Project/Area Number |
23K25506
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Project/Area Number (Other) |
23H00809 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07030:Economic statistics-related
Basic Section 07060:Money and finance-related
Sections That Are Subject to Joint Review: Basic Section07030:Economic statistics-related , Basic Section07060:Money and finance-related
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
二宮 嘉行 統計数理研究所, 統計基盤数理研究系, 教授 (50343330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 秀一 九州大学, 数理学研究院, 教授 (50611448)
川崎 能典 統計数理研究所, 学際統計数理研究系, 教授 (70249910)
柳原 宏和 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (70342615)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | 赤池情報量規準 / 傾向スコア解析 / 高次元データ解析 / 特異モデル解析 / モデル選択 |
Outline of Research at the Start |
現代の統計学ではモデル・推定法とも急速に発展・複雑化しており,既存の情報量規準をそのまま適用すると,結果は大きくミスリードされることが多い.例えば,経済統計分析における因果推論や機械学習における特異モデル解析では,その値を通常より遥かに大きくしなければならない一方,時空間統計分析に欠かせない高次元データ解析では,その値を通常より遥かに小さくしなければならないことが判明しつつある.本課題では,それらの拡張や融合に加え,スパース推定・モデル平均化法・ベイズ予測・変化点解析・混合効果モデル解析など,統計的モデル選択に大きな改良が見込まれる問題のみを対象に,数理的に保証された情報量規準を与える.
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Outline of Annual Research Achievements |
「計量経済で用いられる因果推論の標準である差分の差法のための情報量規準の開発」を中心として,もちろん各研究テーマを同時並行で進めているが,当該年度は国内外の専門の近い研究者と積極的に交流することに注力した.特に,Katholieke Universiteit Leuven(ベルギー)に四週間滞在しての Prof. Gerda Claeskens との「因果推論における因果効果に焦点を当てた情報量規準」の開発,Northeast Normal University(中国)から Prof. Jiang Hu を二週間招聘しての「高次元データにおけるスパース推定のための情報量規準」の開発については,骨組みを固めている.また,三月に本事業の担当者三人が企画して「高次元データ解析・スパース推定法・モデル選択法の開発と融合」というタイトルの研究集会を開催し,様々な国内研究者と協働で分野を開拓していくことのコンセンサスをとった.その他,Academia Sinica(台湾)にて「高次元の主成分分析(多変量解析)における情報量規準」の開発,Indian Statistical Institute(インド)にて「因果推論において第一種の過誤をコントロールするような共変量選択手法」の開発について,可能性を探った.論文としては,「生存時間解析の標準である Cox 比例ハザードモデルが構造変化を有する可能性をもつとき,その構造変化の回数を含めてモデル選択するための情報量規準を開発した」という内容で,生物統計分野で評価の高い Biometrics 誌に出版したことが,主な実績である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023 年度は,事業の一年目ということもあって,【研究実績の概要】で述べたように国内外での研究交流に特に力を入れた.これにより,課題遂行のための協力体制を強化したり課題の意義を深めるために課題設定の幅を広げたりした.間違いなく,申請したときより計画を多角的に捉えられるようになっており,またその計画の実現可能性を高められている.もちろん,研究交流だけでなく計画の遂行も着実に進めている.中でも,本事業のメインテーマの一つである「計量経済で用いられる因果推論のための情報量規準の開発」については,論文投稿間際の段階まで進んでいる.具体的には,計量経済で用いられる因果推論の標準であるセミパラメトリック差分の差法に対し,交絡によるバイアスを除去する手段として共変量バランシングによる推定法を開発した.差分の差法では独特な共変量バランシングが必要であり,決して推定法は自明でない.そして,その推定法に適用可能な情報量規準を導出し,共変量の選択も可能とした.以上より,進捗状況については「おおむね順調に進展している」といってよいと考える.研究交流に注力したことで年度当初に挙げた計画を完遂できなかったことが,「当初の計画以上に進展している」としなかった理由である.
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Strategy for Future Research Activity |
主に以下の四つのテーマを実施する. [1] 因果推論における因果効果に焦点を当てた情報量規準の開発:【研究実績の概要】でも述べたこのテーマについて,既にベースは出来上がっているし数値実験も進めているが,さらに Prof. Gerda Claeskens が近年開発した手法との組み合わせも行い,論文として完成させる. [2] 差分の差法における情報量規準の開発:【現在までの進捗状況】でも述べたこのテーマについて,共変量バランシングを組み込んでいることによって困難となっている局所漸近有効性に関する理論を構築し,論文として完成させる. [3] スパース高次元データ解析における情報量規準の開発:高次元データ解析においても,変数の候補が多いときにはスパース正則化を用いた方が良い.そして,その正則化パラメータの選択には情報量規準が必要となる.2023 年度までで,Yanagihara et al. (2015) と同様の AIC と BIC の逆転現象が起こるという理論を構築し,実際に数値実験でそれを確認した.2024 年度は,Bai et al. (2022) で用いられているランダム行列理論を発展させ,モデル誤特定のケースを組み込む. [4] 事前分布強調型情報量規準 PIIC の応用:ベイズ統計における AIC といってよい WAIC は,事前分布の影響を消す漸近理論に基づいていること,事前分布の複雑度を考慮していないことが問題であり,以前に PIIC なるものを開発した.2023 年度は,場所ごとに異質性をもつ時空間モデルの標準である空間可変係数モデルに対し,やはり PIIC が導けることを示した.2024 年度は数値実験と実データ解析を行い,論文を完成させる.
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