Project/Area Number |
23K25371
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Project/Area Number (Other) |
23H00674 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 一夫 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00282707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 和広 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 教授 (60397007)
河原 弥生 東京大学, 附属図書館, 准教授 (90533951)
二宮 文子 青山学院大学, 文学部, 教授 (40571550)
森山 央朗 同志社大学, 神学部, 教授 (60707165)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | イスラーム教 / イスラーム史 / スンナ派 / シーア派 / 宗派意識 |
Outline of Research at the Start |
イスラーム史上の様々な場に現れ「スンナ派」「シーア派」と名乗った/他から呼ばれた多様な集団や個人のより適切な理解、同じくしばしば見られる「両宗派混淆」とされる状況のより正確な解釈を目指し、様々な場における「スンナ派」と「シーア派」の自己意識と相互認識を研究する。「スンナ派」「シーア派」という呼び名の揺らぎは重要な変化の時代に見られることが多い。本研究は、変化の相に着目したイスラーム史研究としての性格も持つ。
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Outline of Annual Research Achievements |
4年計画の初年度に当たる2023年度は、メンバー間での問題意識の共有を主たる目的に掲げて研究を実施した。まず4月22日に顔合わせの会(オンライン)を実施し、計画の目的および4年間の実施計画を確認した。ついで7月2日に、メンバーの一人による直近の公刊論文に関する合評会を実施した。この間に、メンバーが自由に使うことができる共有フォルダを整備し、関係の研究文献などの共有も開始した。 7月24日から8月4日にかけては、5名のメンバーが参加する合同調査を北インドのウッタール・プラデーシュ州で実施した(スンナ派・シーア派・ヒンドゥー教徒が参加するシーア派儀礼の参与観察と複数の「スンナ派」スーフィー教団指導者への聴き取り)。さらに12月17日には、インド合同調査で得られた知見をメンバー全体と共有するとともに全員で内容を踏まえておくべき二次文献の合評を行うため、研究会を開催した(東京にて対面実施)。1月には、思想的な観点からスンナ派・シーア派間の境界の曖昧性を考察する上で一つの重要な領域となるフトゥーワ思想/概念に関する世界的な権威であるLloyd Ridgeon氏を英国より招聘し、京都・東京で2度の講演会を開催するとともに、リジョン氏を主たるコメンテーターに迎え、大学院生が研究発表を行う研究会を催した(東京にて;発表者には当研究計画に属す特任研究員を含む)。年度末の3月には本研究計画の一部として行う個人研究のための資料収集を目的として、メンバー1名をインドに派遣した。 2023年度には、東京大学東洋文化研究所にて、若手研究者の育成を主目的とし、特任教員を1名雇用した。前期に特任研究員を務めたメンバーは10月1日に常勤職(年限付き)に就くことになったので、年度途中で交替した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調な滑り出しを行うことができたと考えている。問題意識・研究目的の共有という初年度の重要な作業を、研究文献の読み合わせや招聘研究者との対話といった手段を通して充分に行うことができた。現地での多大な協力のお蔭もあり成功裏に実施することができたウッタール・プラデーシュ州での合同調査も、共通の知見と問いの形成のために非常に有用であった。そうした共通の問題意識と目的意識にもとづき個々のメンバーがそれぞれにテーマを立て、個別研究を展開するのが本研究の主たる実施形態となるが、その第一歩として、計画通り、メンバー1名に対しインドでの文献調査の機会を確保することもできた。若手研究者の特任研究員としての雇用を通じた育成も、途中で交替するという想定外のできごとはあったが、予定通り実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、問題意識と研究目的の共有を引き続き行いつつ、アウトプット方面の作業を開始する。前者に関しては、スンナ派的な理解のもとでのムハンマド一族崇敬が顕著に観察されるエジプトで、聖廟の参詣慣行の観察と聴き取りを中心とする合同調査を実施する(より多くのメンバーが参加可能な年末年始を期す)。後者に関しては、2度開催する予定の研究会(オンライン1回、対面1回)の主たる内容を個別研究の構想発表とするだけでなく、12月に国内で開催が予定されている国際会議で企画パネルを組織するとともに、年末年始にはカイロでも公開の研究発表の機会を設定する予定である。なお、企画パネルには外国より研究者1名を招聘するが、パネルのほかにも被招聘者の講演会を企画する。また、予算残額の推移を睨みながら、メンバー1名の調査のための海外出張も1件は実現させたいと考えている。特任研究員の雇用を通じた若手研究者の育成も変わらず実施する。
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