Project/Area Number |
23K25561
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Project/Area Number (Other) |
23H00864 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | The University of Tokyo (2024) Kansai University (2023) |
Principal Investigator |
藤岡 里圭 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00326480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸谷 和広 関西大学, 商学部, 教授 (40330170)
高井 啓二 関西大学, 商学部, 教授 (20572019)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,130,000 (Direct Cost: ¥10,100,000、Indirect Cost: ¥3,030,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | モバイル決済 / キャッシュレス / 技術需要 / 小売業 / 消費者行動 / コード決済 / 技術受容 / QRコード決済 |
Outline of Research at the Start |
キャッシュレス化の推進力は、スマートフォンの普及に伴うモバイル決済の発展である。消費者はこの新しい技術をどのように受容し、それがいかに小売業の発展を導くのか。本研究は、この課題を明らかにするため、次の3点を検討する。第一に、歴史分析を取り入れることで、日本は他国に比べてキャッシュレス決済が進んでいない理由と小売技術の経路依存的発展プロセスを明らかにする。第二に、消費者の視点からモバイル決済利用の推進力を解明し、日本の消費者の特性を理解する。第三に、決済事業者の発展が消費者の利用意向にどのように影響しているのか、それが小売業の競争構造をどのように変化させているのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消費者がモバイル決済をどのように受容し、それがいかに小売業の発展を促進しているのかについて明らかにすることを目的としている。初年度である2023年度は、主として、以下の分析を進めた。 第一に、消費者はキャッシュレス決済を含む新たな技術をどのように受容してきたのかに関する文献をサーベイした。消費者行動論における技術受容に関する先行研究は多いものの、決済手段に関する技術需要の研究はそれほど多くないこと、また、本研究の目的がコロナ禍における政府や自治体のキャッシュレス決済普及促進政策と消費者行動の関係性を明らかにすることであるため、対象とする文献の研究領域を広げ、店頭技術に関する歴史研究や流通政策に関する研究も含めて検討した。第二に、大阪府八尾市で実施したキャッシュレスポイント還元事業に伴う消費者向けアンケート調査と事業者向けアンケート調査の分析を行うとともに、同時期における全国の消費者のキャッシュレス決済状況に関するデータの収集を行った。その結果、八尾市のキャッシュレスポイント還元事業期間中の消費者の決済金額が上昇しただけでなく、キャンペーンの期待を作ることによって消費者の追加支出や継続利用の意向を高めていること、また、キャッシュレスポイント還元事業を重ねることで消費者の損失回避行動が見られなくなっていることが明らかになった。これらの調査結果は、今後の研究を進めるうえで基礎となる分析であり、今後の研究の広がりを確認できたことは、非常に有益であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、おおむね順調に進展している。研究計画書の中で目的の一つとして掲げていたイギリスの研究チームとの連携についても、予定通り検討を進めている。日英両チームの研究に共通する問題意識については、2024 Society for the Advancement of Socio-Economics (SASE) Annual Meetingで報告することが決定していて、その後、具体的に連携が可能かどうか、可能だとすればどのような形で連携することが可能かを検討することになっている。この結果に基づき、本研究全体の方向性を2024年度後半に決定する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、引き続き文献調査を進めながら、(1)小売業と新しい決済手段に関する歴史分析、(2)八尾市のアンケート調査結果に基づくモバイル決済に対する消費者受容の分析、さらには(3)新しい技術と消費者行動の変化に関するモデルの構築を行う予定である。
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