Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
発展途上国では食料が円滑に流通しておらず,食料の地域的な偏在や価格高騰が散発している.食料流通の改善は,食料安全保障や社会的安定性の確保の観点から重要な課題であり,これを解決する政策の立案にあたって,農産物流通の実態把握と阻害要因の解明が求められている.本研究は,マダガスカルの米市場を事例に,「産地での売り手や在庫の探しやすさ」という産地内での「サーチ摩擦」が,発展途上国において効率的な農産物流通を阻害する見過ごされた要因であるという仮説を,独自のデータに基づいて理論的,実証的に検証し,サーチ摩擦やこれを緩和する市場仲介制度が地域間裁定や市場統合に与える示唆を得る.