Project/Area Number |
23K25444
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Project/Area Number (Other) |
23H00747 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
松田 睦彦 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (40554415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 亮太 立命館大学, 経営学部, 教授 (00363416)
高科 真紀 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 助教 (10723207)
磯本 宏紀 徳島県立博物館, その他部局等, 上席学芸員 (50372230)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 朝鮮 / 植民地 / 漁業 / 研究資源化 / 朝鮮海出漁 / 東アジア / アーカイブ |
Outline of Research at the Start |
1945年(昭和20)以前に営まれていた、日本人漁民による朝鮮半島近海における漁業を朝鮮海出漁と呼ぶ。朝鮮海出漁には瀬戸内海や九州北部を中心に多くの漁民が関与していたが、漁業経営にかかわる帳簿・日誌・雇用契約書等の一次資料はほとんど残されていない。 そうしたなか、近年の応募者等の調査によって、かつて朝鮮海出漁をしていた日本の経営者の子孫宅や、韓国の水産業協同組合に、まとまった形で資料が残されていることが確認された。そこで本研究では、これらの資料を活用することで、朝鮮海出漁の実態について、日本人と朝鮮人の生活者の関係に注目しながら、日韓の研究者の連携のもとに明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度内の作業は順調に進展し、研究計画で予定していた広島県安芸郡坂町における資料のスキャンを完了した。一方、韓国全羅南道麗水市巨文島については、2017年に研究代表者等が水産協同組合で確認した資料の所在が不明となっていた。そこで、以前、メモとして撮影した写真をあらためて整理する方針に切り替えるとともに、韓国の研究協力者の助力を得て、巨文島の北方約20キロメートルに位置する草島での新出資料の調査を実施した。 さらに2024年度に実施予定であった香川県観音寺市伊吹島の資料についても、スキャンの作業を完了した。また、北海道岩内郡岩内町の岩内郷土館でもスケトウダラ漁および加工に関する資料の所在が確認され、資料の保全と全点のスキャンを実施した。 以上のような作業は、本研究課題の目的である「朝鮮海出漁の実態を日本人と朝鮮人の生活者の関係に注目しながら、日韓の研究者の連携のもとに明らかにする」ための基礎となるものである。その作業が大きく進展したことにより、今後、研究代表者および分担者が個別研究課題(松田:日本人漁民の日朝間の移動と朝鮮での日常生活の実態、石川:東アジアにおける国際的な水産物市場の形成と経済活動と朝鮮海出漁との関係、磯本:日本人漁業者の朝鮮での経営実態)に取り組むことが可能となった。2024年度以降は、新たな資料の整理と並行しながら、これまでスキャンした資料の解題の作成や個別研究課題に取り組むことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の研究開始以前から準備作業を進めていたこと、資料のデジタル化に使うスキャナの性能が大幅に向上したこと等により、各地に残された朝鮮海出漁資料の研究資源化は当初の計画以上に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降は、日本所在の3資料(北海道・広島・香川)についての分析を進め、解題作成に向けて作業する。解題は北海道を磯本、広島を松田、香川を石川が担当し、各自の研究課題についての調査、研究も同時に進める。資料のスキャンは完了しているが、資料の歴史的背景をさぐるため、所蔵者等の関係者からの聞き取り調査を実施する。また、高科を中心に、デジタル化した資料データの整理を実施し、研究資源としての整備を進める。 さらに、新たな資料の発見に向けて、かつて朝鮮海への出漁者を輩出した地域における現地調査を実施する。瀬戸内海および九州の各地を想定している。 韓国内の資料については、研究協力者のオ・チャンヒョン氏(木浦大学)が韓国で研究プロジェクトを新たに立ち上げて、資料のデジタル化を進めている。したがって、当該プロジェクトとの連携を図りながら、資料の整理と調査、研究を進めていく。また、台湾に日本漁民が残した資料が残っていることが確認された。台湾もまた、朝鮮半島とならぶ日本人漁民の出漁地であり、今後の研究の展開を見据えて、予算の許す範囲内で調査を実施したい。
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