Project/Area Number |
23K25541
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Project/Area Number (Other) |
23H00844 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
関口 倫紀 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (20373110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 規彦 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (40387569)
Liu Ting 京都大学, 経営管理研究部, 准教授 (00843450)
YANG YUNYUE 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (00881905)
永山 晋 一橋大学, 大学院ソーシャル・データサイエンス研究科, 准教授 (10639313)
伊藤 智明 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (30812143)
SADDAM KHALID 兵庫県立大学, 国際商経学部, 准教授 (80847484)
今村 都 京都大学, 経営管理研究部, 特定助教 (80978718)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,910,000 (Direct Cost: ¥10,700,000、Indirect Cost: ¥3,210,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 組織マネジメント / パラドックス / リーダーシップ / マルチレベル |
Outline of Research at the Start |
組織マネジメントにおけるパラドックスは「互いに関連しつつも対立する要素が同時に存在し続ける状態」と定義され、これらを両立させることが重要だとされる。本研究では、マルチレベルかつダイナミックな視点から、戦略・組織レベル、チームレベル、個人レベルにおいて生起しかつ相互に関連し合う様々なパラドックスに対して組織がどう対応すべきなのかに関するパラドキシカル・マネジメントの全体像を明らかにすることを目的とする。そのために、学際的文献調査、臨床経営学的方法、アクションリサーチ、史的事例分析、実験的手法を組み合わせることで、組織におけるパラドキシカル・マネジメントのマルチレベル理論の構築を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度であった令和5年度は、(1)組織におけるパラドックスの分類と相互連関と、(2)マルチレベル・ダイナミックな視点からのパラドキシカル・マネジメントの解明の2点の研究活動を重点的に行った。まず、2023年8月にボストンで行われたAcademy of Management Annual Conferenceにてパラドキシカル・マネジメント関連のセッションに出席し、本研究のための情報収集および海外研究者とのネットワーキングを行った。次に、パラドックスの分類およびパラドキシカル・マネジメントを可能にするリーダーシップのあり方についての教育データから得られた分析結果を2023年10月の経営行動科学学会で発表し、さらに論文として精緻化したものを2023年11月のParadox Research Education Practice 2nd Conferenceにて発表した。これらの発表から得られたフィードバックに基づきさらに精緻化された論文を国際ジャーナルに投稿した。さらに、日本企業に勤務する従業員を対象とした定量調査を実施し、日本語版パラドックス・マインドセット/テンション尺度の因子妥当性を確認した。また、パラドキシカル・マネジメントの範囲を社会や国家のレベルに拡大した研究をAcademy of International Business Asia Pacific Regional conferenceにて発表し、それをきっかけとしてタイのSasin Business Schoolよりパラドックス研究で著名な研究者を日本の招へいし、Paradox and Buddhismというテーマでセミナーを開催した。そのほか、パラドックスとエフェクチュエーションとの関連性、従業員行動におけるパラドックス、大規模言語モデルや能動的推論モデルとパラドックスとの関連性などの研究を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度でありながら、さまざまな視点から行った研究成果を、論文として学会で報告したり、国際ジャーナルに投稿したり、日本の学術雑誌に論文掲載するなどの成果を得ることができた。また、国際学会での参加によってパラドキシカル・マネジメント関連の世界最先端の研究成果を収集し、海外で活躍する同分野の研究者とのネットワーキングを推進し、そのうちの1名を日本の招聘して研究会を開くなど、本研究を積極的に推進することができた。それに加え、本研究を推進していくうえで、これまで収集したデータの分析や、新たに収集可能なデータの目途もつきつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、パラドックス概念の理解のさらなる深耕のため、暗黙知から形式知に至る言語的プロセスにおけるパラドックスの役割、矛盾許容論理としてのパラコンシステンシーの援用についての理解などについて、言語学、哲学、認知科学などとの学際的研究を試みていく。また、パラドックスを動的に乗りこなす際の身体性認知の役割、生物学分野における動的平衡の原理の応用可能性、パラドックスを乗りこなしていくための外部環境と組織、もしくは組織内の様々な階層、機能における変化ペースやリズムの同期問題についての理解を深めていく。実証研究については、企業事例を中心とする史的事例分析や臨床経営学手法、アクション・リサーチを進めていくと同時に、アンケート調査などの数量的研究も実践する。また、社会人を対象とするパラドックス教育の効果についての分析を進めることでチームレベルや個人レベルの実証分析を行う。本研究課題で蓄積された研究成果の発信および海外研究者との情報交換、共同研究の可能性の検討、海外での最新の学術事例の収集を目的とし、世界最大の国際ビジネス学会であるAcademy of International Business Annual Conferenceおよび世界最大の経営学会であるAcademy of Management Annual Meetingに参加する。実証研究を継続し、さらに研究成果を統合することで、パラドキシカル・マネジメントのマルチレベル理論を構築する。研究成果に基づいて作成された学会報告論文および新規に作成する論文については、各方面からのフィードバックを参考に改訂を重ね、定評のある国際ジャーナルに順次投稿していく。
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