Project/Area Number |
23K25816
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Project/Area Number (Other) |
23H01119 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 高裕 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00631780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 想太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40848553)
奥村 駿 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90906695)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | トポロジカル非線形応答 / シフト電流 / 非相反電流 / 強相関電子系 / マルチフェロ磁性体 / 非摂動伝導 / トポロジカル磁性体 |
Outline of Research at the Start |
物質中電子の幾何学位相を基盤とした非線形応答現象(トポロジカル非線形応答現象)は、高効率の太陽電池や新規ダイオードへの応用可能性から、現在精力的に研究がなされています。これまでは弱相関系が主な研究対象でしたが、一方で、強相関電子系においては多彩な量子相や集団励起モードがあらわれるため、それら特有の量子位相に起因した新たな非線形機能が現れると期待されます。本研究では、強相関電子系、特に反転対称性の破れた磁性体・超伝導体・モット絶縁体などにおいて、場の理論的手法と数値計算を組み合わせてシフト電流・非相反電流などについて理論解析を行い、応答の巨大化や強相関系特有の量子位相構造の解明を目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
非線形光学効果については、二周期外場によるディラック電子系における光電流生成について解析を行った。二周期外場は2つの異なる周期をもつ電場を重ね合わせることで得られ、2つの周期の比に応じて特徴的な回転対称性をもつ電場パターンを示す。私たちは二周期外場の電場パターンを利用して物質中電子の空間対称性を実効的に制御することで、これまで光電流発生があまり議論されてこなかった反転対称な物質においても、光電流駆動が可能なことを示した。特に、ディラック電子系においてはそのギャップレス性から低周波領域において大きな二周期外場による光電流発生が可能であることを明らかにした。 非摂動的な伝導現象については、絶縁体の直流伝導を計算するフレームワークとして、量子マスター方程式を用いた定式化を行った。量子マスター方程式の最も簡便な扱いとして緩和時間近似(もしくは半導体ブロッホ方程式)と呼ばれるものが広く用いられているが、絶縁体の直流伝導現象にこの手法を適用すると非物理的な電流が生じてしまうことを明らかにした。私たちは量子マスター方程式の微視的な取り扱いに基づき、計算量をほとんど変えずにこの問題を解消する緩和項の導入方法を提唱した。 トポロジカル磁性体については、磁気スキルミオンが成す3次元紐状構造に対して、平行方向のスピン偏極電流が引き起こすダイナミクスについて解析・数値計算を行った。そこでは非線形なスピン波励起によってスキルミオンが不安定化し、強磁性へのトポロジカル転移が起きうることを理論的に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光電流発生を中心とした非線形光学効果の解析が順調に進んでいる。トポロジカル磁性体では、磁気スキルミオンなどが示す光起電力や高次高調波発生などの非線形光学応答について解析を進めている。また、外場を摂動論的に取り扱うことができない状況を取り扱うための理論的な方法論の整備が順調に進んでおり、この手法を応用した非相反伝導現象の解析に取り組み始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
電子的なバンドギャップより下のエネルギースケールであらわれる準粒子励起の非線形光学応答を検討することで、より広い波長帯における光起電力効果の開拓を行っていく。 非摂動的な応答現象については、量子マスター方程式に基づく伝導現象の解析や高次高調波発生の機構の微視的な記述に取り組む。 トポロジカル磁性体については、磁性と結合した電子状態についてより直接的な計算を行うために、実空間・実時間発展による大規模なシミュレーションの計算コードを開発し、ノンバイアスな数値手法に基づいて解き明かす方針である。
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