Optical control of nuclear spin-spin couplings and its application to quantum information processing
Project/Area Number |
23K25828
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Project/Area Number (Other) |
23H01131 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
後藤 敦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, マテリアル基盤研究センター, グループリーダー (30354369)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | 核磁気共鳴 / 量子ゲート / 光ポンピング / 核スピン-スピン相互作用 / RKKY相互作用 |
Outline of Research at the Start |
「核スピン」は物質を構成する原子が持つ小さい磁石で、これを「量子ビット」として利用する「NMR量子計算機」は有力な量子計算手法の一つとして期待されている。この方式の実現に向けた課題の一つにゲート操作の実現があり、それを実現する機構として、半導体に光を照射すると発生する「光誘起核スピン間相互作用」の利用が期待されているが、そのメカニズムはよくわかっていない。本研究では、様々な励起光条件下におけるNMR測定を通して、この相互作用のメカニズムを解明し、量子ゲートとして動作するための条件を明確にすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
半導体における光学的に誘起された核スピン-スピン相互作用は、核磁気共鳴(NMR)量子計算におけるゲート操作に役立つと期待されているが、そのメカニズムはわかっていない。本研究では、様々な励起光条件下における多様な二重共鳴実験により、半導体内における光誘起核スピン-スピン相互作用の特徴を解明し、量子ゲートとして動作するための条件の明確化をはかる。 初年度となる本年度は、励起用光源に係るシステムの構築を行った。まず、チタン・サファイアレーザー(既設)を励起するポンプレーザーを導入し、近赤外の広い波長域のCW光を提供するシステムを立ち上げた。また、レーザー出射光を既設の「光ポンピング二重共鳴NMRプローブ」(自家製)のプローブヘッドへと導光するため、偏波面保存ファイバーを用いた導光システムを構築した。具体的には、レーザー出射光をファイバーにカップリングするため、20x対物レンズとファイバーアラインメントステージによるカップリング機構を構築するとともに、レーザー出射光の光軸をレーザー出口付近に設置した複数のミラーにより調整することで、カップリング機構の光軸にアラインできるようにした。レーザー出口からファイバーカップリングまでの区間は空間放射となるため、遮光シールドを設置して散乱光からの作業者の安全を確保した。また、照射光の導光を妨げずにその強度や波長をリアルタイムでモニターするための仕組みとして、ファイバー入射光の一部(1/100)をファイバー内で分岐してパワーメーターに導光して強度を測定するシステムや、ファイバーカップリングにおいて対物レンズからわずかに発生する反射光を別のファイバーで集光して分光計に導光するシステムを新たに構築した。これらのシステム構築の後、本システムを用いて、砒化ガリウムに対する光照射下での予備測定を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の要となる「励起用光源に係るシステム」の構築が順調に進んだ。特に、チタン・サファイアレーザー立ち上げ、レーザー光から偏波面保存シングルモードファイバーへのカップリング機構の構築、光強度及び波長のリアルタイムモニターの構築などが順調に進み、第2年度以降の測定に向けた準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年度となる令和6年度は、まず、前年度に構築した励起光システムの安定性の確認を進める。半導体の緩和時間は非常に長く、緩和減衰の測定では1データあたり数日を要するため、その間の光強度の安定性が重要となる。特に、実験室の室温の変化によるカップリング効率の変化等についてテストを実施して安定性を確認するとともに、安定度が不十分な場合にはその改善策を検討する。 次に、砒化ガリウムに対する光照射NMR測定を開始する。前年度の予備実験から、光ポンピング下でのNMRスペクトルの状況がエコー測定に大きな影響を与えることが分かったため、まずは、試料の表面全体で均一な光ポンピングNMRスペクトルを測定するための方策を検討する。また、パルスシーケンスの位相回しを検討し、目的とする減衰曲線を効率的に得るためのベストな条件を明らかにする。このプロセスでは試行錯誤に時間を要すると推測される。 このプロセスの完了後、光照射下でのスピン-エコー減衰測定を開始し、光誘起核スピン-スピン相互作用の特徴の解明を進める。具体的には、光照射下でのガリウム核のスピンエコー減衰曲線を砒素核スピンの反転がある場合とない場合において測定し、ガリウム核同士やガリウム核と砒素核との間に働く相互作用の光照射による変化を検出する。特に、照射光の強度と光子エネルギーの変化に対する減衰曲線の変化を検出することで、励起した電子の状態と相互作用の関係性の解明を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)