| Project/Area Number |
23K25434
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| Project/Area Number (Other) |
23H00737 (2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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| Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
下條 尚志 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (50762267)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸徐 映里奈 近畿大学, 人権問題研究所, 講師 (00822719)
岡野 英之 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (10755466)
河合 文 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (30818571)
中尾 世治 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (80800820)
楠 和樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (90761213)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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| Keywords | 国家の介入しにくい空間 / ヴァナキュラーな秩序 / 底流政治 / 中間圏 / モラル / 中間集団 |
| Outline of Research at the Start |
国家が不安定化した際、人々はどのような場で、いかなる関係を築き、新たな秩序を創り出すのかについて、人類学的、人類史的視座から解明する。特定の場で創られる人間の相互関係や、その関係に基づき生成される社会文化状況を、本研究では「ヴァナキュラーな秩序」と呼ぶ。本研究は、ヴァナキュラーな秩序が生成される場として「国家の介入しにくい空間」に着目する。この空間は国家が不安定化し、国家への人々の信頼が失われた際、山地や水域などの生態環境、またモラルが形成されやすい社会空間で出現する。そこで人々が共謀し、一時的かつ流動的であれ相互関係を紡ぎ出す過程を考察する。またその関係が、負債関係へ転じる過程にも注目する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
国家が不安定化した際、日々を生きる人々はどのような場で、いかなる関係を築き、新たな秩序を創り出すのか。この問題を検討するため、人類学的、人類史的視座から、東南アジア、西アフリカ、日本を主な対象に解明する。 昨年度は、5月26日に第2回科研分担者・協力者で神戸大学に集合し、研究経過報告および今後の学会研究発表の予行演習を行った。6月15日に下條、岡野、河合、中尾、楠で文化人類学会第58回研究大会(北海道大学)、7月30日に本科研メンバーの下條、河合、岡野、それに小田なら(東京外国語大学)、大石侑香(神戸大学)を加えてICAS 13(International Convention of Asian Scholars インドネシア、アイルランガ大学)で研究発表を行った。 これらの発表を通じて、下條は、カンボジア・トンレサップ湖の水上集落の形成過程と日常政治について発表した。岡野は、ミャンマー・タイ国境を事例に、あいまいな民族がエスカレートさせる政情不安について発表した。河合は、国家の空間統治によってマレーシアの森林地帯に暮らす先住民バテッが変化している様相を論じた。中尾は、20世紀前半のオート・ヴォルタを事例に、タカラガイ、フラン、シリングのレートが不安定であったため、両替商が国境をまたいでタカラガイを売買することで恒常的に利益を得ていたことを指摘した。楠は、ケニア北東部のソマリのアウリハンというサブ・クランを例に、「国家の介入しにくい空間」では、行政境界線が公的な秩序と流動性を主軸とする自生的な秩序が交錯する場になっていたことを論じた。瀬戸徐は、姫路市を例に食の調達実践にみるベトナム難民の社会関係と生活世界について論じた。また研究協力者である前田彩希は、2024年3月に本科研を用いてジャワで実施した、占い本プリンボンをめぐる実践と文献の追跡に関する調査について報告した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度は文化人類学会第58回研究大会(北海道大学)およびICAS13(インドネシア、スラバヤ、アイルランガ大学)で研究発表を実施し、その議論を通じて多くの成果を得ることができた。 文化人類学会では日本語、ICAS13では英語で、「空間統治と「国家の介入しにくい空間」」というテーマで発表した。国家は人間の定住化と集住、灌漑設備を要する穀物栽培の拡大、環境・資源・人口の管理、食糧確保、そして徴税や徴兵を試みてきた。とはいえ、前近代国家の場合は、政体の中心から周縁へ離れれば離れるほど恒星の引力、あるいはその輝きのように、権力は減退した。山地や湿地帯、乾燥地帯、海域といった生態環境条件にも阻まれ、そうした空間を統治し、移動性の高い狩猟採集民や焼畑耕作民、牧畜民、交易商人などを捕捉することは困難であった。だが近代国境線が出現すると、権力が均質に配分された統治空間と、その領域内に定住的で平等な権利を持つ国民が存在しているとする国民国家の理念が想像され、追求されるようになった。特に20世紀の為政者たちは、社会が合理的に設計可能であるとする高度近代主義を信奉し、国境線内に均質な公的秩序を遍く浸透させようとするようになった。そこで、本研究では、空間統治が揺らいだとき、人々はどのような場所で、いかなる社会関係を通じて自ら秩序を再び生成してゆくのかについて検討した。この問題を明らかにするため、本研究では「国家の介入しにくい空間(intangible spaces)」という概念を用いた。それは、複雑に入り組んでいて社会に埋め込まれている、国家とは異なる原理の秩序が成立してきた場である。「国家の介入しにくい空間」において、人々が秩序をいかに自律的に再編してゆくのかについて議論した。 計2回の発表を通じて、分担者間および聴衆との闊達な意見交換が行われた。ゆえに当初の計画以上に進展していると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度は、9月初旬に科研研究会を実施する。その際、それぞれ日本語で1万~1万5千字の原稿を用意し、本共同研究において、どのような議論が可能であるのかを検討する予定である。さらに、2025年3月に出版された佐川徹・岡野英之・大澤隆将・池谷和信編『その空間を統治するのはだれか―フロンティア空間の人類学』の輪読会を科研メンバーの間で実施する(オンライン)。この書籍を手掛かりに、どのように本共同研究が新しい視点を打ち出せるのかを検討し、来年度ないしは再来年度には学会雑誌の特集、ないしは書籍として研究成果を刊行することを目指す。 そのほか、今年度も各メンバーは、現地でフィールドワークを実施する。下條は、カンボジア・トンレサップ湖の水上集落で、定住化政策や国籍をめぐる政治についてフィールドワークを実施する。河合は、マレーシア半島のバテッ居住地域にて、国家の介入に関する調査を実施する。岡野は、ミャンマー・タイ国境の難民キャンプで合法/非合法のアクターがどのように働きかけているのかを調査する。中尾はブルキナファソにおいて、タカラガイ交易等に関する口述史料を収集する。楠はケニアにてアウリアンの牧畜に関する調査を実施する。 これらの調査・研究を通じて、より多くの調査資料を収集・分析するとともに、来年度/再来年度における研究成果の集約を目指していく。
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