Dynamic inefficiency and Secular Stagnation in Japan: Theory and Evidence
Project/Area Number |
23K25494
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Project/Area Number (Other) |
23H00797 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
Basic Section 07020:Economic doctrines and economic thought-related
Sections That Are Subject to Joint Review: Basic Section07010:Economic theory-related , Basic Section07020:Economic doctrines and economic thought-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 慎一 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00221531)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 動学的非効率 / 長期停滞 / 非伝統的金融政策 / 財政赤字 / 少子高齢化 / 日本経済 / 超低金利 / 低金利 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、「動学的非効率」という観点から長期停滞に陥った日本経済を理論的・実証的に分析し、停滞脱却のための処方箋を提示することにある。マクロ経済学の分野では、極端な過剰貯蓄が発生すると利子率が経済成長率を下回る結果、動学的非効率と呼ばれる経済停滞が発生することが古くから知られていた。ただ、従来の研究では、動学的非効率な状況は理論的には起こりうるものの、現実の世界で発生するとは考えにくいとされてきた。このため、日本を主たる分析対象として、経済が動学的非効率に陥っているかどうか、また陥っているとすればどのような要因によるものなのかを理論的・実証的に分析することは非常に意義深いものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、動学的非効率という観点から長期停滞に陥った日本経済を理論的・実証的に分析することによって、停滞から脱却するための処方箋を提示することにあった。従来のマクロ経済学では、動学的非効率な経済状況は理論的には起こりうるものの、現実の世界で発生するとは考えにくいとされてきた。しかし、世界各国で利子率が大幅に低下し、経済停滞が常態化するにつれて、利子率が経済成長率を下回る「動学的非効率」な状態に陥っているのではないかという見方が研究者の間でも徐々に広がっている。とりわけ、バブル崩壊後の日本経済は、「失われた20年」と呼ばれる長期の停滞を経験してきた。このため、日本経済を主たる分析対象として、経済が動学的非効率な状態に陥っているかどうかを理論的・実証的に分析することは非常に意義深いものである。本研究では、動学的非効率がいかなる経済環境のもとで発生するかを、これまで使われてきた世代重複モデルだけでなく、Ramsey-Cass-Koopmansモデルの枠組みを用いて理論的に分析した。とくに、非常に小さな確率できわめて大きな負のショックが起こる可能性がある場合、貯蓄率が黄金律の貯蓄率を上回り、動学的非効率が発生することを明らかにした。そのうえで、その実証的な妥当性を金利の非負制約を考慮した分析手法を用いることで検証し、超低金利や低インフレなどの背後にある日本経済の構造的病巣を明らかにすると同時に、解決のための処方箋を提示した。本研究で考察したメカニズムは、漠とした将来不安が過少投資・過剰貯蓄を生み出し、それが長期停滞につながっているという日本経済の構造的問題を考察する上で有益である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、研究代表者が中心となって、さまざまな研究協力者と共同研究を実施すると同時に、研究チームのメンバーと月1回のペースで定期研究会を開催し、関連分野の研究者に報告してもらうことで、研究のフィードバックを行うことで推進した。また、研究成果がある程度まとまった段階で、外部の研究者を招いたシンポジュームを開催(年1回のペースを想定)し、研究成果のレビューを受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果は、国際コンファレンス等で報告するとともに、国際学術誌での出版に投稿すると同時に、国際学術誌での特集号や書籍の刊行を企画する予定である。加えて、本研究のテーマは、きわめて日本経済の現状分析の側面が強いため、関連分野の実務経験を豊富に有する実務家や政策担当者にも研究協力者となってもらい、定期的に研究会に参加してもらう予定である。これら実務家や政策担当者との交流は、研究グループのメンバーが日本経済の現状を理解するうえで有益であるだけでなく、研究成果を狭い意味での学界に広め、社会に還元する上でも有益であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)