Project/Area Number |
23K25711
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Project/Area Number (Other) |
23H01014 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Soai University |
Principal Investigator |
志村 聖子 相愛大学, 音楽学部, 准教授 (30736765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 真龍 相愛大学, 音楽学部, 非常勤講師 (30513080)
角 美弥子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50569829)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | キュレーション能力 / 無形文化遺産 / エンゲージメント / 展示 / アーカイブ / キュレーション / 音楽の展示 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、伝統芸能と市民の結び手となる専門人材の養成を図るため、伝統芸能のキュレーション能力の養成に着目した教育プログラムを構築し、アートマネジメント教育の発展に資することを目的とする。 わが国の大学等高等教育機関における音楽教育は、西洋音楽を中心に展開され、伝統芸能の教育普及や情報発信に対応できる専門人材が十分に養成されていないのが現状である。 本研究は、申請者らが取り組んできた「伝統芸能コーディネーター育成プログラム」(2019-2021年度文化庁補助事業)での実績をもとに、国内外のアーカイブやキュレーション事例、人材育成に関する調査分析を踏まえ、大学教育における育成プログラムの提案を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度は主として以下の調査研究を行った。 ①各国のミュージアムにおける無形文化遺産(音楽、舞台芸術、伝統芸能)に関するキュレーション事例の実態を把握するため、研究代表者による調査(イギリス、オランダ、ベルギー、米国ほか)に加え、研究分担者および研究協力者による調査(ドイツ、フィリピン)を行い、コンテンツ展示のあり方に関わる多様な実践例を収集した。 ②現場等におけるキュレーション実践による検証として、研究代表者が実行委員として携わる「新・福岡古楽音楽祭」にて同音楽祭の歴史を振り返るパネル展の制作を担当し、上記①の事例調査で得られた知見をビジュアル制作の実践に生かし、その有効性や活用可能性を探った。 ③大学教育における伝統芸能創造とキュレーションの試みとして、学生が伝統芸能の制作過程に参画し、舞台創造を能動的に学ぶ環境をつくるための舞台制作ワークショップ「ファン・ゴッホの夢」を実施し(研究協力者:R.ライゼンダール博士)、活動過程と成果を学会にて発表した。 ④無形文化遺産を現代の人々に効果的に提示する方策を検討するため、国立劇場において雅楽のキュレーションを担ってきた木戸敏郎氏の手法や思想に着目し、現代の雅楽における本質的要素をいかに言説化しうるかを考察し、成果を論稿や著書の一部にて公開した(研究分担者:小野真龍)。 ⑤大学におけるアートマネジメント教育に携わってきた教員経験者(伊藤裕夫氏ほか)の協力を得てシンポジウムを開催し、専門人材育成を取り巻く状況の変遷や共通課題を確認した(日本アートマネジメント学会第25回全国大会)。それを受けて、伝統芸能(無形文化遺産)やキュレーションなどの本研究課題の問題意識が大学教育にどのように位置づけられるかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アーカイブ調査については、質問紙設計のための事前調査に想定以上に時間を要したことから2024年度に実施することとした。一方、当初2年目に予定していた海外からの研究者招聘が2023年度中に実現し、大学教育における伝統芸能のキュレーションの試みを前倒しで実施した。ミュージアムにおけるキュレーション事例の海外調査については、研究代表者による事例収集に加え、研究分担者および研究協力者の調査遂行によって諸外国の事例を収集することができ、今後の体系化の試みに向けた手がかりを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は以下の調査や作業を中心に進めていく。 ①伝統芸能の企画展示におけるキュレーション事例の収集と体系化:今年度に引き続き、国内外の文化施設や実演団体におけるキュレーション事例を収集し、伝統芸能に関する展示やコンテンツ発信の実態を把握するとともに、展示の目的、テーマ、キャプション、コンテンツ、デジタルメディアの活用、コミュニケーションなどに着目して事例を分類し、その意義や解釈を試みる。 ②大学におけるキュレーション教育の実証研究:授業や公開講座の枠組みを活用して「音楽の展示」をテーマに教育プログラムを実施し、その意義や課題を多様な側面から考察する。また、伝統芸能における鑑賞者開発の事例を収集し、その意義や課題を理論面および実践面の両面で検討する。 ③国内外のキュレーター養成プログラムの事例収集と分析:教育研究機関や文化施設、財団等におけるキュレーター養成プログラムの事例を収集し、カリキュラムや指導体制、評価方法などを概観し分析するための基礎データとする。 ④伝統芸能に関するアーカイブの整備状況の実態把握と活用可能性の分析:伝統芸能に関する活動を行う文化施設、実演団体、財団等を対象に、所蔵資料の概要(ジャンル、種類、内容等)、保存状況、利用方法、アクセシビリティへの対応等を把握するための調査を実施する。
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