| Project/Area Number |
23K25834
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| Project/Area Number (Other) |
23H01137 (2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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| Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐久間 由香 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40630801)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一徳 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 特任助教 (00801937)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
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| Keywords | 膜流動性 / 膜粘度 / ベシクル / 初期胚 / 細胞膜 / 脂質膜粘度 |
| Outline of Research at the Start |
細胞膜における膜流動性は生体機能の発現を制御する重要な因子であり、これまでに脂質のみから成るモデル細胞膜を用いた研究がなされてきた。一方、生きた細胞膜は糖鎖などによる表面修飾や脂質分布の非対称性,膜内外での溶液粘度の非対称性など複雑な構造を持つ。さらに、細胞骨格から力学的揺動を受けた非平衡状態にあり、細胞の生死による流動特性の違いが予想される。本研究では、モデル細胞膜の構造を実際の細胞膜に近づけて膜粘度を測定し、複雑な膜構造が流動性に及ぼす影響を調べる。また「生きている」状態での細胞膜の流動性を評価し、非平衡状態が流動性に及ぼす影響を明らかにすることで、「生きている」膜とは何かを明らかにする。
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| Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜における膜流動性は、細胞の機能を制御する重要な因子であり、これまでに脂質のみから成るモデル細胞膜を用いた研究が盛んに行われてきた。一方、生きた細胞膜は糖鎖などによる膜表面の修飾や脂質分布の非対称性,膜内外での溶液粘度の非対称性など複雑な構造を持つ。さらに、細胞骨格から力学的揺動を受けた非平衡状態にあり、細胞の生死によってその流動特性に大きな違いがあることが予想される。本研究では「生きている細胞膜と無生物であるモデル細胞膜の流動性は何が違うのか」を明らかにするため、まずはモデル細胞膜を用いて相分離構造の有無による膜粘度の違いを調べた。その結果、膜の粘度は相分離によって約1/6に低下することがわかった。これまで、細胞膜の相分離構造が特定のタンパク質の局在化を促し、細胞機能の効率化に寄与することは知られていたが、本研究は相分離構造がダイナミクスの観点からもタンパク質の輸送の効率化に関与する可能性を示した。この成果は専門誌Biophysical Journalに発表済みである [Tanaka et al., Biophys. J. (2025)]。また、線虫の初期胚を用いた膜粘度測定から、生細胞では細胞骨格の状態が膜粘度に大きく影響することを明らかにした。さらに、生細胞膜には長距離粘度と短距離粘度の二種類が存在することを示した。短距離粘度は、膜内分子の短距離拡散から得られ、シグナル伝達などの細胞機能を制御している。一方、長距離粘度は細胞移動や細胞分裂など、細胞スケール動的過程に関与し、アクチン骨格と細胞膜とが一体化して流動する。我々は、長距離粘度が短距離粘度や脂質のみから成るモデル細胞膜と比較して数桁大きいことを明らかにした。この成果については専門誌に投稿準備中である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、モデル細胞膜と生きた状態の細胞膜双方の膜粘度測定が順調に進んでいるため。特に、生細胞である線虫の初期胚の膜粘度を測定し、その結果生細胞には長距離粘度と短距離粘度の2種類が存在することを解明したことは特筆に値する成果である。これまで、細胞膜にトレーサー分子を埋め込み、その短距離拡散から測定される短距離粘度については報告がなされてきた。しかし、細胞移動や細胞分裂など、細胞スケールで起きるダイナミックな過程を支配する長距離粘度については適切な測定手法がないために測定されてこなかった。細胞移動や細胞分裂では、細胞膜だけでなくその内側に張り巡らされている細胞骨格の流れも重要な役割を果たすと考えられてきた。そこで我々は、細胞骨格を含めた細胞表層の粘度を世界で初めて測定し、その粘度が短距離粘度よりも数桁大きいことを明らかにした。さらに、本研究最大の問いである「生きている細胞膜と無生物であるモデル細胞膜の流動性は何が違うのか」を解明するには、細胞膜から単離したGiant Plasma Membrane Vesicle (GPMV)の膜粘度測定も必要だと判断した。GPMVを得る技術を習得し、膜粘度測定にも着手することができたため本研究は概ね順調に進捗していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究では、細胞を用いたトップダウンアプローチと、モデル細胞膜を用いたボトムアップアプローチの両面から、生細胞膜の流動特性を解析する。 トップダウンアプローチとして、新たにカタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)の初期胚を用いた細胞膜の粘度測定を行う。2024年度の研究成果から、外力による細胞膜の流動を誘起するには、細胞骨格であるアクチン繊維の重合阻害が必要であることが示された。この知見を踏まえ、アクチン重合阻害剤の濃度とアクチン骨格の構造の関係を共焦点レーザー顕微鏡で観察し、さらにアクチン骨格の構造が膜粘度に与える影響を調べる。さらに、カタユウレイボヤの未受精卵(生きていない状態)と受精卵(生きている状態)の粘度を測定して比較することで、「生きている」ことに特徴的な物理量を抽出する。 ボトムアップアプローチとしては、アニオン性脂質を含むモデル細胞膜に塩溶液を添加し、化学物質によって誘起される相分離構造が膜粘度に及ぼす影響を調べる。さらに、異なる化学物質を用いた際の相分離構造の変化と、それに伴う粘度の変化を解析することで相分離構造がどのように膜粘度を制御しているか明らかにする。 また、細胞から単離したGiant Plasma Membrane Vesicle (GPMV)の膜粘度を測定し、モデル細胞膜および生きている細胞膜の膜粘度と比較することで、生きている細胞膜とモデル細胞膜を繋ぎ、それぞれの流動性の違いとその要因を明らかにする。
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