Project/Area Number |
23K25889
|
Project/Area Number (Other) |
23H01193 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
|
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
関本 裕太郎 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (70262152)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 宇宙マイクロ波背景放射 / ミリ波偏光観測 / 位相復元法 / 広視野望遠鏡 / ミリ波望遠鏡 / 広視野偏光観測 / ホログラム / 近傍界アンテナパターン測定 / 広角サイドローブ / ホログラフィ |
Outline of Research at the Start |
広視野ミリ波偏光観測は、宇宙マイクロ波背景放射からの渦巻き状偏光パターンによる原始重力波の探査として有用であり、広視野化や偏光角の高精度化が喫緊の課題である。ミリ波望遠鏡で偏光を観測するには、望遠鏡自身の偏光特性を知る必要があり、望遠鏡開口の電場のベクトル(振幅・位相)を知ることが近道である。超伝導遷移端センサ (TES)やMKIDなどの数千から数万画素を持つ焦点面検出器の開発が進められているが、電場の強度(振幅の2乗)を測定し、位相は検出できない。 我々は、広視野ミリ波望遠鏡の開口の位相を、ミリ波焦点面検出器において干渉縞(ホログラム)から復元し、遠方界アンテナパターンを取得する手法を開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
広視野ミリ波偏光観測は、宇宙マイクロ波背景放射からの渦巻き状偏光パターンによる原始重力波の探査として有用であり、広視野化や偏光角の高精度化が喫緊の課題である。ミリ波望遠鏡で偏光を観測するには、望遠鏡自身のサイドローブを含む偏光特性を知る必要があり、望遠鏡開口の電場のベクトル(振幅・位相)を知ることが近道である。近年、超伝導遷移端センサ (TES)やMKIDなどの数千から数万画素を持つ焦点面検出器の開発が進められているが、電場の強度(振幅の2乗)を測定し、位相は検出できない。 我々は、広視野ミリ波望遠鏡の開口の位相を、ミリ波焦点面検出器において干渉縞(ホログラム)から復元し、近傍界測定をフーリエ変換することで遠方界アンテナパターンを取得する手法を開発している。初年度は、その原理を確認した。ホログラムから位相及び複素電場を復元するのには、波数空間に変換するし手法が従来から使われているが、その場合は、広角サイドローブパターンは一部しか得られず、宇宙マイクロ波背景放射のように大角度スケールを観測するには適さない。そこで、参照信号の位相を変化させる手法に取り組み、広角サイドローブを取得できる見込みを得た。その手法により、メインローブのみならず、広角サイドローブまで測定できる手法を確立する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の達成に向けて、当初の計画どおりに順調に進展している。初年度は、測定システムの構築を行い開口位相復元法の原理を実証した。 広視野ミリ波望遠鏡に参照信号を追加し、強度 (|E|)と干渉縞、すなわち、ホログラム (|E + E_ref |)とから、位相を復元し、焦点面検出器と広視野光学系を組合わせて、メインローブや広角サイドローブのアンテナパターンを測定した。既存のベクトルネットワークアナライザーを用いて従来型の平面近傍界測定を行い、広視野望遠鏡の開口の複素電場を測定した。その結果と比較した結果、開口の位相を高精度(< 1 degree)で取得できている。遠方界アンテナパターンとしての比較では、-60 dB という高精度で広角サイドローブが再現できることに相当する。これは当初の目論見通りである。今後は、測定時間の短縮を考慮した測定アルゴリズムを改善する。また、低温における測定を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ミリ波広視野望遠鏡のアンテナパターン取得のための位相復元法の開発を進める。広視野ミリ波望遠鏡に参照信号を追加し、強度 (|E|)と干渉縞、すなわち、ホログラム (|E + E_ref |)とから、位相を復元し、焦点面検出器と広視野光学系を組合わせて、メインローブや広角サイドローブのアンテナパターンを測定する。開口ホログラムから位相情報を取り出すには、波数空間へのフーリエ変換法や時間領域のフィルター法などが実証されてきた。我々は、よりロバストかつ高精度化のために参照光の位相を変化させるphase stepping holographyに取り組み、広角サイドローブの測定精度や計測時間の効率化を進める計画である。また、アンテナパターンの測定を常温のみならず、低温5K 環境での測定システムの構築を行う。そのための、真空対応平面スキャナーやプローブ信号と共に移動する可動型輻射シールドの開発を行う。
|