Development of CIGS semiconductor particle detectors with recovery mechanisms from radiation damage
Project/Area Number |
23K25887
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Project/Area Number (Other) |
23H01191 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
外川 学 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (50455359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西永 慈郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (90454058)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 半導体検出器 / CIGS半導体 / 放射線耐性 / 素粒子実験 / 重イオンビーム |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、CIGS(Cu(In,Ga)Se2 )半導体により、シリコンを凌駕する高放射線耐性をもつ半導体検出器を創出することである。CIGSは製造工程で添加するアルカリイオン、銅イオンが熱処理で動き、放射線損傷で発生する欠陥を埋めることで、性能が回復するユニークな機構を持っている。先行研究では、世界初となる「回復機構を有する半導体粒子検出器」を製作した。陽子線照射、重イオン照射実験によりその動作を確認し、実利用への大きなマイルストーンを達成した。本研究では、CIGS 回復性能の定量的理解、CIGS粒子検出器に向けた厚型化 、微細電極化、大面積化に向けた準備を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、CIGS(Cu(In,Ga)Se2 )半導体により、シリコンを凌駕する高放射線耐性をもつ半導体検出器を創出することである。CIGSは製造工程で添加するアルカリイオン、銅イオンが熱処理で動き、放射線損傷で発生する欠陥を埋めることで、性能が回復するユニークな機構を持っている。先行研究では、世界初となる「回復機構を有する半導体粒子検出器」を製作した。陽子線照射、重イオン照射実験によりその動作を確認し、実利用への大きなマイルストーンを達成した。本研究では、CIGS 回復性能の定量的理解、CIGS粒子検出器に向けた厚型化 、微細電極化、大面積化に向けた準備を進める。 回復の温度依存性を、CIGS太陽電池を用いて評価した。評価は、AM1.5スペクトルを25度で100 mW/cm^2照射して発生する電流密度を、照射前/照射後及び熱処理による回復後で比較することで行う。放射線損傷は、東北大学CYRICの70MeV陽子ビームを7.5x10^15 MeV neq /cm^2照射することで行った。サンプルごとに熱処理の温度を変え、90, 110, 130度の3点で比較を行った。130度では1時間アニールすると、ほぼ照射前と同程度(出力比95%以上)まで回復するのに対し、90度では85%まで回復するのに数日と長い時間を要した。90-130度付近での大きな温度依存性を確認し、回復のメカニズムを理解するための重要なデータとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画として、 a) CIGS 回復性能の定量的理解 現在まで試した熱アニールによる回復の温度、時間については、十分回復できる程度という経験値から試したもので、最適値は未評価である。太陽電池の評価では、短絡電流の回復は、20 時間以上で既に上げ止まっている傾向が見えているので、例えば、同じ温度で1時間毎に合計10 時間分行うことで回復の時間依存評価を行う。また、時間依存だけでなく、温度依存も評価する。回復性能に限界があるか、損傷、回復をを繰り返すことで評価する。 b) CIGS 粒子検出器に向けた厚型化、微細電極化、大面積化に向けた準備 現在のCIGS検出器の有感領域の厚さは2μmと薄い。これは、光吸収効率が極めて高いことから、太陽電池用途としては数ミクロン程度で十分であるためである。太陽電池としては、薄く作れることが利点ではあるが、粒子検出器としては荷電粒子単体の貫通時の出力が厚みに比例するので、ノイズとの分離のため、最低でも20μmは欲しい。検出器製作を担当する分担者の西永は、段階的に厚く作る方向で検討を行っており、現在10μm厚の検出器を製作中である。この厚型検出期の評価を行う。 の二点をあげた。a)に関して、回復の温度依存性を確認し、90-130度付近で大きく変化することを確認した。また、CIGS検出器への放射線照射と回復を複数回繰り返し、回復は複数回可能であることを確認した。研究は計画通りに進行している。b)に関して、厚型化について、現在10ミクロン厚までの製作に成功している。単荷電粒子測定に向け、20ミクロン厚の製作に取り掛かっており、こちらも順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
a) CIGS 回復性能の定量的理解 回復の温度依存性を確認し、90-130度付近で大きく変化することを確認した。また、CIGS検出器への放射線照射と回復を複数回繰り返し、回復は複数回可能であることを確認した。これらの結果を元に、回復についての評価を物性計算と共に検証し、回復の定量的な理解を目指す。その際必要なデータがあれば順次測定を行っていく。 b) CIGS 粒子検出器に向けた厚型化、微細電極化、大面積化に向けた準備 厚さ20ミクロンのCIGS検出器を作り上げ、単荷電粒子の測定に挑戦する。また、読み出し回路(ASIC)の上に直接CIGS成膜を施すことで、ピクセル検出器の製作を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)