Project/Area Number |
23K25473
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Project/Area Number (Other) |
23H00776 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧原 出 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00238891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御厨 貴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 名誉教授 (00092338)
林 昌宏 愛知学院大学, 法学部, 准教授 (00632902)
柳 至 立命館大学, 法学部, 准教授 (20647341)
伊藤 正次 東京都立大学, 法学政治学研究科, 教授 (40347258)
砂原 庸介 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40549680)
手塚 洋輔 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60376671)
渡邉 有希乃 専修大学, 法学部, 講師 (60906155)
若林 悠 大東文化大学, 法学部, 准教授 (80843250)
山田 健 静岡大学, 人文社会科学部, 講師 (80906694)
飯尾 潤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90241926)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 執政中枢 / デジタル化 / 災害対策 / オーラル・ヒストリー / 政府間関係 / 復興 / 内務行政 / 自然災害 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、第1に、震災・新型コロナ対応を、短期的な危機管理ではなく長期的な危機への制度的対応ととらえる。第2に、分析焦点となる制度を、従来別個に議論された執政中枢と政府間関係の連結構造と捉える。第3に、オーラル・ヒストリーでしか実質的に捉えられないこの連結構造の機能について、各事例で重要な役割を担った官僚に着目して聞き取りを進める。第4に、この連結構造に2000年代以降急速に進んだデジタル化がどう影響したかを歴史的に捉えることで、今後の変容を展望する。第5に、以上から、持続する長期的危機の中で、かつての内務省に代わる執政中枢と政府間関係双方を連結する制度の一般的な構造と機能を摘出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、地方財政と官邸・復興に関するプロジェクトと、地方自治体DXに関するプロジェクトを立ち上げ、それぞれについてオーラル・ヒストリーを開始した。前者については、地方財政の運用が戦後の自治省において、戦前の内務省時代の中央地方関係とは別個に徐々に制度化される過程が明らかとなりつつある。また地方自治体DXについては、住民基本台帳制度と住基ネットの制度化からマイナンバー制度へ至る過程を概観することで、国、都道府県、市町村との間でネットワークを構築する過程において、地方自治体側で分散的に情報管理を行う仕組みが構築され、それが現在のマイナンバー制度の基層に配置されるという構造的特徴が明らかとなった。 なお、双方について関係資料を収集し、その基底にある構造を把握しようと努めた。 並行して、執政中枢についての聞き取りを実施し、第2次以降の安倍晋三政権における政権中枢の運用についての理解を深めた。スケジュールの総合管理が執政中枢における政策革新の基軸であることが判明しつつある。 またオーラル・ヒストリー方法論について、シンポジウムを実施し、21世紀特有のオーラル・ヒストリーの置かれた状況についての理解を深めた。特に阪神・淡路大震災で本格的に着手された震災復興に関するオーラル・ヒストリーが、その後度重なる自然災害において蓄積されることで、その比較が可能となり、それが震災復興過程の比較を可能とした現状を共有した。そこにおいては、聞き手への共感能力がことのほか重要となり、それへの参画を通じてオーラル・ヒストリーの方法が革新されていったことへの認識を新たにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
第1に、地方自治体DXについては、これまで多くを知られていないが、今回のオーラル・ヒストリーから継続的に複数の聞き取りが可能となる方向でプロジェクトを進めることができた。第2に政権中枢の制度設計とその運用について、第二次安倍晋三政権の関係者に集中的な聞き取りを行い、その実態についての理解を深めることができ、日本の現実に即した執政中枢の作動について予想以上の情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
地方財政、地方自治体DXに加えて、災害復興についてのオーラル・ヒストリーを開始する。また自治体DXについては、マイナンバー制度と住民基本台帳ネットの制度との異同を確認しつつ、多数のオーラル・ヒストリーを進める。また新型コロナ対応についても日経FT感染症会議の企画を通じて関係者との信頼関係を構築し、関係者へのオーラル・ヒストリーを立ち上げる予定である。さらに、執政中枢についてはその具体的な運用ルールを摘出し、政府間関係との連携についての分析を開始する。
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