| Project/Area Number |
23K25429
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| Project/Area Number (Other) |
23H00732 (2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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| Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
塚本 章宏 佛教大学, 歴史学部, 教授 (90608712)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 邦匡 甲南大学, 文学部, 教授 (00420414)
島津 美子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10523756)
小田 匡保 駒澤大学, 文学部, 教授 (70224243)
佐藤 賢一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90323873)
夏目 宗幸 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (50906732)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2027: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
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| Keywords | 伊能図 / 製作過程 / 作図技法 / 歴史GIS / 作成過程 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、最終版伊能図の製作過程と作図技法を明らかにすることを目的に、針穴本伊能図・広域下図・測地原図を対象として、①彩色材料分析機器や高精細画像データを用いた非破壊調査、および②GIS(地理情報システム)を援用した測点・測線レベルでの作図技法や描画内容の比較検証を実施する。さらに、③伊能忠敬と地方測量家との技術・情報交流の実態を把握する。 本研究は、最終版伊能図の製作過程と作図技法について、歴史GISの技術と知見を軸に最新の科学的分析手法を統合した学際的な検証を行うという点で、伊能忠敬研究や地図学史における学術的な意義は大きい。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、伊能忠敬が作製した「大日本沿海輿地全図」系統の最終版伊能図(針穴本)の製作過程と、そこに用いられた作図技法を多角的に解明することを目的としている。この目的を達成するため、以下の3つのアプローチで研究を推進している。 第一に、針穴本伊能図とその基図とされる定稿図・広域下図・測地原図を主要な研究対象とし、彩色材料分析機器や高精細画像データを用いた非破壊調査を実施する。これにより、料紙・彩色・針穴・記載内容に関する詳細な基礎情報を取得することができる。2023年度は所蔵館の都合と資料保存の観点により調査の実施を見送ったが、2024年度は、京都国立博物館に寄託されているNISSHA株式会社所蔵の伊能図(中図)について総合的な原本調査を行い、貴重なデータを収集することができた。 第二に、調査で得られた針穴(測点・測線)情報をGIS(地理情報システム)データベースとして構築し、これを基盤として、最終版伊能図は、先行する各種・各段階の伊能図からどのように製作されたか、その過程と作図技法や描画内容の差異について、測点・測線レベルでの精密な比較検証を進めている。 第三に、伊能忠敬記念館が所蔵する、伊能図製作に利用されたと考えられる各地方測量家による参考絵図に着目し、これらの地方測量図の描画法や地図精度を詳細に分析することで、伊能図との関連性や相互の影響関係を具体的に明らかにすることができる。この点が明らかになることで、伊能忠敬と地方測量家との技術・情報交流の実態に迫ることができる。その一環として、2024年度は、津和野郷土館、太皷谷稲成神社、北海道大学附属図書館北方資料室、国土地理院「地図と測量の科学館」、日本学士院等で、地方に残る測量図や伊能図の調査を実施し、その結果の各種比較分析を進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度(2023年度)は、主要な調査対象資料を所蔵する機関の都合、および資料の保存状態を最優先に考慮した結果、一部の原本調査を延期せざるを得なかった。これに伴い、未使用予算の繰越手続きを行うこととなった。 2024年度に、最終版伊能図を検討する上で、重要なピースである京都国立博物館に寄託されているNISSHA株式会社所蔵の伊能図(中図)について、総合的な原本調査を実施できたことにより、やや遅れを取り戻すことができた。 その一方で、伊能忠敬記念館所蔵資料の分析に加え、地方に残る測量図や伊能図関連資料の調査も精力的に展開した。具体的には、津和野郷土館、太皷谷稲成神社(島根県)、北海道大学附属図書館北方資料室、国土地理院「地図と測量の科学館」、日本学士院等において原本調査を実施し、伊能図と各地の測量技術との関連性を探る上で重要な比較資料を多数収集・分析することができた。これにより、第三のアプローチである地方測量家との技術交流の実態解明に向けた基盤が大きく前進した。 これらの成果を踏まえ、昨年度に生じた一部の遅れは着実に回復しつつあるものの、研究全体としては2023年度実施予定の調査との並行作業となっため、当初の研究計画より「やや遅れている」と評価した。本研究は、歴史GISの技術と知見を軸に最新の科学的分析手法を統合した学際的な検証を進めていきたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的である、最終版伊能図の製作過程と作図技法の解明、および伊能忠敬と地方測量家との技術・情報交流の実態把握を達成するために、以下の推進方策を計画している。 第一に、原本調査の継続的な実施である。2025年度には、これまでのNISSHA株式会社所蔵伊能図(中図)や各地の地方測量図の調査で得られた知見、特に料紙・彩色・針穴・描画内容に関する比較分析の視点を活かし、より効率的かつ詳細なデータ収集を目指す。国土地理院、海上保安庁海洋情報部、伊能忠敬記念館、愛媛県立歴史文化博物館・同図書館、熊本県立図書館など主要な伊能図・測量図所蔵機関での原本調査を実施する。 第二に、GISデータベースの拡充と本格的な比較分析の展開である。これまでに収集した針穴本伊能図、広域下図、測地原図、そして各地の参考地図や実測図の高精細画像データ、および実見調査で得られた各種情報を、速やかにGISデータベースへ統合する。この充実したデータベースを基盤として、最終版伊能図と広域下図・測地原図との製作過程における測点・測線レベルでの詳細な比較検証、および伊能図と地方測量図との描画法や地図精度の比較分析を本格的に展開する。 第三に、科学調査による学際的分析の深化である。原本調査の進捗とGIS分析を整備していくことで、非破壊調査で得られた知見と画像情報を組み合わせた、より高度な分析が可能となる。科研メンバーは、それぞれの専門分野(料紙・彩色材料分析:島津、針穴調査:塚本・夏目、地図上の描画内容:小田、測量・実測図に関する情報調査:佐藤・鳴海)から、収集データに対する多角的な分析を継続的に進める。また、定期的な研究集会(兼・共同調査)を開催し、各メンバーの分析結果を共有し、学際的な視点から議論を深め、最終版伊能図の製作技術や伊能忠敬の測量術に関する総合的な理解を追求する。
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