A Theoretical and Historical Research on the Developmental Process of the Knowledge of and the Knowledge Network of Phenomenological Sociology
Project/Area Number |
23K25583
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Project/Area Number (Other) |
23H00886 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
Basic Section 80030:Gender studies-related
Sections That Are Subject to Joint Review: Basic Section80030:Gender studies-related , Basic Section08010:Sociology-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
那須 壽 早稲田大学, 文学学術院, 名誉教授 (40126438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草柳 千早 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40245361)
池田 祥英 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (90772096)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 現象学的社会学 / 知の社会学 / 運動論 / 知のネットワーク / エスノメソドロジー / トーマス・ルックマン / ピーター・L・バーガー / ジョージ・サーサス |
Outline of Research at the Start |
現象学的社会学をめぐる知の展開過程を理論的・歴史的に解明すること、さらに運動論的視座を取り込んだ「知の社会学」を確立することが目指される本研究では、A.シュッツはもとより、シュッツ以後の現象学的社会学を中心的に担ってきたT.ルックマン、P.L.バーガー、G.サーサスが遺した未公刊の草稿、講義ノート、同時代の研究者たちとの書簡、当時の学会・研究会の設立・運営資料、学会での報告論文等の一次資料を整理して丹念に読み解き、またそれ以降の第三世代による二次資料を広範に検討することで、第一世代から第二世代、さらに第三世代への展開過程を探り、その展開に寄与した「知のネットワーク」について仮説を提起する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度に行った研究活動は主に以下の三点である。第一に、T. ルックマン、P. L. バーガー、G. サーサスの一次資料の収集、輸送、整理およびその検討である。ルックマンとバーガーの資料はコンスタンツ大学社会科学文庫に所蔵されており、当該文庫を訪問し、必要な資料を収集した。サーサスの資料は彼の自宅に保管されており、ボストンを訪れて内容を確認し、早稲田大学シュッツ文庫へ輸送した。これらの資料の大半が手つかずであったため、現在、資料の整理・分類を行いながら、詳細な目次を作成し、並行して内容の検討を行っている。 第二に、知識社会学に関する理論的検討である。従来の知識社会学に目を配りつつ、1990年代以降発展してきた知識社会学に関する新たな知見について理論的検討を行った。特に、C. キャミックとN. グロスによって主唱された「新しいアイデアの社会学」を中心に検討した。「新しいアイデアの社会学」とは、特定の学問領域のなかで新たな知が生成され、確立され、普及していく過程を、研究者間のネットワークに着目して探究しようとする一つのパースペクティヴであり、本研究にとって有益な理論的視座を提供してくれることが期待される。 第三に、コンスタンツ大学社会科学文庫の責任者であるJ. Dreherを招いての国際研究集会の開催である。2023年11月11日に早稲田大学戸山キャンパスで行われた研究集会(早稲田大学高等研究所、知の社会学研究会共催)では、現象学的社会学の応用理論についてのDreherの報告とフロアを交えての議論を行った。また、同年11月17日に同キャンパスで行われた研究集会(早稲田大学高等研究所共催)では、本研究の研究協力者である柿沼涼平が本研究の概要、現在までの進捗状況、今後探究すべきテーマについての報告を行い、それに対するDreherからのコメントとフロアを交えての議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度まずもって行わねばならないと考えていたのがT. ルックマン、P. L. バーガー、G. サーサスの遺した一次資料の収集、輸送、整理である。コンスタンツ大学社会科学文庫を訪れ、所蔵されているルックマンとバーガーの資料の概要を確認した後、本研究との関連性が高い資料データを集中的に収集した。また、ボストンを訪れ、サーサスの自宅に保管されている彼が遺した原資料の内容を確認して必要な資料を選り分け、早稲田大学シュッツ文庫に輸送した。こうした資料収集および輸送の作業は概ね予定通りの進捗であるが、ルックマンならびにバーガーの遺した資料は、予想していたよりもはるかに膨大であるため、必要な資料をすべて収集し終えるには予定より時間がかかる可能性がある。 コンスタンツ大学社会科学文庫で収集した資料のうち、ルックマンの資料については、収集したデータの内容を確認しながらトピックごとに分類したうえで、詳細な目次が研究メンバーの手によって作成されつつあるが、目次の完成にはまだ時間がかかると見込まれる。一方、バーガーの資料については、所蔵されている資料の概要を把握するための目次を作成した後、関連性の高いものから順に手書き資料の文字起こしに取り組んでいる。 サーサスの資料については、まったく手つかずの状態であったため、含まれている資料の内容の詳細を確認する作業から取り組んだ。資料内容の確認と並行して、資料の概要を把握するために目次を作成した。この目次はおおよそ完成している。 また、上記の作業と並行し、研究メンバー各自が資料の内容の検討を行い、各自が得た成果は都度の検討会で共有するようにしている。その一部については、コンスタンツ大学社会科学文庫の責任者であるJ. Dreherを招いて開催した国際研究集会において成果報告を行った。 以上の進捗状況を総合的に勘案し、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において今後取り組む主な課題は次の三点である。第一に、T. ルックマン、P. L.バーガー、G. サーサスの一次資料の収集、整理および電子化に引き続き取り組む。ルックマンとバーガーの資料については、初年度にコンスタンツ大学社会科学文庫を訪れ、資料の内容を直接確認しながら収集作業を行ったが、数万頁におよぶ資料のうち収集できたのはその一部であった。未収集資料のなかには本研究と関連の深いものがいまだ多数残されていることがわかっており、当該文庫を再度訪れ、収集作業に取り組む予定である。一方、サーサスの資料は、資料保存と利便性向上のために電子化する予定である。ただし、当該資料には多種多様な資料が含まれており、これらすべてを業者に委ねて一様に電子化するのは困難である。したがって、資料によっては研究メンバーが手ずから電子化作業を行わねばならないことが予想される。 第二に、収集した資料ならびに関連する二次資料に関する検討に取り組む。現象学的社会学の草創期から今日までの展開過程を辿ろうとする本研究は、シュッツや彼の理論を根付かせた第二世代の研究者たちによる研究に加え、それを社会科学全般に応用してきた第三世代の研究者たちによる業績にも目を配る必要がある。研究代表者ならびに研究分担者を中心に、①現象学的社会学の草創期、②確立期、③展開期をそれぞれ対象とする研究グループの三編成で調査・検討を進める。 第三に、知識社会学ならびに運動論に関する理論的検討に取り組む。本研究では、運動論的視座を取り入れた知識社会学の観点から現象学的社会学の展開過程を跡付け、翻って新たな知識社会学を理論的に展開することが目指される。それゆえ、知識社会学ならびに運動論に関する最新の知見に目を配る必要がある。 以上の課題に取り組む中で各自が策出したテーマについて調査・検討を行い、最終的には報告書の形でまとめる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)