Project/Area Number |
23K25723
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Project/Area Number (Other) |
23H01026 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
杉尾 幸司 琉球大学, 教育学研究科, 教授 (20433089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 栄作 琉球大学, 教育学部, 教授 (20413718)
福本 晃造 琉球大学, 教育学部, 准教授 (80549816)
加藤 司 琉球大学, 教育学研究科, 准教授 (30922207)
宮国 泰史 琉球大学, 地域連携推進機構 地域共創企画室, 特命講師 (00869290)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | 才能教育 / 科学教育 / STEAM教育 / 高大連携 / 探究活動 |
Outline of Research at the Start |
これまで,我が国の公教育においては,特異な才能のある児童生徒を念頭に置いた指導・支援の取組はほとんど行われてこなかったが,文部科学省の有識者会議において,特異な才能のある児童生徒を含む包摂的な学校教育環境を構築するという方針が示された。 しかし,これまで取り組まれてこなかった才能教育を学教教育の中に取り入れるためには,様々な困難が予想される。 そのため,本研究では,理数系分野を対象に特異な才能のある生徒の行動や特性の分析を通して,特異な才能を把握し支援する教育モデルを開発するとともに,その成果等を活用して,才能教育を行う学校を支援する高大連携システムの構築と評価を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
理数系分野における特異な才能のある生徒の行動や特性の分析については、科学教育プログラムに参加する小中高生を対象としたアンケート調査等を実施し、その内容について分析を進めた。その結果、男女間での意識や行動パターンの変化等が明らかになった。また、理数系分野における特異な才能のある生徒の行動や特性の分析においては、対象となる生徒の「探究活動に対応したメタ認知能力」について評価を行うため、Schraw & Dennison (1994) が成人向けに開発した「メタ認知尺度」をもとに、「探究活動版メタ認知尺度」の開発を行い、プロトタイプ版を作成した。今後、この尺度を使用して、小中高生を対象とした調査を行い、尺度の妥当性等を検討する予定である。 また、特異な才能を把握し支援する教育モデルの開発については、SSH校と協力して大学と企業が行っている共同研究に、理数・科学に高い興味を示す中学生・高校生が参加する取り組みを実施した。現在、参加した生徒の意識や資質・能力の変容等についての分析を進めている。 才能教育を支援するシステムの構築については、理数系分野に適性を持つ生徒が、対話型生成系AIを相談相手として、自分の行いたい研究のアイディアや、研究を進めるために必要な方法等について、アドバイスを受けるシステムのプロトタイプモデルを構築した。このシステムについては次年度において、科学教育プログラムに参加する児童・生徒を対象に実践を行い、実証データの蓄積を行う予定である。その他、自由なものづくりの可能性を広げるクラウド型ファブラボや、島嶼地域の生徒を対象とした遠隔実験室(リモートラボ)を構築した。これにより、島嶼地域のように製作機器が身近にない生徒であっても、STEAM教育をベースにした才能教育が実現できるようになった。これらの内容の一部は、学会等で口頭発表や論文発表を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理数系分野における特異な才能のある生徒の行動や特性の分析については、科学教育プログラムに参加する小中高生を対象としたアンケート調査等を実施し、男女間での意識や行動パターンの変化等を明らかにした。また、対象となる生徒の「探究活動に対応したメタ認知能力」について評価を行うため、「探究活動版メタ認知尺度」の開発を行い、プロトタイプ版を作成した。 特異な才能を把握し支援する教育モデルの開発については、SSH校と協力して、大学と企業が行っている共同研究に、中学生・高校生が参加する取り組みを実施し、参加した生徒の意識や資質能力の変容等についての分析を進めている。 才能教育を支援するシステムの構築については、対話型生成系AIを相談相手として探究活動のアドバイスを受けるシステムのプロトタイプモデルを構築した。その他、自由なものづくりの可能性を広げるクラウド型ファブラボ(fabrication laboratory)を構築し、遠隔で操作できて製作状況をリアルタイムに観察できる3Dプリンタと、生徒の達成状況に合わせた3Dモデリングのアプリケーションを整備した。また、島嶼地域の生徒を対象とした遠隔実験室(リモートラボ)を構築するために、科学実験で不可欠な純水(蒸留水)をどこでも容易に手に入れられるように、除湿器排水を処理することで純水が製造できる装置を開発し、沖縄県内の中学高校3校に設置した。これらの取り組みにより、島嶼地域のような遠隔地で、製作機器が身近にない環境でも、STEAM教育をベースにした才能教育が実現できるようになった。このように、当初予定していた研究内容について順調に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
理数系分野における特異な才能のある生徒の行動や特性の分析については、引き続き科学教育プログラムに参加する生徒の行動特性について分析を行うとともに、同じ手法をSSH校でも実施し、両者の比較を通して、理数系分野における特異な才能のある生徒の行動や特性を明らかにすることを予定している。また、大学が実施する科学教育プログラムにおいて、大学の研究室などで探究活動行っている生徒を対象に、開発した「探究活動版メタ認知尺度」を使用した調査を実施して、質問紙の内容や尺度の信頼性・妥当性についての検証を行う。その後は、SSH校等においても同様の調査を実施して、その結果についての比較分析を行い、開発した「探究活動版メタ認知尺度」の信頼性を高める予定である。 特異な才能を把握し支援する教育モデルの開発については、SSH校とも協力して、理数・科学に高い興味を示す中高生が、大学と企業が行っている共同研究に参加する教育モデルの開発を進展させる。 才能教育を支援するシステムの構築については、開発した生成AIを探究活動の自主学習ツールとして活用するシステムについて、より多く生徒を対象に実践を行い、実証データの蓄積を行う。また、整備したクラウド型ファブラボを活用し、STEAM教育をベースにした才能教育プログラムを実践するために、チュートリアル・課題設定・評価の一体的な開発に取り組む。その他、フェルミ推定を活用した探究型学習プログラムの開発を行う。また、生成AIを導入した化学実験授業実践では、新たな基礎能力が必要であることが明らかになったため、多面的な取り組みを通してバーチャル実験室の構築や利用に必要な能力の洗い出しにも取り組む。
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