Project/Area Number |
23K25822
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Project/Area Number (Other) |
23H01125 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
横谷 尚睦 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (90311646)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | ハーフメタル / スピン依存電子状態 / 先端光電子分光 |
Outline of Research at the Start |
ハーフメタル強磁性体は電流を担う電子が一方のスピン状態にある電子のみからなる金属です。その特異な電子状態に起因する多体相互作用は、特性の理解には重要であるものの未解明の部分が多いことが知られています。本研究課題では、ハーフメタルの特異な多体相互作用の解明を目指して、最先端の電子観測手法を用いて電子状態を観測するとともに理論研究とも連携して、異常に大きなスピン依存電子相関効果を検証することを研究目的とします。得られる結果は、固体物理学における多体相互作用の理解を深めるとともに、ハーフメタルを用いたデバイス開発や性能向上、さらには新たなハーフメタル探索への指針を与えます。
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Outline of Annual Research Achievements |
ハーフメタルCrO2に対して、先端光電子分光実験と理論研究の連携によりスピン依存電子相関効果の実験的検証の研究を進めた。検出効率の低いスピン分解角度分解光電子分光実験および角度分解逆光電子分光実験を効果的に実施するために、これまでに得られているスピン積分角度分解光電子分光(ARPES)の結果の詳細な解析を進め、CrO2の電子状態について新しい知見を得ることができた。加えて、ハーフメタル候補物質のスピン分解電子状態の研究に着手した。 スピン積分ARPESの結果の詳細解析から、フェルミ面上の異なる波数領域において測定した準粒子分散に多体相互作用の特徴である折れ曲り構造を観測するとともに、折れ曲りの大きさに波数依存性があることも見出した。また、実験結果からセルフエネルギーを抽出し、電子-フォノン相互作用を仮定したセルフエネルギーと比較することにより、電子-フォノン相互作用以外の相互作用の関与を示唆する結果を得た。これらの結果は、複数かつ特徴的なボゾンがCrO2の物性に影響を与えていることを示唆する。電子構造の温度依存性測定の結果からは、昇温に伴い、測定波数領域の大部分でフェルミ準位近傍の非占有側に電子状態が成長することを示す結果を得た。この結果は、高分解能スピン分解光電子分光測定で観測された、マイノリティスピン状態による非準粒子状態と対応するものであると考えられる。 関連するハーフメタル候補物質の高分解能スピン分解光電子分光実験を行い、スピン偏極率の温度依存性の測定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CrO2のスピン分解放射光角度分解光電子分光および角度分解逆光電子分光の研究課題に関しては、実験が予定通り進んでいないため上記の判断とした。ただし、関連する実験結果の解析を進めることでより効果的な実験ができる準備が整い、2004年度にマシンタイムも確保することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究課題を遂行する。加えて、ハーフメタル候補物質にも研究対象を拡大して研究を進める。
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