Project/Area Number |
23K25486
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Project/Area Number (Other) |
23H00789 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
栗栖 薫子 神戸大学, 法学研究科, 教授 (00294968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 聡 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (10339202)
小川 裕子 東海大学, 政治経済学部, 教授 (00546111)
宇治 梓紗 京都大学, 法学研究科, 准教授 (00829591)
政所 大輔 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (30734264)
赤星 聖 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (20795380)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | グローバル・ガバナンス / レジーム / 複雑性 / SDGs / グローバルガバナンス |
Outline of Research at the Start |
グロ―バル・ガバナンス(GG)構造の複雑化している。国連気候変動枠組み条約の下で排出権取引に関わる様々な実施枠組みが普及し、企業のサステナビリティやESG投資に関わる取組が林立し、持続可能な開発目標(SDGs)の実施に関わる取組は全体像の把握が難しいほどである。この構造の複雑性は、①問題領域の複雑化、②ガバナンスの手段の多様化、③アクターの多様化(権威の多元化)という3次元での「密度」の増加によって特色づけられる。本研究はSDGsにかかわる主要な問題領域(気候変動、人道、難民、保健等)を事例として「GGの複雑化とミクロなアクターとの間にどのような相互作用が見られるか」という問いに取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
国連気候変動枠組み条約の下で排出権取引に関わる様々な実施枠組みが普及し、企業のサステナビリティやESG投資に関わる取組が林立している。この構造の複雑性は、①問題領域の複雑化、②ガバナンスの手段の多様化、③アクターの多様化という3次元での「密度」の増加によって特色づけられる。本研究は、SDGsにかかわる主要な問題領域(気候変動、人道、難民、保健等)を事例として「GGの複雑化とアクターとの間にどのような相互作用が見られるか」という問いに取り組むものである。持続可能な開発にかかわる主要な問題領域(気候変動、人道、難民、保健等)を事例として、「GGの複雑化とアクターとの間にどのような相互作用が見られるか」という問いに取り組んでいる。GGの複雑化の下での、①アクターの認識・動機・行為・相互関係の変容(ミクロ・レベル)と②それがGGの複雑化にもたらす影響(ミクロ・マクロ間フィードバック・メカニズム)を解明に着手した。 こうした研究の成果として、2023年度中には学術論文4件、学会報告2件、図書2冊(分担執筆含む)が成果となった。学術論文4件のうち、査読付きが2件、国際共著が1件、英語で執筆されたものが3件であった。また、初年度でもあり、各メンバーが学会等での報告の機会をえて、研究のブラッシュアップを行った。例えば、学会報告6件のうち、4件が国際学会(Academic Coundil on the United Nations System, ISA-Global South Caucus Confererenceなど)での英語報告であり、国際的成果発信を積極的に行うという本研究の目的に沿った進展であるといえる。また、2023年12月には、本研究テーマと密接な課題を扱う、Japan Association for Human Security Studies 年次研究大会を共催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、マクロの実証のため、問題領域ごとにGG の複雑化の構造(レジーム・コンプレックスなど)と動態を時系列的に明らかにすることを試みた。同時に、ミクロの実証のため、各問題領域の主要アクター(政府、国際機関、NGO、企業など)を特定し、その認識・動機・行為・相互関係を明らかにすることを試みた。 まず、これらの研究計画の実施のために、研究打ち合わせ会合を開催し、メンバー間で研究の目的や手法を確認し、今後の実施計画について検討を深めた。 その後、行われた実証研究には以下がある。環境・エネルギー分野では、アメリカにおいて、安全保障政策とエネルギー政策をめぐるトレードオフをめぐる民意と党派との関係を、サーベイ実験を用いて明らかにした。アジア諸国でプラスチック政策として注目が集まるプラスチック廃棄物発電政策をめぐる民意を探るため、サーベイ実験をタイで実施した。難民分野については、スイス・ジュネーブでの聞き取り調査で、UNHCRの現場と本部のコミュニケーションに関する情報を得た。 研究成果の公表についても、順調である。感染症危機に対する人道支援関連の査読付き論文の公刊、ヘルス分野の国際政治学の特集号の編集、国際開発ガバナンスについての論文の公刊、エネルギー問題に関する論文の公刊を行った他、今後の国際ジャーナル投稿用の論文(仮題"Ecosystem Orchestration in Global Governance")を鋭意改稿中である。 以上により、マクロ、ミクロの双方において、実証的な研究を推進したことから、おおむね予定通りの進捗であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、前年度と同様に、各分野での実証研究を継続し、進展をはかる。さらに、抽象化のため(仮説構築)、一方で既存研究をさらに読み込んで本研究に関わる概念・理論・仮説を詰め、他方で前述の実証の暫定的成果を総合しつつ、それぞれの分野においてマクロ・ミクロ間のフィードバック・メカニズムに関する仮説を検討する。 実証面では、難民・避難民分野においては、ミクロ側の視点に関連して現地調査(コロンビア、可能であればウガンダ)を予定している。また環境分野では、計量モデルを用いてサーベイ実験によって得られたデータを分析する予定である。 これらの成果について、各メンバーは、国内外の学会で報告を行う(例えば、9月に開催されるアメリカ政治学会での報告を予定している)。また、学会報告やセミナー報告でえたフィードバックを反映しつつ、担当する問題領域(環境、人道など)における暫定的な成果を、可能な範囲において国際的なジャーナルに投稿していく(例えば、国際ジャーナル投稿用の論文(仮題"Ecosystem Orchestration in Global Governance")を鋭意改稿中である)。
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