Project/Area Number |
23K25425
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Project/Area Number (Other) |
23H00728 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04010:Geography-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
金田 平太郎 中央大学, 理工学部, 教授 (30415658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 浩之 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (60313194)
松四 雄騎 京都大学, 防災研究所, 教授 (90596438)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,110,000 (Direct Cost: ¥14,700,000、Indirect Cost: ¥4,410,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
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Keywords | 大規模斜面崩壊 / 山体重力変形 / 活断層 / 宇宙線生成核種年代測定 |
Outline of Research at the Start |
活断層の末端部周辺では,しばしば極めて大規模な斜面崩壊が発生する.このような崩壊は,崩壊土砂埋没による直接的被害に加え,津波・せき止め湖決壊・その後の豪雨に伴う土石流などの二次的・継続的災害の発生要因や救援・復興活動の阻害要因にもなりうるため,その発生可能性の評価は防災上重要である.本研究では,中部日本を代表する横ずれ活断層であり,ともに歴史時代に活動した跡津川断層と根尾谷断層の末端地域に着目し,先駆的な山体変形によって形成された湖沼群におけるボーリング調査や宇宙線生成核種年代測定等の手法を駆使することによって,将来の活断層活動時における大規模斜面崩壊の発生位置・可能性の評価方法を検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度にあたる本年度は,宇宙線生成核種分析のための岩石粉砕・整粒機器類や地形判読・地形解析のためのPC・周辺機器類,ボーリング調査で使用するサンプラー類,測量機器類などの導入・整備を行うとともに,北アルプス立山連峰,五色ヶ原に分布する小湖沼・湿地群において可搬型パーカッションコアリングシステムによるボーリング調査を実施した.その結果,3箇所の小湖沼・湿地において貴重なボーリングコアを得た.現在,得られたコアの分析を進めているが,一部のコアのテフラ分析の結果,これらの湖沼・湿地はいずれもK-Ahテフラ(7.3 ka)の少し前に形成された可能性が高いことが明らかとなった. 一方,濃尾断層帯根尾谷断層においては,前年度に断層北部,根尾能郷の中位段丘面上で実施したピット調査で採取した深度断面試料の宇宙線生成核種分析を進め,加速器質量分析を行って各深度の試料のBe-10濃度を定量した.予察的な深度断面モデリングの結果,暫定値として中位段丘面の離水年代は68.6 kaと求められ,この年代から根尾谷断層の左横ずれ平均変位速度は2.48 m/kyrと推定された.この値は,既存研究で求められた値の倍近い値であり,根尾谷断層が従来考えられていたより有意に高い活動度をもつ可能性を示唆する.また,この結果を検証・補強するため,根尾能郷およびその近傍に位置する藤谷口の低位段丘面においても,ハンドオーガーによる風成被覆層採取調査および宇宙線生成核種年代測定用の表面礫の採取調査を行い,風成被覆層のテフラ分析および表面礫の宇宙線生成核種分析を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに各種機器類の導入・整備が完了し,立山においても濃尾断層帯においても,調査および試料分析を進めることができているため.
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Strategy for Future Research Activity |
立山については,すでに採取したコアの分析を進めるとともに他の地点におけるさらなるコア掘削調査を実施する.また,立山カルデラ内の大規模崩壊によって生じた巨礫についてもその分布調査等を実施し,宇宙線生成核種による大規模崩壊発生年代決定の可能性を検討する.一方,濃尾断層帯根尾谷断層においては,深度断面モデリングによる年代推定方法について検討を進めるとともに,低位段丘面において新たな深度断面ピット調査を実施し,採取試料の宇宙線生成核種分析および深度断面モデリングによって,この段丘面の離水年代および根尾谷断層の左横ずれ平均変位速度を明らかにする計画である. また,本研究の当初計画には入っていないが,2024年1月に能登半島で大規模な地震(令和6年能登半島地震)が発生したことから,この地震の震源域における山体重力変形や斜面崩壊,地殻変動を把握するための調査も追加で実施する計画である.
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