• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

モニュメンタリティの視点からみるアンデス文明形成過程の研究

Research Project

Project/Area Number 23K25432
Project/Area Number (Other) 23H00735 (2023)
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Allocation TypeMulti-year Fund (2024)
Single-year Grants (2023)
Section一般
Review Section Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

井口 欣也  埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (90283027)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2028-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Keywordsアンデス文明 / 形成期 / 考古学 / クントゥル・ワシ / モニュメンタリティ / モニュメント
Outline of Research at the Start

本研究は南米アンデス文明初期の形成期に焦点をあて、この時期の祭祀建造物(神殿)遺跡の発掘資料で得られるデータを、「モニュメンタリティ」の視点から分析し、アンデス文明の具体的な形成過程と社会動態を明らかにすること目的とする。そのため、ペルー現地で神殿遺跡の発掘調査を遂行し、その出土資料について、考古学的分析のほか自然科学による多様な分析をおこなう。
具体的な研究課題としては、①文明初期におけるモニュメントを場とした人の行為と社会的記憶の生成過程、②モニュメントと社会複雑化の関係、③モニュメントと人の相互作用、④総合と比較による人類文明史研究に資する分析枠組みの提示、という4点に取り組む。

Outline of Annual Research Achievements

研究課題遂行のため、2023年8月13日から9月10日の日程でペルー共和国に赴き、日本とペルーの研究協力者とともに調査研究をおこなった。まず、次年度以降に発掘調査をおこなう予定のクントゥル・ワシ遺跡で十分な表面観察をおこなうとともに、過去の同遺跡の発掘調査において出土している考古資料の再検討をおこなった。この結果を踏まえ、来年度に発掘する区域として、同遺跡第三テラスに新たなトレンチを設定することを決定した。
また、本研究課題が採用する「モニュメント」としての神殿という観点から、クントゥル・ワシ遺跡の北東約1.3キロに位置するセロ・ブランコ遺跡が重要な調査対象になるとの見通しを得た。そのため、この遺跡の過去の発掘調査による出土遺物を観察するとともに、セロ・ブランコ遺跡の表面観察をおこない、来年度以降の発掘区域について検討した。
また、クントゥル・ワシ神殿のモニュメントにかかわった人の移動や生育地を解明するため、同位体生態学の研究協力者と協働して古人骨資料からサンプル資料の抽出をおこない、ペルー文化省への輸出手続きを経て日本に資料を輸出することができた。
国内では、アンデス形成期の神殿をモニュメントとしてとらえ、その社会的記憶と人の行為の相互作用について論じる論文の作成にとりかかり、学会誌に投稿した。これによって、今後本研究課題を遂行するに当たり、問題の整理と分析方針について明確な指針を得ることができた。これについては、2023年の学会発表のなかでも予備的にその方向性を示したところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究課題の初年度に当たり、次年度以降の発掘調査の具体的な計画を立案できた。とりわけ、クントゥル・ワシ遺跡だけでなく、近接するセロ・ブランコ遺跡を同時並行で調査するという着想と発掘の具体的な計画が立案できたことは大きな成果であった。これには、本年度におこなった過去のクントゥル・ワシ遺跡出土の資料再分析の成果が大きい。同遺跡第三テラスの出土遺物からは、クントゥル・ワシの編年上最初の時期に当たるイドロ期の土器が確認され、最初の神殿建設時の活動範囲が、想定以上に広範な区域に広がっていることがわかったのである。また、同時期の墓の遺物に遠隔地を素材とする加工品があることがわかり、過去の調査で同様の副葬品が検出されているセロ・ブランコ遺跡との関係解明が、モニュメントとしての神殿成立過程の探求に不可欠であるとの見通しが得られた。
また、同位体比分析のためのサンプル抽出とともに、ペルー文化省への輸出許可を得て日本に資料を輸出することができたことも重要な進展であった。その分析は次年度に研究協力者とともに推進することとなる。
また、本研究課題の中心的視点となるモニュメントという視座について、論文執筆を通じてこれまでの関連する先行研究を渉猟し、理論的な整理ができたことも今後の研究課題遂行にとって大きな進展となった。

Strategy for Future Research Activity

今後研究を推進していくための方策として重要となるのは、以下の4点である。
1.一次資料の収集として、現地発掘調査を推進する。対象とするのはクントゥル・ワシ遺跡とセロ・ブランコ遺跡である。クントゥル・ワシの神殿建設には、セロ・ブランコの神殿の存在が深く関係しているため、両者の発掘資料を総合的に分析していく必要がある。
2.上記発掘調査で得られた資料を考古学的に分析するとともに、モニュメントに関連した人と動物の由来、移動、食性などを解明するために安定同位体比分析をはじめとする自然科学的分析を推進する。とりわけ、ストロンチウム同位体比と酸素同位体比分析、酸素・窒素同位体比の分析が重要である。
3.資料の分析結果を総合しつつ、他遺跡のデータと比較することによって、アンデス形成期の神殿をモニュメントとしてとらえることによって広がる問題系について整理し、理論的な考察をおこなうとともに、人類文明史一般に資するモデルと方法論を検討する。
4.国内外での研究発表を通じて研究成果について他の研究者と議論・情報交換することによって研究を深めるとともに、調査や分析に関する新しい方法論を導入する。

Report

(1 results)
  • 2023 Annual Research Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] クントゥル・ワシ遺跡 第3・第4テラスの発掘調査2023

    • Author(s)
      井口欣也, ディアナ・エレラ・チュキリン
    • Organizer
      古代アメリカ学会第28回研究大会
    • Related Report
      2023 Annual Research Report

URL: 

Published: 2023-04-18   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi