エピゲノム情報と脳画像に基づいた子どもの養育歴と社会認知発達の推定モデリング
Project/Area Number |
23K25644
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Project/Area Number (Other) |
23H00947 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤澤 隆史 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (90434894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友田 明美 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80244135)
水野 賀史 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (50756814)
西谷 正太 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命講師 (50448495)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | エピゲノム / 発達 / 養育環境 / 被虐待経験 / 脳画像 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、①申請者らが既にサンプリングし、エピゲノムワイド解析を終えているメチル化アレイデータおよび脳画像データを対象に、子の発達状況(認知・社会性)および過去の養育歴(家族関係、被虐待経験の有無など)に関与するエピゲノム情報・脳画像情報を同定し、それらの情報に基づく発達状況推定モデリング、養育歴推定モデリング、を構築する。また、②新たにメチル化アレイデータおよび脳画像データを追加することで、上記推定モデルの妥当性について検証し、さらに新たな訓練データセットすることで新版モデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、子どものこころの問題において、子どもが過去にどのような養育を受けてきたか(養育歴)について客観的に評価する手法を確立するために、申請者らが児童からサンプリングし、エピゲノムワイド解析を終えているメチル化アレイデータおよび脳画像データを対象に、児の発達状況(認知・社会性)および過去の養育歴(家族関係、逆境経験の有無など)に関与するエピゲノム情報・脳画像情報に基づいた発達状況推定モデリング、養育歴推定モデリング、を構築することを目的とする。また、新たにメチル化アレイデータおよび脳画像データを追加することで、上記推定モデルの妥当性について検証し、新たな訓練データセットすることで新版モデルを構築することを目的とする。 当該年度は、既サンプルであるメチル化アレイデータを対象に、機械学習を用いて過去の養育環境(逆境経験の有無)に関する推定モデリングのプロトタイプを構築した。その結果、既サンプルのテストデータに対して85%以上の精度で推定が可能なモデルを構築した。また脳画像データを対象に、Freesurferを用いて逆境経験の有無と関連する皮質表面積および皮質厚の違いについて同定したところ、左側上側頭回や右側下前頭回の皮質厚などに違いが見られることが明らかとなった。サンプルの追加については、非定型発達児および非定型発達児それぞれ約60名ずつの脳画像と唾液サンプルの取得を行った。さらに本研究の有効性について傍証するために、精神疾患の疾患リスクや重症度を予測するためにエピゲノムデータを利用した先行研究についてレビューを行い、メチル化アレイデータに対して機械学習を適用したデータサイエンスの有効性について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、既サンプルであるメチル化アレイデータを対象に、機械学習を用いて過去の養育環境(逆境経験の有無)に関する推定モデリングのプロトタイプを構築した。その結果、既サンプルのテストデータに対して85%以上の精度で推定が可能なモデルを構築した。また脳画像データを対象に、Freesurferを用いて逆境経験の有無と関連する皮質表面積および皮質厚の違いについて同定したところ、左側上側頭回や右側下前頭回の皮質厚などに違いが見られることが明らかとなった。サンプルの追加については、非定型発達児および非定型発達児それぞれ約60名ずつの脳画像と唾液サンプルの取得を行った。さらに本研究の有効性について傍証するために、精神疾患の疾患リスクや重症度を予測するためにエピゲノムデータを利用した先行研究についてレビューを行い、メチル化アレイデータに対して機械学習を適用したデータサイエンスの有効性について議論した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は構築された推定モデリングのプロトタイプの妥当性を検証するために、新たに取得した児童の脳画像・唾液サンプルについて脳画像解析・メチル化アレイ解析を実施する。また逆境経験を有する児童のサンプルを追加する必要があるため、サンプルの取得を進める。プロトタイプの推定モデルは、メチル化アレイと脳画像による多くの変数データから機械学習モデルによって絞り込まれた変数により、子の発達状況および過去の養育歴を確率的に推定するため、プロトタイプを開発したデータセットとは独立したデータセットによって再現性が確認されることで、モデルの妥当性と実用性が担保される。そのため、追加計画で得られるメチル化アレイと脳画像のデータを推定モデル構築のためのテストデータとすることで、今後はプロトタイプを洗練させた新版推定モデルを開発することを目指す。さらに、本課題では脳画像とメチル化アレイデータを同一のサンプル対象から得ていることから、双方を包括し、両者間の関連解析が可能なプラットフォーム構築の可能性についても検討を進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)