益財団法人永青文庫所有、熊本大学附属図書館寄託)「口書」(全131冊)の件名目録を作成し、近世民衆史料の発掘に努めるものである。その上で、得られた史料をもとに、支配領域や身分集団を越境(移動)した庶民の移動、一揆や村方騒動、非合法的な物資の売買や流通、社会差別や障がい者の存在、男女間の紛争や密通などの実態を詳細に復元する。 本研究によって、ときに領主権力の法や身分制秩序を乗り越えようとする近世庶民のリアルな実像とともに、身分集団やそれ以外のネットワークが庶民の生存にどのような意味を有していたか、具体的な解明が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は当初の計画通り、①細川家文書「口書」収録事件の細目録の作成、②収録事件の分析に基づく共同研究をそれぞれ進めた。 ①の作業には、本科研費で雇用された技術補佐員が従事し、「口書」7冊分、全704件分の細目録を作成することができた。その過程で、幕末期の新選組関係史料や百姓による年貢収納関係史料が発見された。前者については、細川コレクション特別展「土方歳三資料館×肥後熊本藩」(2024年1月10日~3月24日、熊本県立美術館主催)に出陳し、後者については、研究代表者による講演「熊本藩政と年貢米―近世中後期を中心に―」(2023年11月12日、玉名市立歴史博物館こころピア「国指定史跡熊本藩高瀬米蔵跡展」講演会)で市民向けに紹介した。 ②では、民衆運動・村落史、流通・経済史、法制史、障害史、女性史などの専門家を集め、打ち合わせを2023年7月29日に行うとともに、研究会を2回開催し、活発な議論を行った。第1回の研究会(2023年9月3日、於熊本大学文法学部本館)では、三澤純「『久木野一乱』考」、今村直樹「近世後期の村落共同体と秩序―細川家文書『口書』を素材に―」の報告が行われた。第2回の研究会(2024年3月5日、オンライン)では、高槻泰郎「文政11-12年大坂買米一件に関する考察」の報告が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1冊あたりの総丁数が2000丁を越え、収録事件数は150件に及ぶなど、「口書」の分量が厖大であることは想定内であったが、収録事件の細目録作成に際して、当初は取り上げる事項や様式の統一などでやや手間取り、やや作業が遅れる期間もあった。しかし、様式等が統一された後、細目録作成はおおむね順調に進んでいる。 収録事件の分析に基づく共同研究は順調に進んでおり、2024年度には研究代表者・分担者が、それぞれの成果を学術論文などで発表する見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
①「口書」収録事件の細目録の作成、②収録事件の分析に基づく共同研究を、それぞれ継続的に取り組んでいく。 ①については、作業従事者の増員をはかり、細目録件数の一層の増加をめざす。②については、対面式・オンラインでの研究会を2回程度開催し、その成果を学術論文などで公表することをめざす。
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