Project/Area Number |
23K25401
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Project/Area Number (Other) |
23H00704 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Ancient Orient Museum |
Principal Investigator |
津本 英利 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (40553045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千本 真生 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (10772105)
黒澤 正紀 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50272141)
西山 伸一 中部大学, 人文学部, 教授 (50392551)
津村 眞輝子 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (60238128)
宮田 佳樹 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (70413896)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
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Keywords | シリア / 鉄器時代 / 自然科学的分析 / 村落遺跡 / 脂肪酸分析 / 青銅器の化学分析 / 三次元地形データ / 考古科学 / 考古学 |
Outline of Research at the Start |
古代オリエント博物館シリア考古学調査団が調査したシリア北西部に位置するテル・マストゥーマ遺跡等から出土した考古学資料(自然遺物、動物骨・人骨を含む)の分析を通して、鉄器時代の一般庶民がどのような生活を営んでいたのかを明らかにし、これまで都市やエリート層の暮らしを中心に展開してきた鉄器時代研究とはまったく異なる、新たなシリア鉄器時代の歴史像を構築し、学界に貢献するのが目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる2023年度は、分担者間の協議を複数回行い、それぞれが担当する研究に着手した。代表者である津本は比較研究のための文献の整備、研究を進めるための器材・データを入手した。とりわけ本年度入手した研究対象地域の三次元微細地形データの活用により、より精密な遺跡の地形学・地理学的研究が可能となり、津本・西山が中部大学・渡部展也教授の協力を得て、今後分析を進めていく。また津本は研究対象であるシリアの鉄器時代の隣接地域であるトルコおよびイスラエルへ出張し、現地遺跡にて比較研究のための同時代の資料の実見・データ化を行った。また英国国内の博物館に収蔵されている研究対象地域・時代の出土資料を実地に検分した。分担者・西山は研究対象と同時代かつ密接にかかわる地域であるイラク北部にある、アッシリア帝国の地方都市遺跡ヤシンテペでの現地調査を行い、今後の比較研究のためのデータ構築を進めた。分担者・津村は古代オリエント博物館に収蔵されているシリア出土のコインや金属器の化学分析を外部機関に依頼し、分析を進めている。分担者・千本も同館に収蔵されている土器の把握に努めた。分担者・宮田はテル・マストゥーマの鉄器時代層から出土した土器の態度に含まれる脂質の分析を行い、興味深い予察が出ているが、精細な分析や解釈については次年度以降に継続する。分担者・黒澤は研究対象の隣接地域であるイラク北部の金属製品の化学分析を行った。次年度以降、テル・マストゥーマ出土の金属器、および古代オリエント博物館に収蔵されている同時代の鉄滓の化学分析と考古冶金学的な解釈を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
円安の影響や物価の高騰により、予定していた一部器材の整備は先送りとなったが、概ね予定通りの器材が準備できた。とりわけ研究対象とする地域の三次元微細地形データを入手できたことは大きく、今後の地理情報システムを活用した遺跡研究の推進を期待できる。出土金属器の化学分析や土器に含まれる脂質の分析など、実際に分析に着手して興味深い成果が得られる見通しが立てられたことは、今後分析を継続していくとともに、日本(古代オリエント博物館)に将来されているテル・マストゥーマ出土資料のさらなる把握と活用の重要性を痛感させるものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も初年度と同様にシリア北部鉄器時代および比較可能なその周辺地域の出土資料の学際的な分析を進める。代表者・津本と分担者・西山は、シリア自体には入国が困難なため、周辺地域での調査を継続し、また三次元地形データを用いた分析を行う。また両名は鉄器時代のテル・マストゥーマが属していたハマト王国の首都であったハマ遺跡の発掘出土資料を多く収蔵している、デンマーク王国コペンハーゲンにある国立博物館での遺物調査を行う。分担者・津村と千本は初年度の研究を継続し、古代オリエント博物館収蔵資料を対象とした研究を続ける。分担者・宮田は脂質分析による動植物利用の実態解明を継続する。分担者・黒澤は、初年度に行えなかった古代オリエント博物館収蔵金属器の岩石学および冶金学的分析に着手する。
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