Project/Area Number |
23K25367
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Project/Area Number (Other) |
23H00670 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
長谷川 裕子 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (20635122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋村 修 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00414037)
小林 一岳 明星大学, 教育学部, 教授 (20298061)
村井 祐樹 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (20323660)
野尻 泰弘 明治大学, 文学部, 専任准教授 (70439066)
春田 直紀 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (80295112)
市川 秀之 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (80433241)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 日本中世史 / 日本近世史 / 生業史 / 地域史 / 歴史地理 / 海村史 / 漁業史 / 民俗学 / 歴史地理学 / 歴史学 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、本調査については年度ごとに重点調査地を変えていく予定である。2023年度は西小川・加尾・宇久地区(福井県小浜市)、2024年度は日引・富尾・神野・田ノ浦・音海地区(福井県おおい町)、2025年度は江良・赤崎・田結・手の浦・浦底地区(福井県敦賀)、2026年度は伊根地区(京都府伊根町)で調査を実施する。調査成果については、関係諸機関と協働し、製作したホームページ等を通じて公表していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、若狭湾沿岸海村と周辺村落・都市的な場との間の交流・交易関係や軋轢・対立について解明するため、①現地におけるフィールドワーク、②古文書調査、③石造物調査実施した。 ①については、福井県小浜市西小川・加尾・宇久地区及び宮川地区を中心に聞き取り調査を実施した。同地域は立網漁が盛んな地域であるため、西小川と宇久の方々に漁業の方法や魚道、海の地形、漁をめぐる他村との軋轢や交流の有り様について聞き取りをし、詳細なデータ・知見を得ることができた。また、中世から近代にかけての膨大な古文書を有する西小川の北村家文書を調査し、地籍図や漁場図を含む絵図・地図類や古文書の撮影作業を実施した。当該文書には、県史や市史に掲載されていない古文書も多く含まれており、中には豊臣期の貴重な古文書も現存していることから、研究機関で保管してほしいという所蔵者からの依頼を受け、福井県立若狭歴史博物館に寄託できるよう仲介し、同館に寄託されることとなった。宮川地区については、期間内に2回の現地調査を実施し、生業や祭礼の有り様について聞き取り調査を行った。 ②については、富山大学に所蔵されている漁村史料と、京都市歴史資料館に所蔵されている山村史料について撮影を実施した。また、若狭歴史博物館に寄託された小浜市西小川地区の北村家文書の撮影についても、引き続き同館において実施した。 ③については、小浜市西小川・加尾・宇久地区を中心に、小浜市全域の石造物の分布状況を確認した。特に、蘇洞門で採掘される「泊石」は、同地域に特徴的な石材であり、その分布を確認することで交易・交流範囲が確定できるため、「泊石」の分布の確認を中心に実施した。また、福井県高浜町日引地区で採掘される「日引石」についても、日本海交易を通じて中世以来広く流通しているため、その最西端に現存する宝篋印塔の調査を長崎県新上五島町日島において実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、①現地フィールドワーク、②古文書調査、③石造物調査の各班にに分かれて調査を実施している。①は、毎年の調査地を選定し、夏と春に2回の調査を実施し、現地に現存する古文書の発掘や生業やそれにまつわる慣習・祭礼の有り様についての聞き取りや現地での確認作業、及び絵図・地図類の収集と、それをもとにした地名・地形の復元作業など、概ね予定していた作業は終了している。また、収集した絵図については、研究に利用しやすいように加工するため、外部委託によってトレース図を作成した。①については、おおよそ計画通りに進行している。 ②は、①の調査と連動しながら、対象地域の古文書調査・撮影作業を年2回程度実施している。本年度の研究対象地域としていた小浜市に関する古文書撮影作業はほぼ完了していたため、周辺漁村・山村の調査を中心に実施した。研究対象地に現存する古文書のうち、所蔵者との調整で、まだ撮影できていない古文書もあるが、今後調整しながら作業を進めていく予定である。また、北村家文書についても、県史・市史・未撮影の古文書の撮影など、まだ一部終了していない作業があるが、次年度以降に完了する見込みである。②についても、おおよそ計画通りに進行している。 ③も、①・②の調査と連動しつつ、対象地域の石造物悉皆調査を年2~3回程度実施している。本年度は、小浜市域の「泊石」を中心に、その分布域を確認しながら、紀年銘のある石造物については、拓本や実測、3D撮影など、詳細な調査を実施し、データの収集に努めた。その結果、越前・若狭地域における宝篋印塔のおおよその年代判定が可能となるようなデータの集積することができ、年代比定の分析方法を確立しつつある。また、次年度以降の調査対象地となる周辺地域についても、紀年銘のある石造物についての調査を予備調査として実施しており、③については、当初の計画以上に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法については、本年度と同様に①現地フィールドワーク、②古文書調査、③石造物調査の班に分けて、それぞれ年2~3回の調査を実施していく。 ①については、今年度は福井県高浜町上瀬・日引・宮尾・神野浦・田ノ浦・音海を中心に海村の生業・慣習・祭礼・地名・地形についての聞き取り調査を実施していく。また、本年度の調査において確認できなかった祭礼や現地の地名・地形などについて、引き続き補充調査を実施していく予定である。調査の過程で収集された絵図・地図類については、必要に応じてトレースの作成を外部委託していく予定である。 ②については、高浜町を中心に調査を実施するが、同時に、コロナ禍の影響でこれまで控えていた越前・若狭の海村の個人宅に現存する古文書についての調査・撮影作業を再開する予定である。また、若狭歴史博物館に寄託されている小浜市西小川地区の北村家文書も撮影作業も引き続き実施する。本研究で撮影した古文書については、謝金や業務委託により目録を作成する。現在、北村家文書と小浜市宮川地区の前野家文書について、目録作成作業を実施いているが、こちらについても引き続き作業を実施する予定である。 ③については、すでに①の調査地区についての石造物調査を進めているため、引き続き、研究対象地域とその周辺地域の石造物悉皆調査を実施していく。同時に、宝篋印塔の年代測定法の確立と、紀年銘のデータベースを作成しいていく。 以上の調査の報告や作成したデータベースについては、本研究のホームページに随時掲載していく予定である。
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