Project/Area Number |
23K25484
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Project/Area Number (Other) |
23H00787 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿古 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80388842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 迅 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00434233)
山崎 直也 帝京大学, 外国語学部, 教授 (10404857)
池 ヒョン周・直美 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (30443914)
川上 桃子 神奈川大学, 経済学部, 教授 (30450480)
徐 行 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (30580005)
Edward Vickers 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50631751)
許 仁碩 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 助教 (50876307)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,690,000 (Direct Cost: ¥11,300,000、Indirect Cost: ¥3,390,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | アジア / 社会運動 / 戦争 / 集合的記憶 / 言論空間 / 権威主義 / 立憲主義 / 記憶の場所 / 影響力工作 / ソーシャルメディア / ジェンダー / 言説分析 / ディアスポラ / 中国 / デジタル権威主義 / 台湾 / 香港 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、デジタル時代のアジアにおいて、現在進行形の社会運動と戦争(戦争の危機)に関わるアジアの言論空間と集合的記憶の形成を学際的に分析する。批判的談話分析を中心的な手法とするが、社会的な諸問題や現象を読み解き、問題のありかを探るために、言語そのものに限らず、さまざまな記号を分析し、問題を可視化することを試みる。さらに、本研究は社会の問題や現象を理解し、説明することだけで終わるのではなく、具体的な歴史的、政治社会的コンテクストのなかで社会全体を理解し、社会を変革するという意識の下に行う「問題指向的」研究であり、研究者も社会のアクターとして、変化の中にある自らの立ち位置を明示的に捉える。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度、私たちが取り組んだテーマや活動は以下の通り。 1)中国や東アジア諸国における権威主義と立憲主義の相克という問題について、文献の整理や読み込みを行った。2)2024年1月に行われた台湾の総統選挙・立法委員選挙について、中国による台湾への影響力工作、経済を通じた統一攻勢、これに対する台湾社会の対応といった面から分析を進めた。3)東アジア(特に日本、韓国、台湾)におけるジェンダーやマイノリティに関する表象について注目し、博物館の展示物やデジタルアーカイブズを 「記憶の場所」と平和の空間として検討した。特に、日韓歴史問題の大きな課題となっている日本軍従軍慰安婦のデジタルアーカイブズやホログラムが果たす役割に注目した。4)台湾ルカイ族の資料館の学芸員を招聘し、その活動についてのセミナーを開催した。5)ロシアによるウクライナ侵攻が東アジアに与える影響、特に避難民の問題について、避難民へのインタビューなどを行い、その現状について検討した。6)中国メディアによる情報発信、特に党機関紙の人民日報系と新華社の情報発信の定点観測を分析した。6)中国国内のSNS(主に微博、抖音)と海外のSNSにおける共産党一党支配体制擁護/反対のインフルエンサーの発信の追跡 を分析した。7)世論戦、対外宣伝、対内の言論・情報規制に関する党幹部の文章・学者による論文を収集した。8)台湾における香港とミャンマー系市民団体の言論活動を中心に調査を行った。9)台湾を拠点にして雑誌を通じてグローバルな香港人ネットワークを構築しようとしているNGOを分析した。10)台湾での東南アジア系市民の活動を協力するNGOを調べた。12)中華圏のディアスポラコミュニティによるアートとアクティヴィズムの傾向を探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれの研究者が中国、台湾、香港、中華圏ディアスポラの言論空間におけるさまざまな表現活動を分析できている。政府と市民社会はさまざまなメディアを駆使し、それぞれの目的に応じた情報発信と影響力の行使を模索している。中華圏のディアスポラコミュニティや台湾では、中国の権威主義に対抗しながら、越境的なコミュニティとアイデンティティを構築しようとしている。本科研の一年目は、そうしたプロセスを実地調査や言説空間の分析を通して明らかにしてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も引き続き、メンバーそれぞれがテーマを設定し、国内外でフィールド調査や文献調査を行う。場合によっては、複数のメンバーやチームを組んで、調査を実施する。調査結果に関する報告会を行い、ディスカッションをさらに行う。メンバー中心の調査と小規模な研究会(一部は公開)を行うことも検討する。2025年度に海外から研究者を招聘してのシンポジウムを行う予定にしており、その準備も2024年度中に始めることにしたい。
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