Project/Area Number |
23K25879
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Project/Area Number (Other) |
23H01183 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木内 健司 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00791071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 泰 国立天文台, 先端技術センター, 助教 (40450184)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | 超伝導検出器 / ミリ波 / サブミリ波 / 偏光 / 超伝導力学的インダクタンス検出器 / ミリ波・サブミリ波 / MKIDs |
Outline of Research at the Start |
宇宙はどのようにして生まれ、どのように進化してきたのだろうか?宇宙誕生初期の光は宇宙の膨張によって波長がミリメートル程度まで引き伸ばされている。この光を精度良く観測するため、ミリ波・サブミリ波帯の偏光信号をメガセンサークラス(100万素子クラス)の検出器で観測する実験が多数計画されている。 超伝導検出器はこれらの実験にとって必要不可欠な検出器であるが、現行実験と比較すると 1 桁以上のセンサー数増加を見込んでおり、実現するためには大面積アレイを高い歩留まりで多数作製可能な新しい検出器の開発が必須となる。本研究では、メガセンサー望遠鏡の要求を満たす高感度かつ生産性の高い超伝導検出器を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ミリ波・サブミリ波帯の偏光信号をメガセンサークラス(100万素子クラス)の検出器で観測する実験が多数計画されている。これを実現するためには大面積アレイを高い歩留まりで多数作製可能な新しい検出器の開発が必須となる。この要求を満たすため素子の構造・設計を単純化しつつ、感度を犠牲にせずに作製効率のよいミリ波・サブミリ波検出器の開発を目指して研究を行った。本研究では、力学的インダクタンス検出器(KID)を検出部として用い、アンテナ等のミリ波回路を同一基板上に統合することで作製効率や歩留まりを犠牲にせずに要求を満たす検出器を開発することを最終目標としている。 2023年度は、力学的インダクタンス検出器部の基礎特性評価を継続するとともに、平面型のミリ波回路の開発を行った。特に、ミリ波回路部の開発では第一歩としてマイクロ波帯のmagic-Tと呼ばれる方向性結合器、およびマイクロ波帯のcrossoverと呼ばれる交差構造を開発し報告した。それぞれ、本研究の検出器には必要不可欠な構造であり、広い比帯域を実現しつつ作製工程を大幅に削減することに成功した。 作製においては2023年度初回の作製では加工時のばらつきにより不良が発生するという問題に直面したものの、作製工場と作製手法の再検討および見直しをすることで2回目の作製ではKIDとして動作することを確認し予定通り特性評価を実施することができた。これにより作製手法においてもより成熟したレシピを得ることができた。 これらの結果を踏まえ、広帯域アンテナ、周波数フィルタ、KIDの新しい結合方式の設計を行い試作を行った。試作素子を超伝導状態に冷却して評価したところ、予定通り結合していることが確認できた。更に、低温黒体を用いた光学試験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は4年計画で新しい超伝導検出器の開発を目的としている。 初年度に広帯域かつ作製が容易な方向性結合基magic-Tおよび配線の交差構造を開発できたことは全体の開発において重要な成果となる見込みである。 magic-TについてはJLTPにて交差構造は日本物理学会にて発表している。 超伝導検出器の作製においても、作製上のばらつきにより不良が発生する箇所の特定とその対策が得られたため、今後の開発では安定した作製が可能になった。 更に、KIDとミリ波回路を統合した検出器の試作を行い、電気的・光学的な評価に取り組んでおり計画通りの成果が得られている。 以上の理由により、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、2023年度に作製した超伝導検出器の測定を継続するとともに、開発した新しいミリ波回路を統合した超伝導検出器の評価を行ってゆく予定である。 検出器を測定する周辺環境を整備し、迷光と呼ばれる本来期待される経路以外からの光を抑制することが正しい検出器評価につながる。そのため、迷光対策を行いより適切な測定結果を得るとともに、その成果を設計・作製にフィードバックすることを目指す。 試作した素子はすでに多くのミリ波回路を含んでいるため、測定結果を精査することで改善点の洗い出しおよび対策を施した設計に取り組む。 また、実際に作製した場合には作製上のばらつきがあるため、作製結果した結果をもとにばらつきに対してロバストな設計へと改善する。
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